『砂塵』----とてもつまらなそうなタイトルだけど滅茶苦茶面白い

砂塵 - allcinema
 1939年製作の、なんとも楽しい西部劇。無法者の街・ボトルネックを仕切る酒場のボス、ケントと悪徳市長。土地をイカサマ賭博で騙し取り(マレーネ・ディートリッヒがなかなかシブい役どころ)、正義漢の保安官を殺して酒場ののんだくれオヤジ、ウォシュを新保安官に任命する。町の悪事にうんざりしていたウォシュは酒をやめ、「凄腕保安官の息子」を呼び寄せる。ところがその男(ジェームズ・スチュワート)、拳銃を持っていても後ろから撃たれたら意味ない、ということで拳銃を持たない主義で、酒場ではミルクを注文する軟弱そうな男(酒場でミルクを注文するシーンの起源はこの映画らしい)。ところが意外にも…という展開で、ラストは勧善懲悪のハッピーエンド(少し切ない)。
 なんだか、やたら既視感のあるギャグの入り具合で、考えてみたらこれは昭和30年代に手塚治虫が漫画でやっていたようなことの元ネタのような気がしてくるのだった。のんだくれオヤジはヒゲオヤジがぴったりだし、ラストの、ちょっとネタバレは避けますが、大スペクタクルは『リボンの騎士』で既視感あるぞ。インディアンとか決闘とかあまりないうえ、基本コメディの、西部劇というジャンルを意識しないでも楽しめる傑作。『ブレージング・サドル』なんかだいぶ影響受けてるように思った。あんまりレンタル店とか置いてなさそうな映画ですが、アマゾンなんかでは500円ぐらいで買えるので見てみてください。一応リンク貼っておきます。

砂塵 [DVD] FRT-298

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