今週号の週刊現代は、はじめの3ページだけ読めば十分だったし、森ゆうこ議員の発言は議事録のほうが面白い

特集ニュースクリッピング
週刊現代に賠償と謝罪記事命令…障害者大会巡る記事
講談社広報室は「理不尽極まりない判決で、即刻控訴する」とのこと。
外務省: 西田外務審議官の発言とされる内容に関する週刊現代の記事について
「安倍はゴーマン、世耕バカ、池田大作金正日−政府高官がオフレコで」という週刊現代の記事に抗議。
安倍晋三事務所が講談社社長に「通告書」を送付?(via はてなブックマーク - タグ「これはひどい」を含む注目エントリー)
週刊現代のこの記事抜粋だけ見ると怪文書にしか思えない。「差し控えさせていただきい」?
 
少し古いのでは、こんなのもありました。
小沢代表ら名誉棄損で講談社を提訴

民主党小沢一郎代表と民主党は7日、週刊現代の記事で名誉を傷付けられたとして、発行元の講談社と「週刊現代」の編集長らに計6000万円の損害賠償と謝罪広告を求める訴訟を東京地裁に起こした。
訴状によると、5月22日発売の週刊現代は「小沢民主党代表の“隠し資産”6億円超を暴く」との見出しの記事を掲載。政治団体所有の物件を、小沢氏個人の資産のようにねじ曲げて伝え、小沢氏と民主党にダメージを与えたという。
民主党幹部は「小沢氏の代表就任直後にこのような記事を出すのは、党と代表のイメージを意図的に損なうものだ」と強調した。
週刊現代編集部は「訴状が届いていないので詳細は分かりかねるが、記事は十分な取材に基づいており、内容には自信を持っている」とコメントしている。
[ 2006年09月07日 16:34 速報記事 ]

JR東労組大宮地方本部 名誉毀損で講談社提訴産経新聞・10/24 10:23)

週刊現代」の記事で名誉を傷つけられたとして、JR東労組大宮地方本部の長谷川利一委員長が23日までに、発行元の講談社と記事を書いたジャーナリストを相手取り、約140万円の損害賠償と謝罪広告を求める訴訟をさいたま地裁に起こした。
訴状によると、講談社は7月から9月にかけて「週刊現代」に掲載された「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」の連載記事で「テロリスト」など事実に反する表現で、長谷川委員長の名誉を毀損したとしている。
週刊現代」の加藤晴之編集長は「取材には万全をつくしており、記事の事実関係には絶対の自信を持っている。今後は法廷でも、キャンペーンの正当性、連載記事の真実性を証明していきたい」とした。
 
(10/24 10:23)

まぁ以下のようなので検索すると、いろいろ出てきます。
講談社を提訴 - Google 検索
加藤晴之 講談社 - Google 検索
 
ちょっと「安倍晋三事務所」の「通告書」テキストが、雑誌掲載のものと若干違っているようなので確認してみました。

10月28日、野間佐和子・弊社代表取締役の自宅に奇妙な手紙が届いた。差出人は「衆議院議員安倍晋三事務所。」開封すると、「通告書」と書かれたA4の紙2枚が入っていた。まさか一国の首相から個人宅にこのような非常識な手紙が届くとは思わないので、怪文書と疑っても当然だ。
週刊現代』では、10月21日号から3週にわたって、『危険な総理の〝媚朝外交〟』を特集してきた。それは、「拉致の安倍」と勇名を轟かせた安倍首相が、実は拉致問題など無きがごとく、水面下で北朝鮮と裏交渉を続けてきたこと、希代の詐欺師である韓国人を「外交顧問」に雇い、国家機密を韓国政府に筒抜けにさせていたことなどを含む内容だった。民主党議員が国会で取り上げて質問するなど、波紋は広がっている。
そんな折に突然届いた首相からの通告書は、次の5項目からなっていた。第1は、なぜかお門違いの朝日新聞に関することだ。第2は、安倍首相が統一教会と深い関係にあることをスッパ抜いた本誌9月30日号の記事を、「一部のブログで取り上げられただけのこと」として逃げている。何人もの弁護士が立ち上がり被害者の会が結成され、社会問題化していることをご存じないようだ。第3は、本誌の質問に回答しないことを、「メディアとしての資質そのものに疑念がある」からだとすり替えている。第4は、〝媚朝外交〟の追及を、「くれぐれも北の走狗などと揶揄されぬように」と、自分の〝媚朝〟ぶりは棚に上げて忠告している。第5は、「今後は貴社の取材は迷惑ですので差し控えて頂きたい」と逃げている。
まさに、公人としてあるまじき態度である。本誌は引き続き安倍首相の〝媚朝外交〟を追及していく。

(太字は引用者=ぼく)
「差し控えさせていただきい」→「差し控えて頂きたい」以外はたいした間違いはありませんでした。
北の走狗 - Google 検索
↑これはあまり一般的な言葉ではなかったみたいです。
安倍 統一教会 - Google 検索
↑こちらのほうが面白かったので、「取り上げている一部のブログ」のテキストを見てみたいと思いました。
民主党議員が国会で広げた波紋は以下のようなものですか。
安倍首相初ギレ…民主・森ゆうこ氏が週刊誌ネタ攻撃:社会:スポーツ報知

安倍晋三首相(52)が国会質問で“初ギレ”した。11日の参院予算委員会民主党森ゆうこ参院議員(50)が、安倍首相の北朝鮮拉致問題の対応を批判した週刊誌報道の真偽を問いただしたところ、普段は温厚な首相が「その程度の話にコメントするつもりはない」と突然“大噴火”。首相就任以来、公の場で初めて激怒。核実験問題の対応に追われる中で、安倍人気の源泉でもある拉致問題を批判され、怒りが沸点に達したようだ。
午前中の審議終了まであと5分。質問者の森氏は、かつて強行採決をめぐり、スカート姿で太ももをあらわにしながらプロレスラーの大仁田厚参院議員につかみかかった猛者だ。
だが、この日はなぜか、ためらいがちに質問をぶつけた。森氏は「非常に私は不愉快な記事を見たんですけども…。それは『週刊現代』です。そこに『安倍は拉致問題を食い物にしてる』と書いてありますが…」と、4年前の日本人拉致被害者の帰国の内幕を描いた週刊誌報道に触れた。
おどおどした様子で記事の一部を引用して読み上げ、「私もさっき記事を見たばかりでよく分からないんですけど…」と前置き。おっかなびっくりという感じで記事の事実関係を問いただした。
公の場では温厚、冷静で話し方や身なりなど細かく気づかう安倍首相だが、虫の居所が悪かったのか。「よく分かっていない事を質問しないでいただきたい。いちいち、そうした記事は読んでおりません」と顔を真っ赤にし、森氏を厳しくにらみつけた。
さらに「この雑誌は以前(拉致被害者の)有本(恵子)さんの両親が言ってもいない私に対するコメントを載せたことがある。その程度の話なんですよ。だからいちいちコメントをするつもりは全くありません。『食い物にしてきた』と、この委員会で言うのは失礼じゃありませんか」と一気にまくし立てた。
わずか39秒だったが、激情家の一面をのぞかせた首相の鬼気迫る迫力に森氏も言葉を失った。委員会終了後「面食らいましたね。『事実無根』と言えば簡単に終わる話だと思うけど…」と、ぼう然とした表情だった。
週刊誌の情報はこの日、同僚議員から寄せられ、周囲と相談したうえで質問することを決めたという。森氏は「私も拉致問題をやってきた。意地悪な質問をした覚えはなかったけど、首相は『攻撃された』と勘違いした。なぜ、あんなに怒るのか。逆に気になる」と弁解した。
 
(2006年10月12日06時02分 スポーツ報知)

(太字は引用者=ぼく)
正式な「議事録」としてはこんな感じです。
参議院会議録情報 第165回国会 予算委員会 第1号

森ゆうこ君 私は、安倍総理は、その拉致問題の具体的な解決について、要するに、具体的に、どうやって拉致被害者を我が国が救出するのかということについて、もう少し具体的な、私のこの午前中、午後からも少し質問をさせていただきますが、この午前中の質問に対してもう少し具体的な御答弁をいただけるものと実はすごく期待をして臨んでまいりました。何となく、ちょっと肩透かしを食らったような感じでございます。
それで、非常に私はこの不愉快な記事を先ほどいただいたんですけれども、週刊現代です。総理はもうごらんになったでしょうか。「安倍晋三拉致問題を食いものにしている」という週刊現代の記事です。
それで、私は、非常に不愉快な記事だと思います。安倍氏、これは、私もさっきもらったばっかりなのでよく分からないんですけれども、中国朝鮮族の大物実業家、崔秀鎮という方と総理が会談されたときのことが詳細に書かれておりまして、そして、こういうところがあるんですね。
金正日総書記が謝罪したということは、生存している拉致被害者及び家族は全員帰国させる決定を下したということです、だから、八人の帰国に関しては御安心ください、しかし八人を帰国させた時点で、これ以上生存している拉致被害者はいないのだから、北朝鮮と国交を正常化させるというお考えでよろしいですねと問われた安倍総理は、それは八人の家族さえ帰国させれば、北朝鮮としては、やることはすべてやったということでしょうというふうに答えたというふうに言っております。
私、よく分かりませんが、この記事の事実関係についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか。
○委員長(尾辻秀久君) 手短にお答えください。
内閣総理大臣安倍晋三君) まず、そのよく分かっていないことを質問しないでいただきたいというふうに思います。
それと、私は、一々、一々そうした記事を私は読んでおりません。
そもそも、例えば、例えば週刊現代については、有本恵子さんの御両親が言ってもいない、私に対する、コメントを載せたことがあります。そんなことは言っていないということを有本さんの御両親は言っていただきました。その程度の話なんですよ。その程度の話について、私は一々コメントするつもりは全くありません。事実、食い物にしてきたということをこの委員会で言うのは失礼じゃありませんか、少し。

森裕子 - Wikipedia

2006年10月11日、参院予算委員会における質問で、週刊現代の「安倍晋三拉致問題を食い物にしている」という記事を紹介し質問したところ、安倍首相の怒りを買い、一部議員から批判された。同年2月より起こった、いわゆる堀江メール問題における永田寿康の言動とも絡めて、「まだ民主党は情報の正誤の確認もろくに出来ないのか(週刊誌を情報源にしているのか)」と批判する声も出ている。この発言に対して、自民・公明両党は同月13日、懲罰動議参議院議長に提出した。

(太字は引用者=ぼく)
波紋広がりすぎかもです。
一応、民主党のテキストも紹介しておきます。
民主党:【参院予算委】森議員、総理に拉致問題への一層の取り組みを迫る

2006/10/11
参院予算委】森議員、総理に拉致問題への一層の取り組みを迫る
 
11日昼、参院予算委員会の集中審議において森ゆうこ議員が質問に立ち、安倍総理に対して北朝鮮による日本人拉致問題への一層積極的な取り組みを迫った。
森議員は質問冒頭に、拉致被害者の救出は新潟県民としても悲願であると述べ、北朝鮮の核実験によって国際社会の議題が核問題に傾く中で拉致問題を埋没させてはならないとし、制裁決議の中に拉致問題を明記するよう総理に迫った。総理は、日本独自の制裁の場合には当然拉致問題への制裁も含まれるとしつつも、国連決議についてはまず核問題についてアピールしていくと答弁した。森議員は、2002年11月8日の国連のイラク非難決議にはイラク拉致問題が明記されていると指摘し、総理の答弁には拉致問題解決への強い意志が感じられないと迫った。これに対して総理は、当時と現在では状況が異なり、今回の決議の中に拉致問題を盛り込むことは難しいと答えた。
森議員は、拉致被害者の救出をどのように行うのかと問い、さらに拉致問題への認識を国際的に広めるための外務省の取り組みを質した。総理は政府として拉致対策本部を立ち上げて対応していると答え、麻生外務大臣はG8外相サミットの例を引いて、拉致問題への認識を広める努力をしていると答えた。
森議員は、拉致問題に関する国際放送である「しおかぜ」に対する政府の支援について質し、菅総務大臣は、総理からの強い要請によるとしつつ、短波周波数の新たな割り当てやNHKの国際放送施設の活用などを検討していると答弁した。
森議員は、総理の訪中・訪韓における拉致問題についての話し合いの内容を問い、総理は影響力の行使や情報収集への協力を挙げたが、森議員はその内容では肩透かしを食らったようだと批判した。
森議員は、国連の北朝鮮制裁決議が成立した場合、日本として臨検などどこまで協力していくのか、また国内法の整備をどうするのかを質した。総理は、わが国の法令の範囲内で対応すると答え、外務大臣はまだ国連決議も出ていないので手の内を明かすようなことは出来ないと答えた。この答弁に対して森議員は、超法規的な措置を取らないためにも、事前に検討を進めておく必要があるのではないかと批判した。
森議員は、国連決議で平和に対する脅威とされた場合、周辺事態との認定もあり得るのかと質問したが、総理は仮定の質問には答弁を控えたいとのみ答えた。
森議員は、制裁を課した場合のリスクは大きく、それを想定して考える必要があると指摘し、その際に拉致被害者を救出する作戦はないのかと質問した。これに対して総理からは、生存者全員の返還を求めて最大限の努力を行うとの答弁を得た。

以下のところでは「2006年06月09日」の「参議院災害対策特別委員会」での発言しか見あたりませんでした。
★www.mori-yuko.com★ 森ゆうこ公式サイト
★www.mori-yuko.com★ 森ゆうこ公式サイト:国会発言録
これって、もう少しちゃんと独自で調べてから何か言うと、もっと面白かったんじゃないだろうか。
崔秀鎮 - Google 検索
ぼくの印象を語ると、森ゆうこさんの質問内容はあまり内容のない、質問とも呼べないようなものとはいえ、週刊誌の部分を除くと安倍さんに「北朝鮮拉致問題をしっかりやって欲しい」と言っている、民主党の公式サイトにある要旨と同じような印象でしたが、みなさんはいかがでしたか。
 
週刊現代は、なんか商売うまいな、という感じです。訴訟における(マスコミ媒体としての)イメージダウン・賠償費用と、そういう記事を載せることによる部数増・売り上げ増とを比べると、収支バランスとしては「噂でもいいのでとりあえず安倍政権批判をします」的なもののほうがうまくいくのでしょうか。