2007年02月に出た読みたい本

 2007年02月に出た読みたい本のリスト。
 03・04月の分も近いうちに整理します。
 リストはNDC分類順です。



★『寝ても覚めても本の虫』(児玉清/著/新潮社/580円)【→bk1】【→amazon
大好きな作家の新刊を開く、この喜び!本のためなら女房の小言も我慢、我慢。眺めてうっとり、触ってにんまり。ヒーローの怒りは我が怒り、ヒロインの涙は我が溜め息。出会った傑作は数知れず。運命の作家S・ツヴァイク、目下の“最高”N・デミル、続編が待ち遠しいT・ハリスに、永遠の恋人M・H・クラーク…。ご存じ読書の達人、児玉さんの「海外面白本追求」の日々を一気に公開。

★『新・トンデモ超常現象60の真相』(皆神竜太郎/著 志水一夫/著 加門正一/著/楽工社/1,575円)【→bk1】【→amazon
3メートルの宇宙人、ドーバー・デーモンなど、新たに4つの謎を加え、世間に広まるヨタ話60編の真相を解き明かす。超常現象を楽しむための基本図書・最新改訂版。

★『FBI超能力捜査官マクモニーグルと「遠隔透視」部隊の真実 リモート・ビューイングのすべて』(並木伸一郎/著 宇佐和通/著/学研/2,310円)【→bk1】【→amazon
地球の裏側、さらに過去・未来までをも見通す「遠隔透視」。1972年、CIAの要請を受け、スタンフォード研究所でその研究は始まった。ジョー・マクモニーグルを筆頭にしたスパイ活動は国境を超え、兵器ともいえるこの能力は、いつしか国防総省の最高機密事項に―。本書は軍事機密としての遠隔透視史をひもときながら、“誰にでもできる”というその能力の秘密を調査、遠隔透視者のアメリカ取材を試みた。浮かびあがるのは、いまなお継続するという極秘プロジェクト、そして超常現象の数々…。その鍵を握る超意識の基盤「マトリックス」とは何か?遠隔透視のすべてを網羅するノンフィクション!遠隔透視マニュアル付き。

★『涙の射殺魔・永山則夫事件 六〇年代の少年犯罪』(朝倉喬司/著/新風舎/890円)【→bk1】【→amazon
六〇年代終わりの高度経済成長期のなか、これまで類をみなかった少年犯罪が起きた。十九歳の永山少年による連続ピストル射殺事件である。一九六八年十月十一日未明、東京プリンスホテルでガードマンを射殺し、その後も犯行を繰り返しながら逃走をつづけ、翌年四月七日、東京で逮捕された―。高度成長期の六〇年代を背景に、永山少年の犯行、心の闇にまで迫ったドキュメント。そして、一九九七年八月一日、死刑が執行された。

★『ダーウィン 世界を揺るがした進化の革命』(レベッカ・ステフォフ/著 西田美緒子/訳/大月書店/1,890円)【→bk1】【→amazon
19世紀の社会を揺るがした科学の革命「進化論」はどのように生まれたか。1835年、26歳のダーウィンはたった1か月間、ガラパゴス諸島に滞在した。その後長年にわたって、そこで目にした動植物のユニークさの理由を考えつづけ、1859年、50歳になって初めて『進化論』を発表する。それまでの深い思考の過程とその後巻き起こった激しい論争、そして現代への遺産とは。

★『アフリカにょろり旅』(青山潤/著/講談社/1,680円)【→bk1】【→amazon
世界で初めて、ニホンウナギの産卵場をほぼ特定した東京大学海洋研究所の「ウナギグループ」。このたび、研究員の著者に下った指令は、ウナギ全18種類中、唯一まだ採集されていない種「ラビアータ」を捕獲することだった。―ドイツや台湾の研究チームを出し抜くため、海洋研のターミネーターはアフリカへ。

★『東京問題』(柴田徳衛/編著/クリエイツかもがわ/2,520円)【→bk1】【→amazon
世界の都市から見ても異質な発展をとげる世界都市東京。市民が住み続けられる東京を実現するために、いま解決しなければならないこと―「東京問題」。土地、住宅とその環境、防災、医療、水と電気、オリンピックの視角から論じる実用的な都市政策の提案。都市・行財政の研究者と都市問題の実践家による共同著作。21世紀、都民のための解決の処方箋。

★『ネット時代10年後、新聞とテレビはこうなる』(藤原治/著/朝日新聞社/1,470円)【→bk1】【→amazon
二〇一一年に予定されているテレビ地上波の完全デジタル化。数年後、テレビがネットにのみ込まれるや、その余波は新聞にも及び、ついには、日本のメディアはすべてネット上の仮想空間「eプラットフォーム」に吸収されていく。その時、新聞社もテレビ局も、メディア(媒体)という性格を失い、コンテンツ・プロバイダー(番組供給、記事配信)に後退せざるを得なくなる。ジャーナリズムは生き残れるのか。広告はどう変貌するのか。新しいメディアの盟主は現れるのか。著者・藤原治がリアルに描写する日本メディアの近未来。いま全マスコミ人が抱いているインターネットに対する「漠たる不安」が現実のものになる日は本当にやってくるのか。

★『サブカルチャー神話解体 少女・音楽・マンガ・性の変容と現在』(宮台真司/著 石原英樹/著 大塚明子/著/筑摩書房/1,260円)【→bk1】【→amazon
マンガでも音楽でも、今や誰もが知る作品などほとんどない。サブカルチャー自体が細分化し、誰が何を享受しているのか見えにくい。少女カルチャーや音楽、マンガ、AVなど各種メディアの歴史をたどり、それがどういう若者に受容されたかを分析することで、こうした不透明な状況が生じるまでを明らかにする。社会の大掛かりな変容を描き出した歴史的論考。新たに「サブカルチャー神話解体序説」を付す。

★『「少女」の社会史』(今田絵里香/著/勁草書房/3,465円)【→bk1】【→amazon
少年少女雑誌の分析を通じて、近代日本における「少女」という表象の成立とその受容過程を解明する。

★『北朝鮮・驚愕の教科書』(宮塚利雄/著 宮塚寿美子/著/文芸春秋/777円)【→bk1】【→amazon
日帝野郎」「天皇野郎」「米帝野郎」のオンパレード。日本人は徹底的に極悪で、金正日は昼の日本列島を夜にする妖術師。仰天の教科書を読み解き、反日嫌日誕生の現場を検証する。

★『東京星空散歩』(林完次/著/中央公論新社/2,100円)【→bk1】【→amazon
東京駅の満月、日比谷の宵の明星、上野公園のシリウス。帰り道、夜空を見上げたくなる。ネオン眩しい都心でも空気澄む郊外でも楽しいスターウォッチング。

★『東京狂犬病流行誌』(上木英人/著 狂犬病臨床研究会/編集/時空出版/2,520円)【→bk1】【→amazon
わが国の狂犬病はいかにして撲滅されたか!全国的にみて発生件数の多かった東京都における、狂犬病の流行初期から終息までを辿り、さらに狂犬病犬の野外例および実験例における症状・経過など豊富なデータを収めた貴重な一級資料。

★『建物の科学』(高橋俊介/監修 高層建築研究会/編著/日刊工業新聞社/1,575円)【→bk1】【→amazon
本書は、建物に関する基本的な部分を中心に、そこに秘められているテクニック、サイエンスを解きほぐすよう試みました。

★『図解宇宙船』(称名寺健荘/著 森瀬繚/著/新紀元社/1,365円)【→bk1】【→amazon
図解でわかる、過去・現在・未来の宇宙船。

★『チェルノブイリの森 事故後20年の自然誌』(メアリー・マイシオ/著 中尾ゆかり/訳/日本放送出版協会/2,310円)【→bk1】【→amazon
放射能に汚染されて巨大化したゴキブリやネズミが、荒廃した土地をはいずり回る―それはSFの中だけの話だ。チェルノブイリ原子力発電所事故から20年、人体には危険すぎる周辺地域は、動物が棲息する森に変わっていた。しかしその土地は、いまなお汚染されているのだ。ウクライナアメリカ人ジャーナリストが、汚染におびえつつも立ち入り制限区域に入り取材を重ねた、決死のルポルタージュ

★『やっちゃ場伝 青物市場に伝承された400年の世相と食』(神田川菜翁/著/サンガ/893円)【→bk1】【→amazon
家康に呼ばれて江戸に来た青物商人たち、近藤勇が故郷に送った京野菜の種子―。十五代続く老舗の末裔だからこそ、業界生活六〇年の競り人だからこそ、経験し、知っていて、語れるやっちゃ場(青物市場)にまつわる数々のエピソード。これまでまったく語られたことのない市場の中から見た四〇〇年の歴史を、講談の口調でお届けする。

★『ニッポンが熱狂した大航空時代』(山崎明夫/著/出版社/924円)【→bk1】【→amazon
明治43年、現在の代々木公園から日本初の飛行機が飛び、大正14年には2機がパリへ向かった。日本が航空先進国だった頃、誰もが飛行機に夢中だった時代の航空史をひもとく。

★『山の上ホテル物語』(常盤新平/著/白水社/998円)【→bk1】【→amazon
多くの作家に愛され、数々の名作を生み出す影の力となった、すてきなホテルのすてきな物語。創業者をはじめ支配人たちが語る作家たちの素顔を通して、50年にわたる文壇の一面を浮き彫りにするとともに、特別なホテルを目ざすスタッフたちの情熱を描く。

★『テレビは日本人を「バカ」にしたか? 大宅壮一と「一億総白痴化」の時代』(北村充史/著/平凡社/777円)【→bk1】【→amazon
昭和三十一年秋、神宮球場早慶戦でそれは起こった。早稲田の応援席に現れた男が、突然慶応の応援を行い、すばやく姿を消した、という珍事である。その夜、事件は日本テレビの人気番組『何でもやりまショー』の企画だったことが発覚、事態は一気に“白痴”番組論争に結びついていく…。大宅壮一希代の名言「一億総白痴化」。テレビは本当に、日本人を「バカ」にしたのか。

★『全体主義芸術』(イーゴリ・ゴロムシトク/著 貝沢哉/訳/水声社/7,350円)【→bk1】【→amazon
独裁者たちの嗜好あるいは民族文化的伝統の枠組みを超え、あらゆる全体主義国家に共通して出現したスタイルとそのメカニズムを、ヒットラームッソリーニスターリン毛沢東の統治下の事例を横断しながら検証する。

★『孤高の画人』(熊谷守一/著 中川一政/著 東郷青児/著 棟方志功/著/日本経済新聞出版社/1,365円)【→bk1】【→amazon
無欲恬淡に九七歳まで絵と書をかいた熊谷守一白樺派と交遊、絵は独学だった中川一政未来派を標榜し自由奔放に生きた東郷青児ゴッホにならんと版画ひとすじに疾走した棟方志功ら独立独歩の画人たちの伝記。

★『売れるマンガ、記憶に残るマンガ』(米沢嘉博/著/メディアファクトリー/1,365円)【→bk1】【→amazon
国内最大イベント“コミケ”を創り上げた男。職業でもなく趣味でもない“道”という生き方を貫き、マンガ道に殉死した米沢嘉博コミケの生の姿が見えるコミック評論集。

★『謎のマンガ家・酒井七馬伝新宝島」伝説の光と影』(中野晴行/著/筑摩書房/1,995円)【→bk1】【→amazon
手塚治虫の単行本デビュー作「新宝島」は、後の有名マンガ家たちからマンガを志すきっかけとなった作品として繰り返し賞賛されている。が、この作品は手塚ひとりの仕事ではなく、共作者がいる。現在手塚全集に収録されているのは、手塚がリメイクしたもので別作品といっても過言ではない。まるで封印されたかのような共作者こそ酒井七馬である。手塚と酒井の間には確執があったとも伝えられ、酒井は、コーラで飢えをしのぎ、電球で寒さをしのぎながら失意のうちに死んだと信じられてきた。しかし、それは真実なのか?酒井七馬の知られざる生涯と、「新宝島」誕生の裏側へと迫る。

★『少女マンガジェンダー表象論 〈男装の少女〉の造形とアイデンティティ』(押山美知子/著/彩流社/2,310円)【→bk1】【→amazon
本論では、“男装の少女”というヒロイン像を切り口に、日本の少女マンガにおけるジェンダー表象がどのような形で構築され、どのような形に変容していったのかを探ることを主要な目的としている。“男装の少女”というヒロインの容姿造形を構成する絵画表現、すなわちジエンダー・コードとなる表象記号に着目し、どのような表象記号の組み合わせによってヒロイン像が描き出されていったのかに重点を置いた論考を試みている。

★『魔境アジアお宝探索記 骨董ハンター命がけの買い付け旅』(島津法樹/[著]/講談社/760円)【→bk1】【→amazon
ウイスキー2本と交換した染付大皿には3億円の価値が。ボールペンで手に入れた香合の逸品は、日本にまだ3つしかないものだった―。サラリーマン生活にさよならして、象に乗って山越えて駆けめぐった東南アジアの僻地。ゲリラに狙われ、スパイと間違われ、丁々発止の駆け引きの末に見たのは、驚くべき秘宝の山だった。今、新しい人生の可能性に賭けようとするすべての人におくる、全31編、心おどる冒険談。

★『音楽をまとう若者』(小泉恭子/著/勁草書房/2,625円)【→bk1】【→amazon
高校生が「好きな音楽」について語る時、必ずしも本当に好きな音楽を語っているとは限らない。授業、部活動、コンテストやライブなど、場所や状況に応じて「好み」を使い分けている。三層構造をなすその使い分けを著者は、ホンネに近い順から「パーソナル・ミュージック」「コモン・ミュージック」「スタンダード」と名づけた。「パーソナル・ミュージック」の開陳に比較的抵抗感のない男子に比べ、女子は個人的嗜好をなかなか明かさないといった、ジェンダーによる相違も存在する。本書は、日本の高校生九六名を対象に、教室からコスプレ集会までさまざまな場における音楽行動を追ったフィールドワークをとおし、こうした使い分けの方法や理由を体系化したものである。

★『字幕屋は銀幕の片隅で日本語が変だと叫ぶ』(太田直子/著/光文社/735円)【→bk1】【→amazon
映画の字幕翻訳は、普通の翻訳と大きく違う。俳優がしゃべっている時間内しか翻訳文を出せないので、セリフの内容を一〇〇パーセント伝えられない。いうなれば字幕は、「要約翻訳」なのである。映画字幕翻訳を始めて約二〇年、手がけた作品数は一〇〇〇本余りの著者が、外国映画翻訳の舞台裏、気になる日本語などについて綴る。 外国映画の翻訳二種第三の映画翻訳映画字幕の作り方吹き替えの自由と苦労ちがって当たり前驚異の語学力おしゃべりなメール文句読点の苦闘そんなに叫んでどうするの―「!」の話ルビと混ぜ書き〔ほか〕 爆笑御礼申し上げます。尻をたたかれ続けて20年、「映画界の影武者」(女)、初告白。学校のテストで100点の翻訳も、映画字幕では0点になるセリフとは?「いまどきの日本語」と格闘する舞台裏を綴った、抱腹絶倒のエッセイ。

★『映画でクラシック!』(西村雄一郎/著/新潮社/1,575円)【→bk1】【→amazon
クラシック、どこで聞いてますか?いまやクラシックは「映画で聴く」時代です!モーツァルトから「トゥーランドット」、黒澤明まで―古今東西のクラシック名曲を「映画」で解説した、画期的コラム集。

★『無意味なものと不気味なもの』(春日武彦/著/文芸春秋/1,980円)【→bk1】【→amazon
本来のメッセージとは微妙に食い違った部分においてひそやかに違和感を与え続けてきた小説たち。奇妙な方法論を用いて世界を分節してみせた物語たち。わたしの孤独感をますます深めてきた文章の数々。本書は、そのような小説について、あえて個人的な記憶や体験を織り込みつつ論じたものである。

★『悪党(ピカロ)が行く ピカレスク文学を読む』(鹿島茂/著/角川学芸出版/1,680円)【→bk1】【→amazon
傲慢で、女たらしで、人を騙すことなど何とも思わない男たち―悪党。彼らはなぜこんなにも人々を魅了し、人はそれを文学に表現するのだろうか?バルザックが『ペール・ゴリオ』『幻滅』『娼婦の栄光と悲惨』の三部作で生み出したヴォートラン、モリエールが描いたスペインの伝説的女たらしドン・ジュアンなど、数々のピカレスク文学に登場する悪のヒーローに肉迫。「悪と悪党」の魅力を解き明かす、画期的文学案内。

★『サブカルチャー文学論』(大塚英志/著/朝日新聞社/1,470円)【→bk1】【→amazon
江藤淳が引いた「サブカルチャー/文学」の境界線。その批評精神を独自に受け継ぎ、“三島由紀夫とディズニーランド”など独自の切り口から思考する、サブカルチャーのあり得るべき可能性。文学史の見えにくい現在の文学に、明らかな系譜と判断の基準を、そしてサブカルチャーの倫理を提示する画期的論考。

★『輝ける文士たち 文芸春秋写真館』(樋口進/写真・文/文芸春秋/6,000円)【→bk1】【→amazon
今東光谷崎潤一郎永井荷風舟橋聖一池波正太郎有吉佐和子山下清井上靖林芙美子幸田文川口松太郎佐藤春夫小林秀雄…総勢270名。舞台は戦後の「文藝春秋」。多くの読者を魅了した文筆のスターたちがカーテンコールに応え勢揃い。文壇の裏表を知り尽した文春の初代カメラマンによる貴重な記録。

★『芸文往来』(長谷川郁夫/著/平凡社/2,310円)【→bk1】【→amazon
本をめぐる気ままな随想が、いつしか文学者・藝術家をめぐる回想へと繋がっていった。つねに文学が生まれる現場に立会い、小沢書店とともに生きた30年の思い出を、「昨日の花束」として読者に捧げる初めての随想集。

★『漢文脈と近代日本 もう一つのことばの世界』(斎藤希史/著/日本放送出版協会/1,019円)【→bk1】【→amazon
漢文は、言文一致以降すたれてしまったのか、それとも日本文化の基盤として生き続けているのか?本書は漢文の文体にのみ着目した従来の議論を退け、思考様式や感覚を含めた知的世界の全体像を描き出す。学問と治世を志向する漢文特有の思考の型は、幕末の志士や近代知識人の自意識を育んだ。一方、文明開花の実用主義により漢文は機能的な訓読文に姿を変え、「政治=公」から切り離された「文学=私」を形成する。近代にドラスティックに再編された漢文脈を辿る意欲作。

★『ホフマンと乱歩 人形と光学器械のエロス』(平野嘉彦/著/みすず書房/1,575円)【→bk1】【→amazon
ホフマンの『砂男』と乱歩の『押絵と旅する男』はともに、出来事が主人公の妄想なのか現実なのか判然としない、読者を不安に陥れる物語です。人形と望遠鏡―この共通項に、どんな物語の罠が仕掛けられているのでしょうか。フロイト精神分析も引きながら、狂気とエロスの妖しい関係を探る奇想天外な小説指南の登場です。