ポジショントークに関する記憶がだんだんよみがえってきた

これは以下の日記の続きです。
愛・蔵太の少し調べて書く日記 - はてなダイアリー・キーワードの合意性について
 
多分これがきっかけなんじゃなかったかな。
玄倉川の岸辺 ポジショントークはお好きですか?

懐かしい、いや、古臭くて聞く気にもなれない歌を聞かされた。
小倉弁護士が新しいエントリで、クラシックな匿名言論批判を行っている。
ITに強いと自称されている弁護士先生がこういう認識なのは不思議でもあり残念だ。

ネットにおける実名至上論というのはすでに事実上絶滅したものと思っていた。
その証拠に、2ちゃんねる、yahoo掲示板、そしてブロガーのほとんどは(私を含めて)匿名である。調査したわけではないが、匿名派と実名派の割合は9:1、あるいはもっと匿名派の比率は高いだろう。すでに匿名による言論はネットのデファクトスタンダードである。
去年、西尾幹二氏のブログにおいて「空白の十分間」事件なるものが起きた(goriさんによるまとめ)。
多くの批判的コメントが寄せられ、それに憤慨した西尾氏は「私を批判するものは実名を名乗るように」(褒めるときは匿名でもいいのだろうか?)というサイトポリシーを掲げられた。
西尾氏の場合、お年がお年なのでネット界の常識になじめない、また自らの権威を守りたい気持が強いのは良くわかる。同意はしないが同情はする。だが、小倉弁護士の場合はまだ40前であり、柔軟な思考ができるだけの若さを期待したのだが。

これが「2005年02月27日」で、ぼくのキーワード登録その他が「2006年03月28日」「2006年4月8日」でしたので、その1年にいろいろあったんじゃないかと思う。
ネットと炎上 (おおやにき)

というのは、ブログの「炎上」と一括される現象にも実は2×2くらいのパターンがあるのではないかという気がしているからだ。一つ目は当人の発言や行動が「痛い」ものだったかという点で、前述のエアロバキバキ君のように自分のオイタを公然と誇ってみせたケースや、匿名を利用することでポジショントークを隠そうとしたケースについては、そりゃ「痛い」言説であって批判されるわな、という気がする。

↑が「2006年05月09日」で、
↓が「2006年08月17日」。
広告β:ポジション・トーク

多くの人が直感的に理解しているように、ウォークマンブログの炎上も、
TBSの亀田ボクシング問題も、ワールドカップ電通疑惑も、ライブドア問題も、靖国問題も、
CGMが注目されるのも、Googleの広告が嫌悪されにくいのも、ポジション・トークの問題だ。
マスメディアの衰退やテレビのCM飛ばし問題も、これに関連するかもしれない。

これで検索したほうがいいかも。
ポジショントーク 炎上 - Google 検索
ポジショントーク 炎上 朝日 - Google 検索
キーワードを読み返してみたんだけれども、
ポジショントークとは - はてなダイアリー
「自分のポジション(建て玉状況)に有利な情報、見通しを述べること。」と「自分の立ち位置(所属団体・勤務先など)を明らかにして特定の事物に言及する行為。」とが「意味が逆になっている」というコメントはよく分かりませんでした。「似ているけど少し違う使われかた」なら分からなくもない。
「自分の立ち位置(所属団体・勤務先など)を明らかにしないで特定の事物に言及する行為」(隠しポジショントーク)だと、確かに真逆にはなるような気もしますが。(※追記あり
 
関連リンク。
断片部 - 他人のディスクール - ポジショントーク続き。

匿名な人は匿名擁護の、そうでない人は匿名批判のポジショントークをする、というのは、隠すも隠さないもない、と思った。
ぼくは、ネット内の「匿名」については、「(完全な)名無しさん」「特定ハンドル(ネット内ネーム)」も含めて、ケース・バイ・ケースだと判断しています(実名でやる必要はないと判断しています)が、どういうポジションなのかバレた場合に、あまり見苦しくないようにはして欲しいとも(したいとも)考えます。
 
(追記)
自分の前の日記ではこんなこと言ってるし。
愛・蔵太の少し調べて書く日記 - ポジショントークについて

「隠しポジショントーク」は「ポジショントーク」の真逆になることはないと思います。隠しているか隠していないかの違いだけで。

守りに弱いおいらです。
 
(追記その2)
キーワードリンクから。
codemaniaxの脱・公務員宣言 - 実名ブログの難点

実名ブログの難点は、「ポジショントークが多すぎる」ということだ。

匿名ブログでもけっこうみんなポジショントークをやっているとは思うんで、どうせやるなら実名のほうが難点的には少ない気もする。少なくとも過激な「炎上」は回避できると思います。たとえば、社民党の議員が何か言っても、議員であることを隠して何か言うケースよりは炎上度は少ないと思う(が、可燃性なので燃えることは燃える)。