その後の「産経抄」

↓2003年8月30日づけ


 再びジェンダーフリーの問題でご報告する。こんどは一転、小欄を支持するというメールや手紙をたくさん頂戴した。ありがとうございます。その中で電話で情報を寄せた女性が、二十四日になって急にメールが殺到したわけを次のように解いてくれた。
 ▼埼玉県嵐山町に国立の「女性教育会館」という施設がある。八月二十二日から二十四日まで同館主催で「女性ジェンダー研究フォーラム」が開かれ、全国から千八百人が参加した。電話の女性もその一人で、そこで“けしからんマスコミ”の問題も討議されたという。

 ▼なるほど、それでなぞが解けたという気がした。また、反響の中に「行き過ぎたジェンダーフリー」という小欄の表現はおかしいというご批判があった。性差を全否定する日本のジェンダーフリーは、それ自体がすでに百パーセント誤ったカルト思想であり、この言葉は“重言”であるそうだ。

 ▼ところで、同性愛者と名乗る匿名の男性の訴えには胸にしみるものを感じた。いまの同性愛者のささやかな運動が、ジェンダーフリーを追求する過激なフェミニズム活動家たちの主張と混同され、困っているという訴えである。

 ▼フェミニズムが目指しているのは「家族の解体」である。それに対しごく普通の同性愛者が求めているものは、普通の家庭と同じようにパートナー同士が愛し合い、尊敬し合う関係を公に認知してもらいたいということである、と。

 ▼この人はフランスで暮らしたそうだが、欧米では街角で同性愛者が殺される事件が後を絶たない。それに比べ日本は恵まれている。権利だ差別反対だとヒステリックにならないのは日本の社会が寛容だからだ、とこの人は感謝していた。そういう意見もあることをご紹介した。

記事にあります「女性ジェンダー研究フォーラム」というのはどうも正式名称としては「女性学・ジェンダー研究フォーラム」というみたいです。
↓ワークショップの内容はこちら(pdf形式ファイル)
http://www.nwec.go.jp/invite/point/common/page41-4.pdf
↓それがおこなわれた「国立(こくりつ)女性教育会館」のサイトはこちら
http://www.nwec.go.jp/
独立行政法人のようです。