2007年03月に出た読みたい本

 2007年03月に出た読みたい本のリスト。
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2007年01月に出た読みたい本
2007年02月に出た読みたい本
 04・05・06月の分も近いうちに整理します。
 リストはNDC分類順です。



★『読書の腕前』(岡崎武志/著/光文社/819円)【→amazon
読書しない人生は、書〜もない人生―“空気のように本を吸う男”の体験的読書論。

★『新聞人群像 操觚者たちの闘い』(嶺隆/著/中央公論新社/2,940円)【→amazon
成島柳北末広鉄腸福地桜痴黒岩涙香…明治・大正期の新聞記者にみる、ジャーナリストの矜持とは、現代ジャーナリズムが失った、新聞作法とは。操觚者たちの発言と行動を通じて近代史の転換点をたどる。

★『新聞社 破綻したビジネスモデル』(河内 孝 著/新潮社/735円)【→amazon
新聞という産業は今、様々な危機に直面している。止まらない読者の減少、低下し続ける広告収入、ITの包囲網、消費税アップ、特殊指定の見直し―そして何より、金科玉条としてきた「部数至上主義」すなわち泥沼の販売競争は、すでに限界を超えている。いったい新聞は大丈夫なのか。生き残る方策はあるのか。元大手紙幹部が徹底的に解き明かす、新聞が書かない新聞ビジネスの病理と、再生への処方箋。

★『だれが信長を殺したのか 本能寺の変・新たな視点』(桐野 作人 著/PHP研究所/798円)【→amazon
「ときは今天が下しる五月哉」。三日前にそう詠んだ光秀だが、いまだこのとき、謀叛を決断していなかったことが新発見の書状で明らかになった。そんな光秀を追いつめた張本人はいったいだれ!?足利将軍か、朝廷か、はたまたバテレンか。黒幕説飛び交うその裏で、一人の男の影が浮上した。斎藤利三。他家を出奔し明智家家老にまでなった勇者には、信長を許せない複雑な事情があった。長宗我部元親、三好康長、羽柴秀吉織田信孝。四国情勢をめぐって濃密に絡み合う人間関係に、翻弄される光秀、そして信長の誤算とは。

★『絵解きヨーロッパ中世の夢(イマジネール)』(ジャック・ル・ゴフ/著 樺山紘一/日本語版監修 橘明美/訳/原書房/4,515円)【→amazon
中世の想像界=夢のふたつの要素、神話や伝説の「英雄」、畏怖や歓喜をよびおこす「驚異」から、「中世の夢」を特徴づける名著!150におよぶ図版とともに描く巨匠ル・ゴフの世界。

★『ザビエルの海 ポルトガル「海の帝国」と日本』(宮崎正勝/著/原書房/2,100円)【→amazon
武装艦船がインド洋周辺に点在する城塞や商館を結ぶポルトガルの「海の帝国」再建へのジョアン三世の政略と、バスク、パリ、ローマ、リスボン、ゴア、漁夫海岸、マラッカ、モルッカ諸島、日本、広州湾と経巡るザビエルの志が交差する苦難と栄光の歴史絵巻。

★『近代知識人の西洋と日本-森口多里の世界-』(秋山 真一 著/同成社/2,730円)【→amazon
大正から昭和の初期、西洋への強い憧憬のなかで美術評論家として活躍した森口多里は、その一方で日本の民俗文化にも関心を深め、西洋文化と日本文化を等距離において見つめるまなざしを模索する。現代のわれわれ日本人はそこに、近代知識人のアンビバレントな世界を反芻する。

★『名編集者エッツェルと巨匠たち フランス文学秘史』(私市 保彦 著/新曜社/5,775円)【→amazon
バルザックの『人間喜劇』を企画し、ユゴーとともに亡命を余儀なくされながら彼の詩集を刊行し、サンドと親密な関係を結び、ヴェルヌを発見し育て上げたエッツェル。この語られざる名編集者の足跡を丹念にたどりながら、フランス文学が最も輝いていた時代と大作家たちの裏面に迫る。

★『旅の恥はかき捨てですか? 読んでから行け!海外旅行』(吉門 憲宏 著/講談社/1,365円)【→amazon
JAL国際線フライト歴35年!2万時間世界の空を飛んだチーフパーサーが遭遇した「機内の異邦人」と、日本人の恥ずかしい話。「そうだったのか!」笑って読んで、納得!「海外旅行のマナー」バイブル決定版。

★『団塊諸君一人旅はいいぞ!』(森哲志/著/朝日新聞社/1,575円)【→amazon
やっと自由になった。「シニア特急」の発車ベルが聞こえるかい?定年退社後、百円ショップで揃えた旅用品とノートパソコンをリュックに詰めて、韓国からアジア代陸横断の一人旅が始まる。 世界に羽ばたけ、団塊世代

★『映画でわかるアメリカ文化入門』(奥村みさ/著 スーザン・K.バートン/著 板倉厳一郎/著/松柏社/2,520円)【→amazon
ジェンダー、国民性、人種、司法制度、宗教、階級…知っているようで知らない15のトピックをアメリカ映画30作品からあぶり出して徹底的に解説!!初心者にもわかりやすい一冊です。

★『江戸の家計簿 銭形平次はなぜお金を粗末にするのか?』(小菅宏/著 夏目けいじ/漫画/ぶんか社/650円)【→amazon
一両は現代のお金で何円?江戸時代、庶民の一カ月の生活費はいくら?家賃・水道代は?床屋はいくらでお風呂屋さんは?旅行や遊びにはいくらかかったの?経済で江戸時代を見てみると、なぜか江戸人の心が浮かんでくる。江戸時代の人間模様と社会システムをお金から読み解く大江戸経済雑学。

★『日本数寄』(松岡正剛/著/筑摩書房/1,470円)【→amazon
ときにまっすぐに核心を射抜き、ときにキワに寄りながら、日本の歴史からさまざまな趣向(数奇)の系譜を見出し、縦横無尽にそのつながりを辿る。梅に桜、唐草や咋鳥といった文様や意匠の系譜、曲舞に能楽、祭りの神興、神社の空間、仏壇のしつらえ、さまざまな名物、利休に織部茶の湯の文化の仕掛け人たち、はては和算に人口知能…著者の博識に身を委ね、歴史と現在を大胆に横断しながら見えてくる、無常迅速、日本のダンディズムの歴史。

★『コンテンツの思想 マンガ・アニメ・ライトノベル』(東浩紀/著 伊藤剛/共著 神山健治/共著 桜坂洋/共著 新海誠/共著 新城カズマ/共著 夏目房之介/共著 西島大介/共著/青土社/1,260円)【→amazon
コンテンツ産業の国を挙げての振興が喧しく言われる現在、マンガ・アニメ・ライトノベルetc.の現場はどうなっているのか。東浩紀がポスト『エヴァ』世代のクリエイターたちと熱く激しく切り結ぶ。まったく新しいサブカルチャー批評の胎動を伝える画期的対論集。

★『憧れのブロンディ 戦後日本のアメリカニゼーション』(岩本 茂樹 著/新曜社/5,250円)【→amazon
日本人の心を捉えて離さなかった漫画『ブロンディ』。日本は戦後、アメリカをいかに咀嚼し、受け容れてきたか。占領期の生活文化から考える日本の民主主義と異文化受容の様相。

★『モノと子どもの戦後史』(天野正子/著 石谷二郎/著 木村涼子/著/吉川弘文館/2,940円)【→amazon
戦後、子どもの環境は激変した。オムツは使い捨て、母乳は粉ミルクへ。給食は豪華メニューとなり、校舎は広々と。学習机は機能的に、制服もスタイリッシュになり、マンガやおやつがあふれる。子どもの今を捉え直す。

★『図説 中国食の文化誌』(王 仁湘 著 鈴木 博 訳/原書房/5,040円)【→amazon
食材、調理、食器、作法、歴代の食通たちを通じて歴史、社会、思想を彩ってきた「中国飲食」の根幹を図版とともにわかりやすく解き明かした最新決定版。

★『外注される戦争』(菅原 出 著/草思社/1,680円)【→amazon
「民間委託」の流れはいまや軍事の分野にも及んでいる。その主役が「民間軍事会社」と呼ばれる企業群だ。戦闘地域での物流サービスから捕虜の尋問、メディア対策、はては実際の戦闘行為にいたるまで、そうした会社が提供するサービスは多岐にわたる。イラクでは、なんと一国の軍隊と同規模の人員を民間軍事会社一社で派遣している例まであるのだ。本書は、イラク戦争以降にわかに注目されている新ビジネスの実態を、企業側および最大の顧客である米軍関係者への取材をもとに描いた刺激的なノンフィクションである。

★『南極越冬隊タロジロの真実』(北村泰一/著/小学館/620円)【→amazon
なぜ一五頭のカラフト犬は無人の南極に置き去りにされたのか。そもそも日本初の南極観測事業とはどのようなものだったのか―。南極第一次越冬隊の隊員にして、タロジロとの再会を果たした唯一の人物である著者による、映画『南極物語』にも描かれていない探検と観測の一年。そして犬たちとの日々―。50年を経て甦る、素晴らしい本物の感動。

★『確率の科学史パスカルの賭け」から気象予報まで』(マイケル・カプラン/著 エレン・カプラン/著 対馬妙/訳/朝日新聞社/2,520円)【→amazon
数学ノンフィクション話題作。予測できない未来を知りたがった天才たちの記録。

★『先生、巨大コウモリが廊下を飛んでいます! 鳥取環境大学の森の人間動物行動学』(小林朋道/著/築地書館/1,680円)【→amazon
自然に囲まれた小さな大学で起きる動物たちと人間をめぐる珍事件を人間動物行動学の視点で描く、ほのぼのどたばた騒動記。あなたの“脳のクセ”もわかります。本日も、鳥取環境大学は動物事件でにぎやかなり!

★『アフリカ昆虫学への招待』(日高敏隆/監修 日本ICIPE協会/編/京都大学学術出版会/3,150円)【→amazon
熱帯雨林やサバンナ、砂漠など、多彩な環境がひしめくアフリカには、思いもよらぬ虫たちが棲んでいる。一度行くと癖になる「野性の宝庫・アフリカ」の、日本とはまったく異なる風土に暮らす昆虫たちの魅力に迫る。

★『本当は知らない空気の危険 なぜ渋谷より新宿のほうがきれいなのか?』(仁科剛平/著/祥伝社/1,365円)【→amazon
頭痛、吐き気、不定愁訴から癌まで、空気のせいで起こる病気は確実に増えつつあり、それらは私たちの体をジワジワと蝕んでいる。だが、現代の医療は、その対処法を見出せていない。目には見えないが、私たちをとりかこむ空気は多くの有害物質で汚染されている。あなたも、いつどこでこれらの「空気の病」を発症するかわからないのだ。どうしたら汚染物質から自分や家族の身を守れるのか?本書では実際の調査やデータで検証し、解決法を紹介する。「危険な」空気のなかで暮らす現代日本人必読の一冊。

★『工場萌え』(石井哲/写真 大山顕/文/東京書籍/1,995円)【→amazon
工場好きによる工場好きのための、工事業地帯の歩き方。工場・コンビナートにぐっとくる全ての人へ。工場写真とおすすめ工場鑑賞スポットを多数収録。

★『世界遺産建築の不思議』(天井勝海/監修/ナツメ社/1,680円)【→amazon
ユネスコの指定する全世界の世界遺産。有名なあの場所、あの建物の中がどのようになっているのか、今まで実際に行ってみなければわからなかったような、建築の内部が手に取るようにわかります。

★『ル・コルビュジエ 機械とメタファーの詩学』(アレグザンダー・ツォニス/著 繁昌朗/訳/鹿島出版会/3,360円)【→amazon
本書はル・コルビュジエの作品が生まれた当時の、まさに激動の時代について幅広く論ずる。そうすることでル・コルビュジエがいかにして新しい哲学やアヴァンギャルド、社会や政治の動き、テクノロジーの発展といったことを自らの文脈にとりこみ、みごとに統合させていったかが見えてくる。しかし、同時に現れてくるのはこれらの変革を構想し、促し、かたちにした創造者としての姿である。ル・コルビュジエは20世紀の建築家であると同時に、人間の創造性の原型なのだ。

★『イッキ乗り いま人間は、どんな運転をしているのか?』(下野康史/著/二玄社/1,680円)【→amazon
新幹線、鵜飼、水陸両用車、盲導犬、鉄道輸送車両、パワースーツタグボート、しんかい6500、デュアル・モード・ビークル、電子力発電所犬ぞり、ケーブルカー、稲刈り機、100tダンプ、シールドマシン、モーターグライダー…もう日本じゃ乗れないYS‐11もラストフライト直前に駆け込み徹底取材!『NAVI』人気連載「いま人間は、どんな運転をしているのか?」、待望の単行本化。

★『図説 武器だもの』(武器ドットコム 著 大波 耀子/幻冬舎コミック/1,575円)【→amazon
マンガや映画のあの武器がわかる!実際の使われ方とともに、フルカラーイラストで紹介中!だいたい180種類の武器が載っています。

★『世界を変えた6つの飲み物 ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コーラが語るもうひとつの歴史』(トム・スタンデージ/著 新井崇嗣/訳/インターシフト/2,415円)【→amazon
ビール、ワイン、蒸留酒、コーヒー、紅茶、コカ・コーラが語る熱情と覚醒の世界史。もし、これらの飲み物がなかったら、エジプトのピラミッドも、ギリシア哲学も、アメリカの独立も、フランスの市民革命、イギリスの産業革命・金融革命も形を変えていたかもしれない。ささやかな飲み物が、人類を駆り立て、歴史をつねに動かした、その大いなる秘密が明かされる。

★『寿司おたく、ジバラ街道をゆく』(宇佐美 伸 著/講談社/1,470円)【→amazon
一介の寿司好きサラリーマンが身銭を切って歩いた、食べた、そして学んだこと!!自腹だから真剣だ!個性豊かなオヤジ達と格闘しつつ自分の目と舌で確かめた納得の名店46店と知恵の数々。

★『ヒット商品を最初に買う人たち』(森 行生 著/ソフトバンクク/735円)【→amazon
ゲームオタクには相手にされなかった「ニンテンドーDS」。二流の音響機器と思われていた「iPod」。中年男性以外が買っていた「ヘルシア緑茶」など。最初は失敗作と思われていた商品が、その後なぜヒットしたのか?そのカギは、最初の買う人たち=イノベータが握っていた。気鋭のマーケターが解き明かす最新ヒット現象の裏舞台。

★『もうひとつのルネサンス』(岡田温司/著/平凡社/1,680円)【→amazon
レオナルドやラファエッロをはじめ綺羅星のごとく並み居るルネサンス美術の巨匠たち、彼らの登場を本書ではあえてご遠慮いただいた。かわって主役の座をしめるのは、日常生活のなかで不断に目に触れ、人びとの無意識に訴える家具絵や奉納像等々。パルナッソスの高みから降りて眺めるとき、「芸術」は「生」と出会い、様々な「におい」を発する。伝記研究、様式論、イコノロジー…美術史の終焉?従来のあらゆる分析手法を超える脱‐美術館美術。

★『モネ 名画に隠れた謎を解く!』(吉岡 正人 著/中央公論新社/1,680円)【→amazon
光の変化を捉え、睡蓮を描いた印象派の巨匠モネ。画家・吉岡正人がモネの人生の足跡を辿りながら、その絵画の魅力の秘密に迫る。

★『手塚治虫とボク』(うしおそうじ/著/草思社/1,890円)【→amazon
1950年代にマンガ家として、60年代にはアニメーターとして活躍した著者が、盟友手塚治虫と、その時代を回想する。月刊児童誌全盛時代のマンガ家たちの横顔。「悪書追放運動」のてんまつ。映画界からマンガに転身したアニメーターたち。『鉄腕アトム』にはじまる初期のTVアニメはどのように製作されたのか。『0戦はやと』や『マグマ大使』誕生のいきさつなどを記す。本書は、戦前からの映画人である筆者が綴った、日本アニメーション史でもある。

★『大衆の心に生きた昭和の画家たち』(中村嘉人/著/PHP研究所/735円)【→amazon
大正末から昭和三十年代にかけて、新聞、雑誌の連載小説は大衆娯楽の花形であった。戦前の『怪人二十面相』(江戸川乱歩)や『宮本武蔵』(吉川英治)、戦後は『徳川家康』(山岡荘八)や『鍵』(谷崎潤一郎)など。それらの物語は、芸術性の高い「さし絵」によって強く印象づけられた。描いたのは、小林秀恒、石井鶴三、中川一政木村荘八、木下二介、棟方志功、中一弥…。本書では、昭和に活躍したさし絵画家たちの懐かしい名作と逸話を紹介。テレビもパソコンもなかった時代、人々は何に心おどったのか。郷愁をさそう一冊。

★『ドレミを選んだ日本人』(千葉優子/著/音楽之友社/2,625円)【→amazon
私たちの耳はいつから日本の伝統音楽を異質なものと感じ、西洋音楽を快いものとして聴くようになったのだろう。明治以降、西洋音楽との出会いと葛藤のなかで、私たちの音楽的感性が変容してゆくさまを実証的に跡づけた、もうひとつの「近代日本音楽史」。

★『ピアニスト・和久井冬麦 音楽の神様から愛された少女』(伊藤 綾野 著/講談社/1,470円)【→amazon
映画『神童』で成海璃子演ずる主人公「うた」のピアノ。その見事な音を弾いているのは驚くべき12歳少女。才能、努力、教育、家族…、その素顔と成長を追う。

★『ピアノはいつピアノになったか?』(伊東信宏/編 松本彰/ほか[著]/大阪大学出版会/1,785円)【→amazon
約300年前に誕生したピアノはハイドンベートーヴェンショパン、リストなどの作品や演奏法にも影響を及ぼしながら変化をとげてきた。現代の黒くて重厚なピアノに至るまでの歴史を知ることによって、ピアノが本来もっていたはずの多彩な可能性が聴きとれるようになる。ピアノ愛好家、音楽史研究者、ピアニスト、必読の書。

★『歌舞伎百年百話』(上村以和於/著/河出書房新社/1,890円)【→amazon
江戸歌舞伎が終わって一四〇年。近代社会の変容は古典歌舞伎の伝統をどう変えたのか。「リアリズムと様式の間」を軸に、一年のトピックスを見開き二頁で綴る。

★『外国映画ぼくのベストテン50年 オール写真付きで名作500本がぎっしり』(双葉十三郎/著/近代映画社/1,680円)【→amazon
“SCREEN”誌の超ロング・シリーズ「ぼくの採点表」に続いて連載された双葉先生の「ぼくのベストテン50年」は、著者自身が毎年選んだベストテン作品50年分500本の映画評ですが、本書はこれに加筆してまとめた全写真付きの一冊です。

★『ファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判 3』(町山智浩/著 柳下毅一郎/著/洋泉社/1,680円)【→amazon
それを言っちゃオシマイのツッコミ満載。タブー知らずの毒舌映画漫才コンビが贈る第3弾。

★『精神科医が映画を観ると』(高橋 祥友 編集/至文堂/1,450円)【→amazon
本特集では精神科医の視点から映画をどうとらえるかに焦点を当てている。映画に描かれたトラウマや心の病、監督論、俳優論、異文化論、家族論、映画について患者と交わした会話、映画を用いたセラピー、個人的な体験など話題は尽きない。とくにテーマを絞らず、個々の筆者にそれぞれの切り口で映画を語っていただいた。

★『テアトル東向島アカデミー賞』(福井 晴敏 著/集英社/520円)【→amazon
「テアトル東向島アカデミー賞」それは著者の脳内で毎年行われる妄想映画祭。受賞作は血をかきたてる爆発アクション、スペクタクルが中心で、使用された火薬量とアドレナリン分泌量が評価の重要基準となる。世の女性たちよ、この孤独な男の魂の叫びを聞け。あなたの彼氏もホントはこんな映画が大好きなのだ!なにげに渾身、人気作家が綴る怒涛の映画日記。美川べるの描き下ろしツッコミマンガ付き。

★『映画と写真は都市をどう描いたか』(高橋世織/編著/ウェッジ/1,470円)【→amazon
映画が、そして写真がとらえた都市の肖像。そこにはすでに失われてしまった都市の相貌が、いまもなおありありと存在しているかのように息づいている。私たちは映像のなかに朽ち果てることのない都市の永遠の魂を見つける。

★『映画録音技師ひとすじに生きて 大映京都六十年』(林土太郎/著/草思社/2,310円)【→amazon
稲垣浩衣笠貞之助斎藤寅次郎伊藤大輔黒澤明三隅研次森一生らの名監督、片岡千恵蔵長谷川一夫市川右太衛門市川雷蔵勝新太郎ら、きら星のごときスターとともに歩んだ60年の活動屋人生を、汲めど尽きせぬ裏方の苦労話をまじえて語る。活動写真のメッカ京都に生まれ育った著者が、日活、大映、テレビ映像と録音技師としてひたむきに歩んできた道を活弁口調をまじえて語り尽くした録音屋一代記。

★『ウディ・アレン 映画の中の人生』(R.シッケル 著 都筑 はじめ 訳/エスクアイアマガジンジャパン/2,100円)【→amazon
神の不在、人間の実存、罪と罰、運命、マジック・リアリズム…。ウディ・アレンの映画=人生哲学がこれまでになく浮き彫りにされた、ファン必携の好著。

★『はかり方の日本語』(久島茂/著/筑摩書房/714円)【→amazon
「おはじき一〇〇個」は「多い」のに、「一〇〇という数」は、「大きい」というのはなぜか?「今は平成一九年」とはいえるのに、「今は三日」といえないのはなぜか?同じく面積の話なのに「庭」は「広い」で、「ハンカチ」は「大きい」のはどうしてなのか?ふだん何気なく使っている「数」「時」「量」のはかり方を少しつっこんで考えてみると…。探るほどに不思議で、精妙な論理を持つ日本語の世界へご案内。

★『明治の職業往来 名作に描かれた明治人の生活』(池田功/編 上田博/編/世界思想社/2,415円)【→amazon
維新・自由民権運動・殖産興業・諸社会制度の生成、そして日清・日露戦争とうち続く激動の明治に生きた人々が、「職業」によってどのように社会と関わり、家族を支えて生き抜こうとしたかを、小説家・思想家が生み出した珠玉の作品を通して活写する。

★『『婦人公論』にみる昭和文芸史』(森まゆみ/著/中央公論新社/987円)【→amazon
90年にわたり、世に多様な生き方を提示してきた『婦人公論』は、同時に文芸欄も賑やかだった。迫るは谷崎潤一郎松本清張有吉佐和子ら23人。昭和を生き抜いた作家達、かくありき。

★『作家の生きかた』(池内 紀 著/集英社/520円)【→amazon
借金、病気、酒好き、ホラ吹き…。優れた文学者たちは、普通なら非難される人生のマイナス要素をプラスに逆転させ、自己の世界を表現していった。著者は太宰、芥川、井伏など、自身の愛する作家たち20人を「生きかた名人」と呼び、作品をひもときながら、その人生を探る。

★『芥川竜之介の夢 「海軍機関学校」若い英語教官の日』(清水昭三/著/原書房/1,890円)【→amazon
少年時代の芥川龍之介の夢は、海軍士官になることだった。海軍機関学校の教官となって、その夢は半ば実現された。その彼は将来に備え、海外の敗戦物語や体験談などを士官教育の教材とした。連戦連勝の大日本帝国海軍には、まったく不要な教育であった。しかし、この彼の教育を受けたために、敗戦時大いに助かった士官たちがいた…。

★『平凡パンチ三島由紀夫』(椎根和/著/新潮社/1,470円)【→amazon
1969年、あの狂乱と闘争の季節。平凡パンチ誌の最後の三島番記者が、自決まで三年間の肉体と精神の素顔を明かし、自衛隊乱入事件の「真実」に迫る。

★『星新一 一〇〇一話をつくった人』(最相 葉月 著/新潮社/2,415円)【→amazon
『ボッコちゃん』『ようこそ地球さん』『人民は弱し 官吏は強し』…文庫の発行部数は三千万部を超え、いまなお愛読されつづける星新一。一〇〇一編のショートショートでネット社会の出現、臓器移植の問題性など「未来」を予見した小説家には封印された「過去」があった。関係者百三十四人への取材と膨大な遺品から謎に満ちた実像に迫る決定版評伝。

★『ピカレスク 太宰治伝』(猪瀬直樹/著/文芸春秋/780円)【→amazon
「井伏さんは悪人です」。太宰が遺書に書いた言葉の意味は何だったのか?親兄弟、友人知人を騙り、窮地に陥る度に自殺未遂を起こした太宰。その太宰を冷徹に観察し、利用した井伏。二人の文士は、ともに「悪漢」であった。師弟として知られる井伏鱒二太宰治の、人間としての素顔を赤裸々に描く傑作評伝ミステリー。

★『絵具屋の女房』(丸谷才一/著/文芸春秋/630円)【→amazon
エッ、宮本武藏は実在しなかった?何故なら「彼には滑稽な逸話がない」と丸谷さんは言います。それに比べて将軍家御指南番・神子上典膳なんか、西瓜の皮ですべって転んで、いい味だしてます。その他、天皇制と養子の話、甘栗を巡るマジメな論考、インディアンが野球をすると…など、名エッセイをお楽しみ下さい。

★『石川淳評論選』(石川淳/著 菅野昭正/編/筑摩書房/1,575円)【→amazon
和漢洋にわたる深い知見と尖鋭な批評意識に裏打ちされた作品世界によって、日本の現代小説を切り拓いた文人の著作を三冊に編む選集。本巻は評論・随筆の名品を一冊に編むベストセレクション。“小説”さらには“書くこと”の蘊奥を照射する文学評論、雅致に富む随筆・エッセイ、荷風宇野浩二安吾らの生の軌跡を冷静に刻む追悼の文などを収める。

★『文芸の条件』(森村誠一/著/講談社/1,995円)【→amazon
よい文章に求められるのは、情報を伝えることだけではない。人を惹きつける文章に到達するためのヒントが満載の一冊!ミステリートップ作家の最新エッセイ集。

★『家計簿の中の昭和』(澤地 久枝 著/文藝春秋/1,500円)【→amazon
つましく暮らし、よく働き―わたしの昭和はゆたかだった。敗戦、高度成長からバブル崩壊まで―著者自身の出納記録帳の行間に過ぎ去りし日々の面影をさぐる、珠玉のエッセイ集。

★『義理と人情 僕はなぜ働くのか』(みのもんた/著/幻冬舎/756円)【→amazon
ひと月のレギュラー番組三十二本、一日の睡眠時間三時間。依頼された仕事は、決して断らず、医者に止められようが、働かずにはいられない―。屈辱を味わったサラリーマン時代、テレビ・ラジオから干され、ひたすらトラックで営業周りした十年間を経て、今、諦めきれなかった芸能界で仕事ができるのは、人の情けのおかげ。その情けに報い、義理を果たすために、僕は働き続ける。迷い、立ち止まる現代のサラリーマン必読の書。

★『発明マニア』(米原 万里 著/毎日新聞社/2,310円)【→amazon
米原万里的、ワンダーランド。絶筆の連載。究極の温暖化対策から日本人男性の誇りと自信向上計画、イビキ防止器具まで―この世の、あらゆる難問を解決する一一九の発明。

★『ルイザ 若草物語を生きたひと』(ノーマ・ジョンストン/著 谷口由美子/訳/東洋書林/2,310円)【→amazon
世界中の少女に愛されてきた名作『若草物語』。作者ルイザ・メイ・オルコットの波乱に満ちた生涯を、オルコットを敬愛する熟練の物語作家が生き生きと描き出す。物語を超えるルイザ・メイ・オルコット伝。

★『変死するアメリカ作家たち』(坪内祐三/著/白水社/1,995円)【→amazon
日本であまり知られていない作家たちの変死ぶりから、20世紀アメリカの時代精神と彼らの反逆や渇望を描く。

★『シェイクスピアとその時代を読む』(日本シェイクスピア協会/編/研究社/3,360円)【→amazon
「王権」「結婚」「国家」「債務」「出版」「暴動」―気鋭の研究者たちが、さまざまな側面から読み解く「シェイクスピアとその同時代」。シェイクスピアたちの生きた時代/シェイクスピアたちを産んだ社会を透察する12の豊かな視座が、現代を生きる我々のありようをも照らし出す。日本シェイクスピア協会創立45周年記念論集。