『古本病のかかり方』『幕末の朝廷 若き孝明帝と鷹司関白』『オリエンタリズムとジェンダー 「蝶々夫人」の系譜』

本日の読みたい本・おすすめ版(2007年10月あたり)。

古本病のかかり方 (ちくま文庫)

古本病のかかり方 (ちくま文庫)

★『古本病のかかり方』(岡崎武志/著/筑摩書房/819円)【→amazon
大掃除や引越しの時に古新聞をつい読みふけってしまう。新刊本の洪水に飽き、ベストセラーはできれば買いたくない…そんな自覚症状のあるアナタはすでに「古本病」に感染している。危ない。著者はいかにして古本病にかかったのか。「河童本と蛙本、その正体」「夢に見る古本屋のある町」「わたしの京都青春古本地図」「作家のアルバイト本」…読了するとあなたも立派な古本病患者になれる。
幕末の朝廷―若き孝明帝と鷹司関白 (中公叢書)

幕末の朝廷―若き孝明帝と鷹司関白 (中公叢書)

★『幕末の朝廷 若き孝明帝と鷹司関白』(家近良樹/著/中央公論新社/1,890円)【→amazon
孝明天皇といえば、近年の研究では、朝廷の実権を握る摂関家や、開国を迫る幕府に、敢然と立ち向かった豪胆な性格の人物とされる。しかし史料から浮かび上がるのは、周囲への配慮と優しさをみせ、重大な決断を迫られて苦悩する姿である。孝明天皇の実像とは?なぜ岩倉具視ら中下層公家集団が発言力を持つようになったのか?本書では、考明天皇や関白鷹司政通らの動向を中心に、公家社会の実態に迫り、幕末史の新たな視点を示す。 ★『オリエンタリズムジェンダー蝶々夫人」の系譜』(小川さくえ/著/法政大学出版局/2,310円)【→amazon
西欧における日本女性のイメージはいかにして形成されたか―。ロティの『お菊さん』、ロング、ベラスコ、プッチーニの『蝶々夫人』を、サイードが指摘する「再構成と繰り返し」の過程として読み直し、レーヴェン『バタフライ』における自己相対化の手法、ウォン『M・バタフライ』における異性装のパフォーマンスにジェンダーの本質と模倣の構造を探る。