日本一長い駅名の由来の美術館閉館とその裏事情について

 以下のところから。
松江の日本一長〜い駅名変更へ 美術館が閉館で産経新聞

松江の日本一長〜い駅名変更へ 美術館が閉館で
 日本一長い駅名の一畑(いちばた)電車北松江線「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前駅」(松江市)が、その座を明け渡すことになりそうだ。31日に美術館が閉館、4月末には駅名が変わるためだ。
 平成13年の美術館開業を機に駅名を変更。駅名看板をかたどったキーホルダーは鉄道ファンらに人気だったが、肝心の美術館の入館者数の落ち込みが止まらず、閉館が決まった。
 トップになるとみられるのは、2位の「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」(熊本県阿蘇村)だが、運営する南阿蘇鉄道は「狙ってなるなら素直に喜べるが…」。

 これだけだとただの「おもしろニュース」なんで、読み流してしまうようなものなんですが、「ルイス・C・ティファニー庭園美術館」の公式サイトを覗いて驚愕。
ルイス・C.ティファニー庭園美術館
美術館の閉館及びその原因について →(キャッシュ)

 ルイス・C.ティファニー庭園美術館は、平成19年3月31日をもちまして閉館させていただくこととなりました。当美術館がオープンして6年で閉館となりますことは、何故6年で閉館するのかと疑問に思われたり、また当方の信用にも係わることでありますので、当方がやむなく閉館せざるを得なくなった原因を記述させていただきました。
1.信頼関係を壊す
 美術館のオープン間際に、NHK松江放送局の記者は、当方の美術館のことに関し、当事者の一方である当方には一度も取材しないで、現松浦市長らのみの取材をもとにして当方に関することを4回にわたり、NHK松江放送局のテレビニュースで事実と相違することを報道したのが事の始まりです。
 NHKの報道があってから、12日後に地方紙の山陰中央新報、島根日日新聞が、その1日後に全国紙の朝日新聞讀賣新聞毎日新聞、そして、地方大手紙の中国新聞が、まるで申し合わせたかの如くNHKと同じように当事者の一方である当方に一度も取材することなく、取材の原則であるべき裏付けをとることもしないで、一方的に事実と相違する報道を暫く続けました。その後、当方に新聞社の取材が一斉に始まりました。
 前述の報道があってから、現市長は、当方に対し、「堀内家及び堀内不動産株式会社並びにグレコ・コーポレーション株式会社の名誉を深く傷つけたものであり遺憾の意を表するものでございます」と、書面で当方へ陳謝しました。しかしながら、その後も現市長は、事実と相違することを幾度も市議会などで発言し、現市長と当方の信頼関係は壊れました。現市長は、陳謝後も事実と相違する発言をしていることから、今後も同じことが繰り返される恐れがあります。
(中略)

 わくわく。
 ということで、サイトのテキストをスクロールしていくと、「NHK松江放送局の事実と相違する報道(当事者の一方には取材しないで4回報道)」というステキテキストが。

  「美術館の閉館及びその原因について」をお読みいただいた方より、「NHKの事実と相違した報道とは何ですか」と、お尋ねがあります。また、情報開示が求められている時代背景に鑑み、以下にNHK問題を記述いたしました。

  公共放送機関のNHK松江放送局は、美術館のオープン間際の平成12年8月31日を皮切りに 現市長らだけを取材し、不可解にも事実誤認のままNHK松江放送局のテレビニュースで平成12年9月19日までの間に4回に亘り報道したことが、ことの発端です。当時の状況は、前市長が任期中に急逝され、次の市長が就任して間もなくのことでした。

  NHK松江放送局の記者は、現市長らの一方的な話だけを鵜呑みにして、NHK松江放送局のテレビニュースで報道しました。当方は、NHKに対し「どうして事実を歪めた報道を当方には一度の取材もなく一方的に4回も報道したのですか」と、書面にて抗議したところ平成17年2月25日、NHK松江放送局の放送部長より「NHKとして調べた結果、この件に関するNHKの一連の報道は、取材した事実に基づき、松江市の対応や手続きに問題があったことを指摘したもので、事実関係を歪めて報道したことはありません。捏造という指摘もあたらないと考えております」と、記載した書面が送られてきました。しかし、実際は事実を歪め当方を中傷するようなNHK松江放送局のテレビニュースの報道です。以下に詳述いたします。

  最初にNHK松江放送局のテレビニュースで報道されてから、12日後に地方紙の山陰中央新報、島根日日新聞が、その1日後に、全国紙の朝日新聞、読売新聞、毎日新聞、そして、地方大手紙の中国新聞が、少し遅れて産経新聞も報道しました。前記の各新聞社は、NHK松江放送局と同じように、当事者の一方である当方には一度の取材もなく、画一的な報道をするという、通常ありえない報道が暫く続きました。

  松江市だけを取材し一方的な報道が許されるなら、世論を一方の都合の良い偏った方向へ誘導することができます。そんなことがまかり通れば日本は平等をうたった民主主義国家でなくなってしまいます。ここ松江では、当事者の一方である当方には取材をしないで裏付けをとることもなく報道するという非常識なことがまかり通りました。

 太字は原文のまま。
 ということで、以下、

1. 「資金の目途が立たなかったために、…」との一方的な報道について
2. レストラン建設の報道について
3. 入場料の報道について
4. 高速船の報道について

 これらのことに関する、ルイス・C.ティファニー庭園美術館側の言い分が掲載されています。
 最後はこんな感じ。

望まれる記者像
  戦前の記者は「先生」と呼ばれ、人格、教養、見識の非常に高い方達でした。理想的な公平な社会を築く為、真実を伝え、世論を正しい方向に導く為、幾多の教えと方向付けに邁進した記者たちのその功績たるや枚挙にいとまがありません。その先達の歩んだ偉大な道をジャーナリストとして誇りを持って日夜努力して欲しいと願って止みません。

 ぼくとしては、本当はどうであったかは知ることは難しいんですが(単純に「報道被害にあった人たち」という判断をするには難儀なんですが)、目を通してみることをおすすめします。
 こういう、何となくウラがありそうな話に関しては、ぼくは必ず議会の会議録を見ることにしているので、その中から面白かったものを紹介しておきます。
【 平成18年第3回 9月定例会-09月19日−02号 】(市議会の記録)

◆39番(飯塚悌子君) 日本共産党議員団の飯塚悌子でございます。
(中略)
 最後に、ティファニー美術館の問題です。
 このティファニー美術館については、湖北芸術文化村事業として実質一民間企業のために併設した市のガーデンなどに約83億円もの投資をし、さらに公の施設として市条例まで制定し、時代に逆行する民から官への運営で企業のために市費をつぎ込んでいます。先般、新聞報道によりますと、レストランの運営をめぐっても、また新たに3,000万円近くの訴訟が起こされたということが報じられていました。そこで次の点、簡単に伺いたいと思います。
 まず第1点は、堀内不動産から47億円の損害賠償を求めて提訴された裁判の状況について伺います。
 2つ目には、公の施設とした条例を廃止し、公私のけじめをつけた運営をすることです。これは裁判でもティファニー美術館は、公の施設とは言いがたいという、こういう判決がきちんと出されています。そしてまた先般、業者から使用貸借契約書、これは平成33年の4月までが契約期限ですが、この契約書の第2条第2項を使って、6カ月前にこの契約を破棄するという通告もなされています。松江市の公の施設とした条例を廃止して、公私のけじめをつけた運営で市費持ち出しの抜本的な見直しを行うときではないでしょうか。以上を求めて質問を終わります。御答弁よろしくお願いします。(拍手)
(中略)
◎市長(松浦正敬君) 飯塚議員の代表質問にお答え申し上げたいと思います。
(中略)
 それから、ティファニーの問題でございますけれども、現在、裁判の状況でございますが、この裁判の経過なり概要につきましては、ホームページで逐次公表をいたしております。これまで口頭弁論2回、電話による弁論準備の6回を経まして、先般9月の11日に第3回の口頭弁論におきまして原告側の尋問が行われたところでございます。
 それから、公の施設化条例の廃棄をやるべきではないかということでございますが、この問題につきましては、以前から同様の御質問をいただいておりますけれども、私どもとしましては、現行条例に基づきまして一般の観光客や市民に愛される施設となりますように、今後とも管理運営に努めてまいりたいと思っているところでございます。以上でございます。

 ということで、探してみたんだけどうまくみつかりませんでした。以下のところをもっと掘ると見つかりそうな気もするんですが、また例によって長くなりそうなんでこのへんで。
松江市ホームページ
 こんなのはあったんですけどねー。
訴訟に関すること

損害賠償請求事件
 平成16年(ワ)3854号 名古屋地方裁判所
 平成17年(ウ)  35号 松江地方裁判所(H17.3.17名古屋地方裁判所より移送)
1 事件概要
(1) 当事者
原告 堀内不動産株式会社
被告 松江市
(2) 訴訟概要
堀内不動産株式会社から松江市に対して、美術館の誘致の際に約束したとされる事項の債務不履行及び不法行為を請求原因として、その損害賠償金47億2,771万3,871円及び、このうち、金38億8,862万9,354円につき平成16年4月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払えとの訴えが提起されたもの
(以下略)

 口頭弁論その他が見つかった人は、コメント欄で教えてください。
 このあたりを掘るとあるかも。
加藤暁のホームページ
http://fish.miracle.ne.jp/dawnkato/tifany.htm