ハンセン病(続き)

ハンセン病元患者宿泊拒否 ホテル側「当然の判断」 経営者会見(産経新聞
http://www.sankei.co.jp/news/031202/morning/02na1003.htm


 熊本県・黒川温泉の「アイレディース宮殿黒川温泉ホテル」がハンセン病元患者の宿泊を拒否した問題で、同ホテルを経営するアイスター(東京)の江口忠雄社長は一日、同ホテルで会見し、「宿泊拒否はホテル業として当然の判断。宿泊予定者がハンセン病元患者であることを直前までひた隠しにした熊本県に責任がある」とホテル側の責任を明確に否定した。
 江口社長はハンセン病について認識不足だったことは認めつつも、「まだまだ一般的に認識されていない。県が発行する啓発パンフレットも見たことがなかった」と県の活動の不十分さを批判した。

 また、前社長の西山栄一氏が健康上の理由で十一月二十八日付で退任し、江口氏が新社長に就任したことも発表したが、引責辞任ではないことを強調した。

 これに対し、元患者の宿泊を依頼した熊本県健康づくり推進課の東明正課長は「宿泊予定者がハンセン病元患者であることを、予約時にわざわざ説明する必要は全くない。そうした説明が必要だと考える発想自体が、偏見に基づいているのではないか。元患者は治癒しており、感染の恐れはない」と反論した。

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≪「とんでもない発言」 法務省担当者ら強い憤り≫

 アイスターの江口社長が「宿泊拒否は当然」と述べたことに対し、法務省厚生労働省は「とんでもない発言だ」と強い憤りを示した。

 法務省人権擁護局は、熊本地方法務局が是正を勧告した際に総支配人が「厳粛に受け止める」と述べていたことを挙げ、「それを真っ向から否定する発言をしたことは、反省の態度がうわべだけだったことを意味する」と批判。「総支配人の判断で宿泊拒否したと主張していたが、会社ぐるみの組織的な行為と受け止めざるを得なくなる」と、厳しい姿勢で臨む考えを示した。

 また、江口社長が熊本県の責任を指摘した点に対しては、厚労省の担当者が「県の対処は適切で、毅然(きぜん)とした態度を省として支持している。宿泊拒否自体が極めて遺憾だ」と強く批判した。

「宿泊予定者がハンセン病元患者であることを、予約時にわざわざ説明する必要は全くない」という熊本県健康づくり推進課の東明正課長の意見に関する、俺の意見は前の日記で述べた通りです(http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20031126#p1およびhttp://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20031127#p1)。俺は、予約時にハンセン病の元患者であることを告げなかった熊本県や、それを理由に宿泊拒否したホテル以外に、「告げたら『満室』という理由で断った他のホテル」があるような気がして仕方がないのですが…もしそれがあったとしたら、県や問題になっているホテルよりもさらに悪い(が、合法的。合法的であるが故にさらに悪い)存在ということになりそうです。
↓ネットではさらにこんな意見も(◆CRASH&BUILD◆2003年12月2日)
http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Miyuki/4217/

熊本県ハンセン病患者の弁護団が「ホテルは啓発の責任を県や社会に押し付けて責任転嫁している」って批判してたけど、なんで民間がしなきゃいけないのかわからない。今まで誤った政策をとってハンセン病に対する誤った認識を植えつけたのは行政なんだから、啓発する義務は県にあるんでさ、県が民間業者を非難することこそ責任転嫁じゃねえか。ホテルは客を啓蒙する義務はないんでさ、ハンセン病患者を受け入れることによって一般客に逃げられたら経営が成り立たないんでね、敬遠するのは経営上しょうがないじゃないか。行政が一般客の啓発を怠っているくせに、ツケだけ民間に押し付けて集団リンチするなんてとんでもねえよ。県はホテルを批判する前にまず、お前らが市民の啓発しろっての。