「本当のニュース」って何だろうね

 以下のコメントから。
「関係者」という胡散臭い人間の「証言」を並べるアメーバ・ニュースは本当にニュース(報道)なのか

通りすがり2 2008/01/20 07:42
あんたの言う本当のニュースって何よ?

1・時事的(同時代的)であること
2・ぼくの知らない情報であること
3・その情報源がある程度、第三者(=ぼく)にも確認できること(○○にくわしい業界人のコメントは不要。というか無視する)
「○○にくわしい業界人」のコメント・証言だけが情報源であったりする場合は、なかなか「ニュース」とはいいにくいですな。
 最近の例だと、
新風舎が破産手続き 未出版900人の前受け金は10億円 - MSN産経ニュース

新風舎が破産手続き 未出版900人の前受け金は10億円
2008.1.20 01:05
 自費出版大手の新風舎(松崎義行社長)が東京地裁民事再生法の適用を申請していた問題で、保全管理人を務める川島英明弁護士が19日、東京都港区の本社で会見。東京地裁の再生手続きの廃止を決め、保全管理命令を出したことを受け、破産手続きに入ることを明らかにした。
 未出版の著者約900人が支払った前受け金が計約10億円にのぼることも判明。会見に同席した松崎社長は「著者や関係者に心配と迷惑をおかけして申し訳ない。私自身が支えることができないのは残念」と語った。
 川島弁護士は「すでに自費出版契約を結んでいる約1000人の出版を継続することを一番に考えたい。事業の譲渡先や出版物の受け皿については、複数社から申し出を受けており、いい形になればと思う」と述べた。負債は約20億円。破産配当は見込めないという。
 同社などによると民事再生手続きが廃止されたのは、再建支援を検討していた印刷会社が支援を断念、資金繰りが行き詰まったため。この印刷会社は「経営サイドとの姿勢に食い違いがあり、相いれない部分を埋めることができなかった」などとホームページで明かした。
 新風舎は今月7日、東京地裁民事再生法の適用を申請。事業継続のための支援を模索して、約1000人の書籍の制作と、出版されている約1万5000点の書籍の流通確保に全力を挙げると説明していた

 新風舎が「破産手続きに入る」ことは多分ニュース(記者会見という場での発言、ということなので、複数の証人がいるし、別の方法でも事実確認は可能)。
「未出版の著者約900人が支払った前受け金が計約10億円にのぼる」ことは、ニュースに付帯する追加情報だけど、これについてはうまく確認できないので擬似ニュース。
 印刷会社に関する情報は、以下のところで確認できるので、確実にニュース。
印刷新時代に根をおろす[株式会社 帆風(バンフー):VANFU](トップページ)

お客様各位
関係者各位
 
 株式会社 帆風は、株式会社 新風舎様の再建支援をお手伝い出来ればと、昨年12月後半から1月中旬迄、様々な角度から検討してまいりました。しかし、残念ながらどうしても企業再生の道を見出す事が出来ませんでした。また、経営サイドとの姿勢に食い違いがあり、株式会社 帆風の生き方と、どうしても相容れない部分を埋める事が出来ませんでした。昨日(1月17日)株式会社 新風舎、松崎社長と弁護士の滝先生に、その旨を説明し、新たなスポンサーを探して頂く様、お願いした次第です。既に発注済の1000人近くのお客様に対する社会的責任を考えれば考える程、何とかしたい気持ちが、今日まで結論を持ち越してしまい、特に著者の方々に対し、大変申し訳ない気持ちで一杯です。多くの皆様から激励のお言葉を頂きながらお役に立てず、誠に申し訳ありませんでした。これからは、株式会社 帆風も債権者の一社として株式会社 新風舎様の再起を陰ながら応援させて頂く所存です。
 
株式会社帆風
代表取締役 犬養俊輔

「未出版の著者900人」という情報より、「発注済の1000人近くのお客様」という情報のほうが、ぼくはニュースとしては信用できる。金額は引き続き不明だけれど、まぁ10億というのは想像の範囲内なので、それを否定するような情報が出てこない限りは信じておく。
 これらに対して、以下のニュースの一部、
新風舎、未出版の著者1000人から前受け金10億円 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 新風舎に対しては昨年7月、出版契約を結んだ3人と1法人が契約が履行されなかったとして損害賠償請求訴訟を起こしており、原告の一人のアルバイト男性(31)は「未出版の1000人分の書籍を完成させたいというが、できるか疑わしい。著作権だけは返してほしい」と憤っていた。

 太字の部分は、うまく確認できないので擬似ニュース。
 で、以下の情報提供の一部は、情報提供者の存在が確認できない伝聞情報なのでニュースではない。
自費出版の新風舎破綻 「素人に期待せぬ」と業界関係者 - Ameba News [アメーバニュース]

 近年盛り上がっていた自費出版ブームに冷水を浴びせるようなニュースだが、「それでも自費出版を希望する人は後を絶たないだろう」と語るのは、同じく自費出版を請け負う別の出版社で働く30代の男性。
「これだけインターネットが普及した現代でも、紙媒体に特別な思い入れを持つ人は多いですからね。作家になりたい、自分の著書が本屋に並んでいるのを一目見たいという人は、それこそ無数にいますよ」(前出・出版社社員)。
 自費出版を希望する人で多いのが、年配の男性が自分の半生を自伝にしたいというものだという。
「定年退職した学校の先生や会社の役員クラス、元官僚の人なんかが多いですかね。最初は自伝で始まるんですけど、最終的には人生論や国家論にまで話が膨らむというパターンが目立ちます。五木寛之さんの影響が強いと思います」(前同)。
 この出版社社員に自費出版をうまく利用するコツを聞いた。
「大きな文学賞を獲ろうとか、ベストセラーにしようとか、そういう山師的な気持ちは持たないことですね。自分が書きたいものを書いて、それを身近な人に読んでもらうために適宜な量を印刷する。そういう心がけが大事です。我々も素人さんの書いた本で一山当てようなんて思ってないですから」

 特に「自費出版をうまく利用するコツ」は、単にもっともらしい超擬似情報(ニュース)。
 アメーバ・ニュースを見ていると、そういうのが多くて気になる(情報源として使いにくい)。