『愉悦の蒐集ヴンダーカンマーの謎』『ビートニクス コヨーテ、荒地を往く』『捕虜 誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路』

本日の読みたい本・おすすめ版(2007年9月あたり)。

愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎 <ヴィジュアル版> (集英社新書)

愉悦の蒐集 ヴンダーカンマーの謎 <ヴィジュアル版> (集英社新書)

★『愉悦の蒐集ヴンダーカンマーの謎』(小宮正安/著/集英社/1,050円)【→amazon
博物館の元祖であるヴンダーカンマー(不思議の部屋)は、一六〜一八世紀ヨーロッパで盛んに造られた。そこにはいわゆる美術品、貴重品の他に、一角獣の角、人相の浮かび上がった石など珍奇で怪しげな品々が膨大に陳列されていた。それは、この世界を丸ごと捉えようとしたルネサンス的な一切智、万能主義のあり方を示しており、今日の細分化された学問の対極にあるともいえる。本書は、ヴンダーカンマーを再発見し、かつての愉悦に充ちた知を取り戻そうとする試みである。本邦初公開の珍しい写真・図版等を多数掲載する。
ビートニクス―コヨーテ、荒地を往く

ビートニクス―コヨーテ、荒地を往く

★『ビートニクス コヨーテ、荒地を往く』(佐野元春/著/幻冬舎/1,800円)【→amazon
80年代から現在までメジャーミュージックシーンを牽引しながらカウンターカルチャーの分野でも果敢な言語実験を試み続け、その後の世代にも無数のフォロワーを生んだ佐野元春。彼がかねてから関心を寄せそのテーマとして取り上げてきたアメリカの文学運動「ビート=BEAT」をめぐるコラムをはじめ、彼の敬愛するアレン・ギンズバーグ、グレゴリー・コルソ、ゲイリー・スナイダーといったビート詩人たちへのインタビューを試みた貴重なドキュメント・エッセイ。佐野元春自身の肉筆による、ビート・コラムの集大成。
捕虜―誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路 (学研M文庫)

捕虜―誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路 (学研M文庫)

★『捕虜 誰も書かなかった第二次大戦ドイツ人虜囚の末路』(パウル・カレル/共著 ギュンター・ベデカー/共著 畔上司/訳/学研/1,365円)【→amazon
Uボート乗員の“狼”たち、アフリカ軍団の精鋭、ルフトヴァッフェ撃墜王、そして年端もいかぬ少年兵たち…第二次大戦において、1100万に及ぶ元ドイツ軍人は連合軍の捕虜となり、酷寒のロシアからアフリカの荒野まで、世界各地に設けられた収容所に押し込められた。そして、ある者は地獄のような飢餓と拷問の中に命を落とし、ある者は祖国をめざして大脱走を企てた。敗戦国の将兵が辿る運命を生々しく再現する、パウル・カレルの知られざる最高傑作。