『鉄の暴風』に関する面白い意見

 こんなところから。
「検定撤回は将来禍根…米軍施政下「沖縄戦の真実」封印」話題!‐教育ニュース:イザ!

 ■米軍施政の呪縛
 集団自決の「軍命令」説を最初に報じたのが、地元紙、沖縄タイムス編の「鉄の暴風」(朝日新聞社、昭和25年初版発行)。作家、大江健三郎氏の「沖縄ノート」など、軍命令を事実と断定する著作の多くは、この「鉄の暴風」の記述・内容を引用したものだ。
 ただ、明星大戦後教育史研究センターの勝岡寛次は「この本は全然実証的ではない」と強調する。
 確かに、同書は集団自決の現場での取材は行っていない上、生存者について「不明死を遂げた」としたり、事実関係が違っていたりするなどの不備が少なくない。
 勝岡氏は、同書が米軍施政下の沖縄でラジオ朗読されて広まった経緯や、当初は米軍の「高いヒューマニズム」をたたえていたことなどを例示。連合国軍総司令部(GHQ)が日本人に戦争に対する罪悪感を植えつけた宣伝工作「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」との共通点を指摘し、こう語る。
 「この本の歴史的意味は、沖縄県民の敵を、米国から日本軍へと置き換えさせたことだろう
 沖縄在住のジャーナリスト、恵隆之介氏は「沖縄では、軍命令を疑う意見は地元紙に一切掲載されず、今も言論統制が行われているのに等しい。戦後、米陸軍第8心理作戦部隊が『沖縄県民は日本国民に差別された。その帰結が沖縄戦の悲劇だ』と反日宣伝を徹底したが、それが定着してしまった」と話す。

 まぁ例によって産経視点の記事ではありますが、『鉄の暴風』に関しては、以前ざっと眼を通してみた印象では「講談的読み物としては抜群に面白い*1んだけれども、資料・史料としてこれを元に何かを語ることはできないなぁ」という感じでした。少なくとも、『鉄の暴風』にはこう書いてある、という形で沖縄戦を語ろうとすると、どうしても民話・神話的フィクションになってしまいそうな感じがするのですね。
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沖縄戦記 鉄の暴風

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*1:「面白い」という言いかたにはいささか疑問もあるんですが、他に適当な言葉も思い浮かばない。