ウディ・アレン監督『マッチポイント』で「伊達邦彦なら殺してた」というのを考える(ネタバレあり)

 伊達邦彦って知ってますよね? 大藪春彦の『野獣死すべし』その他の主人公。まあ、はっきり言ってミッキー・スピレーンの作中人物、マイク・ハマーの影響感じますけどね。全然知らない? 検索して!
 で、ウディ・アレンのひょっとしたら一番稼いだ映画(?)『マッチポイント』ってのを見たんですが。
あらすじ 解説 マッチポイント - goo 映画
 トップページはちょっとネタバレっぽくなってるんで注意。
 話の内容は、テニスコーチの主人公が、資産家の息子と親しくなり、妹と結婚して、兄の昔の恋人と浮気する、という、例によってウディ・アレンっぽい「浮気する話」だと思ったら、最後の30分が全然ウディ・アレンっぽくない! 通常のウディ・アレン監督映画作品より30分長い!
【以下ネタバレのため5行空白置きます】





 主人公、愛人を殺す前に、近隣のただのオバさん殺して、ヤク中強盗を見られたフリして、愛人殺しちゃう。ドストエフスキーというより、グレアム・グリーンとかパトリシア・ハイスミスの小説みたいですね。
 ただ、この主人公、映画の中では親族関係出て来ないし(多分)履歴とか超怪しすぎるんで、伊達邦彦(松田優作とかが演じてる奴ね)だったらどういう話になってたか、適当に話を考える。
テニスコートの支配人「履歴では、前のスポーツクラブをやめたことになってますが…」
主人公「というより、オーナーが代わって経営方針が変わったんですよ。そのオーナーは事故死したんで、今は別の人がオーナーですが」
資産家の息子「今日のコーチはいつもと違うんですね?」
主人公「どういうわけか、あなたのレギュラーのコーチが怪我をして、退院するまで私が担当することになりました」
資産家「あなたの両親や家族は?」
主人公「両親は交通事故で亡くなって、兄は…自殺しました
テニスプレイヤー時代の前の知り合い「どういうわけか、君って不戦勝多かったよね〜」→死ぬ
主人公「どういうわけか、我々のボスが転落死したので、代わりのボスが決まるまで、この会社の○○部門を代行する」
主人公「(日本の企業代表者に)契約がうまくいきそうで安心しました。正直なところ、前の担当はやりにくい方でしたが…あー、飛行機事故で亡くなった方をそういう風に言ってはよくないですね」
主人公「妻が服毒自殺!?
主人公「義兄が義姉と一緒にヨットクルーズで行方不明!?
主人公「義父が猟銃の暴発で亡くなった!?」
主人公「今日から私がこの会社のボスだ」
 …まさに「Anotherだったら死んでた」の代わりに「伊達邦彦だったら殺してた」状態。
 これに近い映画…多分あるんじゃないかな? 自信ないけど…。