高峰三枝子と木暮実千代

この二人って同じ年の生まれで、片方はお嬢様で片方はインテリくずれ。木暮実千代もまぁ戦前の日大に通ったそうなんで家そのものは貧乏じゃないですが。最近読んだテキストで、『神楽坂ホン書き旅館』(黒川鍾信、日本放送出版協会)(→bk1)(→amazon)(→書籍データ)というのがあって、その旅館を経営していたのが木暮実千代の妹だったんで、姉の話は当然出てくる。面白いエピソードは、木暮は万事にルーズな性格で、田園調布に豪邸をかまえていたときでも、普段着と同じ格好で買い物に行こうとする。そうすると妹は「そんな格好で高峰(三枝子)さんにお会いしたらどうでしょう」って言うんだって(当然高峰三枝子も田園調布に家がある)。すると木暮実千代、一瞬怖い顔をして、ものすごい正装(和服の正装)に着替え直す、という話。
そんな二人が同じ映画で競作したのが、「自由学校」。共演(競演)したのが「純情二重奏」。ちょっと見たいですよね。『ガラスの仮面』の北島マヤ姫川亜弓みたいだ。
しかし俺が考えたこの二人の話(物語)、冒頭は大学の受験に「遅刻遅刻〜」とあわてて食パンをくわえながら自分の家を飛び出して都電の乗り場へ向かう木暮実千代(セーラー服)のワキを、高級乗用車が追い越していく。中は新作映画の台本をブツブツと暗記している高峰三枝子。泥をひっかけられる木暮。
木「何しやがんでぇ! このすっとこどっこい!」
少し萌え。美内すずえ先生の絵で見てみたいです。アニメだと庵野監督の絵もいいな。
ちなみに木暮実千代は本当に明大は受験に遅刻して不合格だったらしいです。