『プリンセスチュチュ』さえあればご飯大盛り三杯はイケる

 俺はアニメ監督としては佐藤順一谷口悟朗新房昭之がいればいいかな(どうしても3人以下には絞り切れない)と思っている、グッズとか抱き枕には興味ない、薄いアニメ好きなんですが、『プリンセスチュチュ』(2002-3年、伊藤郁子原案)には驚いた。ぼくのゼロ年代アニメ・ベスト10の一角に加わっても、なんら問題がない作品だと思う。話は、大烏と戦って心を失った王子様の、心のかけらをあひる少女が変身して集めて元に戻すという魔法少女系。淫獣は出て来ないけど、すでに亡くなっていながら話を導く邪悪な物語師ドロッセルマイヤー氏)がいる。アイテム集めるという点では『カードキャプターさくら』『魔法少女リリカルなのは』とおんなじだ。
 すごいのはたとえばこんな感じ。
1・メタな物語構造
 これは、王子・騎士・大烏・黒鳥、そしてあひるの物語。もう「物語」ということで、ドロッセルマイヤー氏が作った「世界(町)」の中で、仕掛けられた物語に従って物語が展開する。それに抗うのは、別の物語を作る力。物語の中の物語で、物語のキャラクターが、作者&運命に抗うが、それもまたラストは運命。計算通り。ドロッセルマイヤー氏もまた、「物語の中の人物」なんじゃないの? という疑問が出てくるエンド。王子は大烏と戦い、黒鳥と結ばれ、騎士とあひるは…えー!? という終わり方。これはひどい、もしくは、それ以外の結末はないと思う終わり方。
2・圧倒的な劇伴(音楽)
 バレエのクラシック音楽が豊富に使われてて、こんなに豪華なアニメ音楽作品って今までに見たことがない。曲に合わせて登場人物が不安に陥り、幻覚を払いのけ、時にはギャグをかまし、もちろん踊る。…バレエのシーン、アニメにするのは人力・金力ともに大変なんだろうなぁ、と思う程度に踊ってくれます。
3・主人公は魔法少女でアヒル
 猫が先生で、アリクイがバレエうまくて、主人公はアヒル。それでも日常。わけ分からないと思うでしょうが本当だ。どうやったらそんな設定が考えられるのか。アヒルが少女でプリンセスチュチュ。王子と騎士は竹宮恵子風ホモ・テイスト演出が、1980年代臭い。ていうか、全体に21世紀のアニメにはとても思えない。もっと昔の、普通の少年少女がアニメを楽しんでいたころのアニメだ。でも黒い
 今流行りのコメントつけるなら、魔法少女まどか☆マギカ』見たら次は何を見ればいいか、という人のためのアニメでしょうか。すでに見ている人多かったらすみません。
 紹介してはみたけれど、アマゾンで中古価格がとんでもないことになっているのに驚いた。
 今だと普通にバンダイチャンネルで見るのがおすすめ。1話105円だよ。
DMM.com [プリンセスチュチュ 作品紹介ページ] バンダイチャンネル動画
「お話の好きな子供、よっといで!(笑)」黒いよ、ドロッセルマイヤーさん!
 こんなまとめもあるよ。
Togetter - 「まどか☆マギカを見てプリンセスチュチュを連想した発言リスト #ptutu #madoka_magica ☆」
ogetter - タグ「プリンセスチュチュ」のTwitterまとめT