『海峡を往還する神々−解き明かされた天皇家のルーツ−』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

海峡を往還する神々 (PHP文庫)

海峡を往還する神々 (PHP文庫)

★『海峡を往還する神々−解き明かされた天皇家のルーツ−』(関裕二/PHP研究所/650円)【→amazon
スサノオは日本に来る前に新羅に降臨したと、『日本書紀』にはある。また『古事記』『日本書紀』には、アメノヒボコという新羅の王子が描かれている。かたや新羅には、海の彼方からやってきたとされる脱解王の伝説が…。日本と新羅、海を隔てて響きあう伝説が意味するものとは何か。両国の伝承を丹念に読み込み、考古学の最新成果を照合するとき、古代史最大の謎、天皇家のルーツが見えてくる。
 
記紀神話と考古学  歴史的始原へのノスタルジア (角川叢書 44)

記紀神話と考古学 歴史的始原へのノスタルジア (角川叢書 44)

★『記紀神話と考古学−歴史的始原へのノスタルジア−』(磯前順一/角川学芸出版/2940円)【→amazon
太古への郷愁、その行方を問い直す。―「始原への郷愁」を国民国家の記憶へと編成した記紀研究・考古学を詳細に検証。ノスタルジアが秘める「力」を、人々の新たな共同性を切り拓く鍵として読みとく。
 
グローバル・ヒストリー入門 (世界史リブレット)

グローバル・ヒストリー入門 (世界史リブレット)

★『グローバル・ヒストリー入門』(水島司/山川出版社/765円)【→amazon
グローバル・ヒストリーには文字情報をおもにあつかう歴史学者だけではなく、多くの自然科学者も参加し、これまでになかった斬新な手法と多様な情報が駆使された成果が続々と生み出されてきている。これらの研究は、今後の歴史学のありかたを大きく変えるものである。本書では、グローバル・ヒストリーの概要を伝えた。
 
世界史における時間 (世界史リブレット)

世界史における時間 (世界史リブレット)

★『世界史における時間』(佐藤正幸/山川出版社/765円)【→amazon
キリスト紀年はなぜ世界共通紀年となることができたのだろうか?「もっとも強いもの、賢いものが生き残るのではない。変化に柔軟に対応できるものだけが生き残るのだ」という格言は、ダーウィンに仮託して流布しているが、その好例がキリスト紀年であるといえるだろう。
 ★『宗家王朝−中国の富と権力を支配した一族の物語−上』(スターリング・シーグレーブ/岩波書店/1260円)【→amazon
激動の中国近代史とともに波瀾の人生を歩んだ靄齢、慶齢、美齢の宋家三姉妹。「一人は金を愛し、一人は権力を愛し、一人は国を愛した」。上巻では、十九世紀末、海南島出身のチャーリー宋が米国に渡って教育を受け、帰国後に財をなし、孫文のスポンサーとして革命に関わりをもったことから、その子供たちが辛亥革命に始まる時代の渦に巻き込まれる過程を描く。
 ★『宗家王朝−中国の富と権力を支配した一族の物語−下』(スターリング・シーグレーブ/岩波書店/1260円)【→amazon
美齢と蒋介石の結婚により権勢をほしいままにした宋一族。抗日戦争の中でいったんは米国を篭絡して中国の命運を支配するが、国共内戦に敗れて台湾移転を余儀なくされる。米中関係秘史と宋・蒋の秘密結社との関わりにも触れて綴られる「宋家王朝」の興亡。蒋の独裁政治とその死、民主化の進展、宋美齢の死までを扱った新原稿「宋家王朝の終焉」を付す。