誤解を招きそうなマスコミの情報提供に「釣られるか」と思っている人が多いので安心した、「性犯罪者の再犯率」

女児暴行の2割が再び性犯罪(読売新聞)

 奈良市の小1女児誘拐殺人事件を受け、子ども対象の性犯罪の再犯の実態を調べていた警察庁は4日、調査結果を公表した。

 1997年までの16年間に摘発された「女児対象強姦(ごうかん)事件」の容疑者506人のうち、昨年6月末までに強姦や強制わいせつ容疑で再び摘発されたのは103人で、全体の20・4%を占めた。

 また、2回以上の前歴がある容疑者の再犯者率は、前歴が1度しかない容疑者の2・5倍に上る35・4%だった。

 同庁は、「性犯罪の再犯防止には前歴者の動向把握が重要」(生活安全局)として、今年6月から、子ども(13歳未満)を対象にした「暴力的性犯罪」(強姦、強盗強姦、強制わいせつ、わいせつ目的誘拐)に限り、出所者の帰住予定地などの提供を法務省から受け、居住地の確認などに役立てるとしている。

 同庁の科学警察研究所は、82―97年に摘発した女児(13歳未満)対象強姦事件の容疑者527人のうち、死亡や行方不明の21人を除く506人の昨年6月末までの状況を追跡調査した。強姦や強制わいせつで摘発された103人の内訳は強姦が47人、強制わいせつが76人で、両容疑で摘発された容疑者も20人いた。半数近い47人は、13歳未満の子どもを再び襲っていた。

 また、暴力的性犯罪の前歴を2回以上持つ容疑者144人の場合、35・4%(51人)が再び強姦または強制わいせつで摘発されていたのに対し、1度しか前歴のない容疑者の再犯者率は14・4%で、再犯性の高さを統計的にも裏付けた。

 一方、全国の警察が昨年、子どもを対象にした暴力的性犯罪で摘発した466人を見ると、同種の前歴を持っていた容疑者は15・9%(74人)で、傷害(20・4%)や窃盗(19・0%)を下回った。ただ、過去に何らかの犯歴のある193人に限れば、同種前歴の容疑者は38・3%を占めた。

(2005/3/4/12:57 読売新聞 無断転載禁止)

↓これについては、以下のサイトなど。
感情論はデータすらも捏造す(←バーチャルネット思想アイドルやえ十四歳)

 なんとかかんとか、性犯罪者の再犯率を高く見せるカラクリを、かなり卑怯な手で、しかも過去16年間という長いスパンで出された数字を使って出したのに、一番最新の数字を見てみると、記者の思惑には見事に答えてくれず、傷害や窃盗よりも大幅に再犯率が下回ってしまっているという皮肉な結果が出てしまっているのだ。

↓あとは、以下のところから、ブログつながりであれこれ見ているといいかも。
児童小銃
少し検証する時間がないのですが、この「報道」に対するネット者(複数)の、冷静というかクールな判断・分析は面白いです。
ネットやってない人は「新聞の報道によると…とのことである。おそろしいことである」なんて論の展開になっちゃうんだろうな。
ただ、この「データの捏造」に関しては、警察庁が意図的にやったのか、新聞が誤読したのかは不明です。警察庁がやったものなら、「警察庁、性犯罪データを操作」みたいな形で、公権力を監視するのがマスコミ(ジャーナリズム)のお仕事、と考えている人は、もっと問題にすればいいと思うんですが、なんか、こういうのに関しては公権力の流す情報をそのまま流しているだけ、みたいな印象も受けてしまいます。