日弁連まで嘘書いてる「外国人の人権基本法」など

以下のサイトから。
↓酔夢ing voice・2004年10月7日
http://www4.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=401628&log=20041007

じつは熊本で今日から日弁連人権擁護大会が始まるという報道がある。8日に採択予定の大会宣言で、法制定や外国人差別撤廃に向けた施策を国や自治体に求める見通しという事だ。

以下の記事(報道)へ。
↓外国人の人権基本法を 日弁連大会で試案公表へ(くまにち.コム)
http://kumanichi.com/news/kyodo/social/200410/20041003000127.htm

 国内の外国人を管理の対象として扱う現行制度を改め、各地で相次ぐ差別をなくすきっかけにしようと、弁護士のグループが「外国人および民族的少数者の人権基本法案」の試案を作成、7日から宮崎市で始まる日弁連人権擁護大会で公表する。

 日弁連は8日に採択予定の大会宣言で、法制定や外国人差別撤廃に向けた施策を国や自治体に求める見通しだ。

 作成したのは、この大会で差別の現状や多民族が共生する社会の在り方を話し合う第1分科会の実行委員会(弁護士38人)。

 試案では、民族教育や母語教育のほか、地方参政権などを保障。安定した在留資格や十分な社会保障、差別禁止の施策の必要性も盛り込む。

ちょっとその「試案」を見てみたくて、日弁連のサイトを覗いてみる。
日弁連
http://www.nichibenren.or.jp/index.html
残念ながらまだ試案そのものはみつからなかったので、大会の内容などが記されているところへ
↓第47回人権擁護大会・シンポジウム
http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/katsudo/gyouji_jinken.html
↓第1分科会・「多民族・多文化の共生する社会をめざして」 ―外国人の人権基本法を制定しよう―
http://www.nichibenren.or.jp/jp/katsudo/katsudo/gyouji_jinken_a.html#bunkakai1

・今こそ、外国人の人権基本法が必要
日本は1995年に国連の人種差別撤廃条約に加入し、その他の国際人権諸条約も批准しています。ところが、日本政府は、国連人種差別撤廃委員会から人種差別禁止法制定を要請されていながら、現在まで制定していません。日本には外国人の基本的人権保障を明記した法律すらないのです。

(太字は引用者=俺)
この「国連人種差別撤廃委員会から人種差別禁止法制定を要請され」たというのは初耳だったので、外務省のサイトなどを覗いてみる。
見つかったのはこんな奴。
↓人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する最終見解に対する日本政府の意見の提出
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/iken.html

5.「最終見解」パラ10について
(1) 第4条及び第5条に関して、まず、第4条の(a)及び(b)については、処罰立法することを義務づけているが、以下6.で述べるように、わが国は憲法と抵触しない限度において第4条の義務を履行する旨留保を付している。第4条(c)については、締約国がとるべき具体的な措置について何ら規定されていないことから、各締約国の合理的な裁量に委ねられているものと解される。また、第5条においてはその柱書に「条約第2条に定める基本的義務に従い...」とあり、第2条の定める義務の範囲を超えるものではないと解されるが、一方、第2条1では、すべての適当な方法によりと規定されていることから明らかなように、立法措置は、状況により必要とされ、かつ立法することが適当と締約国が判断した場合に講じることが求められていると解される。我が国の現状が、既存の法制度では差別行為を効果的に抑制することができず、かつ、立法以外の措置によってもそれを行うことができないほど明白な人種差別行為が行われている状況にあるとは認識しておらず、人種差別禁止法等の立法措置が必要であるとは考えていない

(太字は引用者=俺)
要するに、現状では「人種差別禁止法等の立法措置」は不要だ、という政府の判断ですね。
↓で、「人種差別撤廃委員会の日本政府報告審査に関する最終見解」はこちら(仮訳)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/jinshu/saishu.html
「パラ10」だけ掲載してみます。

10.委員会は、本条約に関連する締約国の法律の規定が、憲法第14条のみであることを懸念する。本条約が自動執行力を持っていないという事実を考慮すれば、委員会は、特に本条約第4条及び第5条に適合するような、人種差別を非合法化する特定の法律を制定することが必要であると信じる

(太字は引用者=俺)
「必要であると信じる」? これは「要請」ではないと思うんですが。要請なら「人種差別を非合法化する特定の法律を制定することを要請する」でしょう。
で、気になる全文の英語テキストは以下のところにあります。
↓Concluding Observations of the Committee on the Elimination of Racial Discrimination:Japan
http://www.imadr.org/geneva/cerd.2001.japan.html

10. The Committee is concerned that the only provision in the legislation of the State party relevant to the Convention is article 14 of the Constitution. Taking into account the fact that the Convention is not self-executory, the Committee believes it necessary to specific legislation to outlaw racial discrimination, in particular in conformity with the provisions of articles 4 and 5 of the Convention.

(太字は引用者=俺)
英文でも同じようなニュアンスでしょうか。
国連人種差別撤廃委員会という組織そのものは、そんなに強制力を持った見解を出せないところなので、日弁連が「要請」という表現を使ったのを見て、少しほじくり返してみましたが、やはり言ってないじゃん、と納得した次第。
こうなると、法律にくわしいかたがたのサイトでも、自分らの都合のいいように事実を少しねじまげてないかい、と懐疑的になってしまいます。
国連人種差別撤廃委員会は日本国政府に対し人種差別禁止法制定を「要請」していません
通常の英語で「要請」はrequest(「要求」だったらdemandあるいはcall)じゃないでしょうか。