福野礼一郎というのは何者なのかという話(リスペクト)

まぁ、世間的には自動車評論家(ライター)ということになってますが、『またまた自動車ロン』(福野礼一郎双葉社)(→bk1)(→amazon)(→書籍データ)を読んだら、その論とメカニック(工学)的な分析に驚愕。車のことはくわしくないんで、車種とか出されてもわからない部分が多いんですが、たとえばこんなテキストはどうでしょう。P17。

 アルミ構造は主として航空機の分野で発達し多用されているが、飛行機とクルマの設計条件の最大の違いは前者が衝突を想定していないことである。アルミ構造体は剛性同等なら構造体としての弾性変形率が小さく、つまり同じ衝突エネルギーが加われば鋼構造体より塑性変形(=永久変形しやすい)。またアルミには弾性変形域から塑性変形域に入るときのはっきりとした節目(降伏点現象)が存在しないから、いったん塑性変形してしまった部材を元通りに修復するのは非常に難しい。いかに設計を工夫しようともこれは逃れることのできないアルミの宿命である。
 ともかくモデナ(引用者注・クルマの車種)を買ったら決してぶつけないことだ。万一ぶつけたら直そうなどと考えず、とっととスクラップにしてリサイクルに貢献したほうがいい。

こんなワクワクするテキストが満載です。
クルマの話は俺のダイアリー読んでいる人と相性合わないような気がするんで、明日は同じ本から「戦車」と「銃」に関するテキスト(蘊蓄テキスト)を引用してみます。
俺の守備範囲でないところにいる、世間的には有名かもしれないけど、俺が今までまったく知らなかったすごい人のテキストに出会う、という経験は最近はしょっちゅうです。
↓以下に続きます
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20041003#p1