『大鳥圭介−幕府歩兵奉行、連戦連敗の勝者−』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
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大鳥圭介―幕府歩兵奉行、連戦連敗の勝者 (中公新書)

大鳥圭介―幕府歩兵奉行、連戦連敗の勝者 (中公新書)

★『大鳥圭介−幕府歩兵奉行、連戦連敗の勝者−』(星亮一/中央公論新社/840円)【→amazon
大鳥圭介は稀有な幕臣である。播磨に生まれ、蘭学を学び、幕府歩兵奉行として陸軍の指揮を任されるに至る。戊辰戦争では連戦連敗するが、「またも負けたか」と笑い飛ばし、五稜郭まで戦い抜いた。二年にわたって牢に繋がれたのちは工部大学校校長、清国公使などを歴任、富国強兵策を実行した。「最初からよい地位に恵まれることなどない」「屈するは後に大いに伸びる基」と言い、不撓の精神で逆境を乗り越えた人物の生涯。
 
勝海舟と福沢諭吉―維新を生きた二人の幕臣

勝海舟と福沢諭吉―維新を生きた二人の幕臣

★『勝海舟福沢諭吉−維新を生きた二人の幕臣−』(安藤優一郎/日本経済新聞出版社/1995円)【→amazon
幕府の軍艦・咸臨丸でともに渡米して四十年。在野で文明開化の旗手となった諭吉は晩年、なぜ武士道を賛美し海舟を厳しく批判したのか。近世から近代へ。日本の何が変わり、何が変わらなかったのか。
 ★『司馬遼太郎歴史のなかの邂逅 8 ある明治の庶民』(司馬遼太郎/中央公論新社/700円)【→amazon
祖父・福田惣八の生涯を幕末維新史の点景として描く三篇のほか、日本人全般を論じた五篇、さらに劉邦、八大山人、ゴッホなど世界史のなかの天才の魅力を語る諸篇を収録。歴史小説の巨人が遺した人物エッセイの集大成・全八巻、ここに完結。
 
昭和天皇―「理性の君主」の孤独 (中公新書)

昭和天皇―「理性の君主」の孤独 (中公新書)

★『昭和天皇−「理性の君主」の孤独−』(古川隆久/中央公論新社/1050円)【→amazon
新時代の風を一身に浴び、民主的な立憲君主になろうとした昭和天皇。しかし、時代はそれを許さなかった―。本書は今まであまりふれられることのなかった青年期に至るまでの教育課程に注目し、政治的にどのような思想信念をもっていたかを実証的に探る。そしてそれは実際の天皇としての振る舞いや政治的判断にいかなる影響を与えたか、戦争責任についてどう考えていたか、さらに近代国家の君主のあり方をも考察する。
 
図説 ソ連の歴史 (ふくろうの本/世界の歴史)

図説 ソ連の歴史 (ふくろうの本/世界の歴史)

★『図説ソ連の歴史』(下斗米伸夫/河出書房新社/1890円)【→amazon
ソ連とは、共産党とは何だったのか。超大国はなぜ崩壊したのか。革命、粛清、大祖国戦争、冷戦、クーデター…74年にわたるその激動の歴史を、ソ連崩壊から20年目に問う、初めての通史。