57年前の母の日、5万冊の「悪書」が処分されました

 悪書追放運動当時の新聞テキストから。誤字とか読み間違いはお許しください。
 読売新聞1955年5月8日夕刊より。日曜日なんですが、当時は日曜日でも夕刊が出てました(東京では)。

母の日
好天の日曜
多彩な催し
 
悪書五万冊ズタズタ
悪書追放
 
“悪書追放”にたち上がった東京母の会連合会のお母さんたちは「きょうの私たちの日を意義ある仕事で…」と朝から都内一斉にリヤカーや荷車をひいて各家庭にしまいこんであるエロ本、あくどいマンガや少年少女雑誌類を集めて歩いた。
 五十支部余り約三十五万人もの会員をもつだけに“供出”された本の数もおびただしく神田母の会、三河島母の会、小松川母の会などうす暗い午前六時ごろからタスキ、エプロン姿でとび回り正午ごろまでには各支部長宅側に約五万冊の“悪書の山”が築かれた。そのままクズ屋や古本屋に売ったのではまた売りさばかれるとお母さんたちは本が運ばれるそばから切断機で刻みコマ切れにしてからクズ屋に渡すという慎重さ。宮川母の会連合会会長も「これは母の日に子供たちに贈るお母さんたちの最大のプレゼント」とほほえんでいた。

 ということで、引き続き「悪書」というと漫画・児童雑誌に限定したものではない感じです。むしろエロ本がメインかな?
 57年前は今の俺らみたいにエロ本を家庭に隠す場所もなく、性行為も子供に丸見え、おまけに子供もたくさんいる、という家庭環境があったりするので、今の認識で当時を判断・批判するのは難しいです。
  
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