NHK放送総局長、朝日新聞の検証記事を強く批判(読売新聞)

NHK放送総局長、朝日新聞の検証記事を強く批判(読売新聞)

NHKの原田豊彦・放送総局長は25日、朝日新聞の検証記事について記者会見し、「検証記事であるにもかかわらず、全体としては、当初の思い込みから抜け出ていない。きわめて遺憾」などと強く批判した。
会見で原田総局長はまず、「政治家からどのような圧力があり、それによって番組がどう改変されたのかという記事の根幹部分を補強する新たな事実の提示がない」と指摘。
さらに「取材のきっかけになった番組担当デスクの内部告発の内容自体、伝聞に基づいたものに過ぎない。そもそもの出発点からしてあやふや」「(当時の放送総局長ら)3人の証言者は記事内容を否定しており、記事は根拠を失っている。今回の記事も、政治的圧力を裏付ける具体的事実が見当たらず、到底理解できない」などと批判した。
原田総局長は、「NHKが政治家からの圧力によって番組を改変したことはこれまでもなく、これからもない。このままでは視聴者の間に誤解が広がってしまう」と述べた。
NHKでは同日午後7時からの「ニュース7」などで、朝日新聞の検証記事掲載とNHK側記者会見の模様などを報じた。
◆番組改変報道問題=NHKは2001年1月30日、従軍慰安婦問題の責任を追及した民間団体による模擬裁判を取り上げた戦争特集番組を放送。これについて、朝日新聞が今年1月12日の朝刊で「政治的圧力で番組が改変された」と報じた。NHKは全面否定。取材を受けたNHKの松尾元放送総局長、安倍、中川両氏も「政治介入はない」などと否定し、朝日新聞とNHKのメディア同士で対立が続いている。
(2005年7月25日21時8分 読売新聞)