『赤い河』--ピカレスクなオレ様ジョン・ウェイン
ちょっと西部劇という映画のジャンルに興味を持って、ある程度まとまった本数、そうだな、100本ぐらいを目標に見てみようかと思った。どうもぼくの記憶では、かつて成功して、完結したいちジャンル、たとえて言うなら都電のようなものとして存在しているのですね、西部劇というのは。さらにその記憶には、あまり駄作がなかったように美化されている。もちろん映画館で封切り映画をバリバリ見ていた年では(さすがにぼくも)ないので、ビデオとかで数本を見た限りの記憶ですが。で、以下の本を参考に↓
- 作者: 逢坂剛,川本三郎
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2001/05
- メディア: 単行本
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西部劇を愛する2人が、名作からB級作品の細部までたっぷり語り合う。貴重図版多数、データも充実。戦後日本で公開された西部劇映画の作品リスト・作品名索引付き。
最初にこんな映画を見てみた。
→赤い河 - goo 映画
→あらすじ 赤い河 - goo 映画(ストーリーの結末が記載されていますのでご注意ください)
ハワード・ホークス監督の古典ですね。古典すぎてどう評価したらいいのか今の人間にはよくわからない。主人公のダンスン(ジョン・ウェイン)はいきなり人の土地を掠奪して牧場にしてしまい、牛追いの途中からヒーローは養子のマシュウ(モンゴメリイ・クリフト)に明らかに変わってしまう。宗教映画とか史劇映画のパロディなのか、その割にはみんなシリアスにやっているので、聖書の出エジプト記とかが元ネタなのか、とか、そういうモノの知識が欠如しているぼくは思ってしまいました。ハワード・ホークスが『三つ数えろ』(1946年)の次に作った映画(1948年)ということで、少し納得してしまう部分がある。これはどうも主人公に感情移入して見てはいけない映画の一つなんじゃないだろうか。ある種前衛で、フィルムノワールとかヌーベルバーグとかがお好きな人におすすめの、西部劇ファンにはおすすめできそうにないステキな映画でした。あと牛好きな人にもおすすめです。もう、CGじゃない生の牛がこんなに出て来る映画なんて信じられない。画面いっぱいに牛だらけ、牛まみれになるという、ハリウッド・バビロンの底力がすごいです。スタンピードはおそろしい。
ちなみに、カウボーイたちが牛を売った「カンサス州のアビリーン」とはこんなところ。
→アビリーン (カンザス州) - Wikipedia
アビリーンは、1857年に設立された。名前は新約聖書から取られており、平原の都市という意味を持っている。カンザスシティの西にある最も大きな家畜の集積地として町は急速に発展し、流れ込んだ荒くれ者により、西部でもっとも荒れた町の1つになった。
1871年4月、ワイルド・ビル・ヒコックが保安官になった。しかし、フィル・コーとの銃撃戦で友人の保安官であるマイク・ウィリアムを偶然に射殺してしまい、12月に保安官の任務を解かれた。