日本の「土鍋」に関する中国国家質量検験検疫総局・李長江局長のミスリードについて

 これは以下の日記の続き(というか補足)です。
「ダンボール肉まん」は「やらせ」なのか「捏造」なのかについて
 
 日本の土鍋について。
中国産食品めぐる海外メディアの過熱報道批判

(前略)
また、日本メディアも中国製土鍋から基準値を上回る鉛が検出されたと報じたが、日本当局が成分検査機関 3社に依頼して調べた結果、中国産土鍋の鉛含有量は日本製の半分にすぎないことが判明した。
(後略)

 新聞の報道だと、こんな感じなので、
「中国製土鍋から鉛を検出 販売店が回収へ」世界から‐中国・台湾ニュース:イザ!

(前略)
 同センターによると、男性は今年1月、ニトリで購入した土鍋で煮込んでいると、縁の辺りに銀色の異物が浮上した。同センターなどが、食品衛生法の基準値である水溶液1ミリリットル当たり2・5マイクログラムを下回る1・3マイクログラムの鉛を検出した。人体に深刻な影響を与える値ではないという。
(後略)

×中国産土鍋の鉛含有量は日本製の半分にすぎない
○中国産土鍋の鉛含有量は日本の食品衛生法の基準値の半分(を少し越える)程度の鉛を、煮込むと排出する程度の量である
 なので、「中国国家質量検験検疫総局・李長江局長」の主張はミスリード、というよりものすごくヘン
 煮込んでそれだけの鉛が出てくるということは、「土鍋の鉛含有量」はけっこう多いのでは、という気がします。
 一応、前のエントリーの「追記」でこの件に関して触れましたが、別エントリーを立てたのは、英語テキストも確認してみたため。
People's Daily Online - Chinese official urges foreign media to stick to truth in reporting (2)

Li said recent Japanese reports claimed that Chinese-made boilers contained excessive lead. However, tests done by three Japanese inspection organizations showed that the lead contained in Chinese boilers was only about half of that in Japanese ones.
(後略)

 ここまで明らかなミスを公的発言としてしているのには、ぼくは「李長江局長」が「土鍋」の件に関して正確な報告を、関係者から受けていない(また、日本語のテキストも読めない)からじゃないかと思います。
 ということで、ここを読んでいる土鍋業界のかたがいましたら、何らかのリアクションをしたほうがいいのでは、というのがぼくの考えです。このまま何もしないと、日本語の読めない中国の人および英語の読める人の間では、「日本製土鍋のほうが中国産土鍋より鉛含有量が多い」ということになってしまうわけで。