「新聞や既成のマスコミが、インターネット・ブログ文化に対抗する3つの方法」に関する反響の感想

↓これは、以下の日記の続きです。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050323#p1

新聞や既成のマスコミが、インターネット・ブログ文化に対抗する3つの方法」というのに、いろいろ刺激的なトラックバックとかをいくつかいただいたので、それぞれに少し言及してみます。どうもありがとうございます。
 
署名記事でも無署名記事でも求められる「責任」(←不可視型探照灯)

署名記事を「一つの責任の持ち方」だと主張される方は、署名記事に対する「責任放棄」を行うこの2人の記者のふるまいをどう考えるのだろうか。また、その署名記事であろうがなかろうが、最終的な責任所在を持つ朝日新聞社の「責任放棄」のような姿勢を、どのように捉えるのだろうか。

あの記事が署名記事でなかったら、「朝日新聞捏造記事事件」はさらにもっといろいろすごいことになっていたのでは、と思いました。「記者の名前を出せ」「個人情報は教えられない」みたいな。まぁ今後、あの記事を書いたお二人がどのような記事を書くか、に関する注目度はとても高くなりました(俺的には)が、果たして次にそのようなチャンスがあるかどうかは疑問です。
欧米とかの場合に、記者が実名で記事を書くのは、責任の所在を明確にすると同時に、地方紙から飛躍して有名どころのメディアで書いたり発言する、というキャリア・アップのためにやっている要素もあるような気がします。逆にいうと、とんでもない記事を書いたためにキャリア・ダウンどころか今までのキャリアがご破算になってしまう可能性もあるわけですが。日本の場合は、すごい記事を書いてもへっぽこな記事を書いても、直接記者の責任にかかわることが少ない、というのは、確かにダメ記者を増やす要因になっているかもしれません。
ダメ記者を駆逐する、というよりは、良質な記者を育てる(拾い上げる)という意味では、漫画雑誌などがやっている「アンケート方式」というのが、手としては考えられますか。読者が面白いとか刺激的だとか思った記事について、「この記事が支持されてる」と、送り手側にわかるようなやりかたですね。たとえば、漫画雑誌の編集者の名前はほとんど世の中に知られていませんが、多分すごい漫画を世の中に出した(プロデュースした)編集者は、その雑誌の中でいい仕事がよりできるような仕組みになっていると思います。
 
マスコミがインターネット・ブログ文化に対抗する4つ目の方法(←Irregular Expression)

最後になったが愛蔵太氏が提唱する「新聞や既成のマスコミが、インターネット・ブログ文化に対抗する3つの方法」にオレが一つ付け加えるとすれば、新聞社のWEBサイトは記事一つ一つをblogのエントリーみたいにして、記事内容としては起こった事や発言をそのまま掲載、後はコメントやトラックバックを付けて事実に対する見解や解説は読者にやらせる、もうサヨ・ウヨ関係無く。

確かにそれだと、2ちゃんねるのニュース系の板と変わらない感じになっちゃいますね。どれだけ煽れる記事を書けるか、が記者の評価につながっていきそうな感じも。
本筋とは関係ないところでつけ加えると、実は「広告媒体」としての新聞の地位も、現在ものすごく低下しています。たとえば求人や出版物の宣伝としては、「新聞を見て・読んで」という人がどんどん減っていて、特にここ何年で、大学新卒の社員募集は自社ホームページの中でおこなう(それ以外の媒体を利用しない)というところが増えている、という話です。こういう、情報のフリーペーパー化については、また別のテキスト(エントリー)でも語ってみたいところですが…。
 
情報拡張法(制心権)(←誰が監視者を監視するのだろうか?)

・情報公開法
それらへのアクセス、記者クラブ廃止、知る権利の行使、質問する権利。
関連する法律には 「行政機関の保有する情報の公開に関する法律」があります。
http://www.soumu.go.jp/gyoukan/kanri/gh003.htm

ACCESS TO INFORMATION
情報へのアクセス
情報を与えないことは、もちろん検閲のひとつの形である。何も知らない一般国民は、自由に不正を批判したり非難したりすることができない。〜ジョン・モーティマー〜(表現の自由と検閲を知るための事典)

俺のお気に入りの一文です。

その言葉は、俺も気に入りました。情報を選択して提供する、というのは、記者とか編集者の基本的な仕事だとは思いますが、その「選択」に関しては、もう少しイデオロギーや主張とは違った部分での「市場原理」が働く部分があってもいいと思います。ちょっとそういう意味では、ホリエモンが言っていることに賛成する部分もあります。全面的に賛成できないのは、完全に市場原理にまかせてしまうと、提供する情報が「エロ」と「金儲け」のネタばかりになってしまうわけで、それはアクセスランキングを公表しているブログ系プロバイダのランキングを見ればお分かりの通りです。「はてなダイアリー」がランキングにこだわらない運営をしているのは、ユーザーにとっては少し不便な部分もありますが、ある種賢明かな、とも。
 
ブログの現状をマジメに考えてみた(←音極道茶室)

基本的に全く同意なんですが、これって結局『対抗』するんじゃなくって既存マスコミのサイトが『ブログ化』するってことじゃないかな、とちょっと思った。
というかそういう動きは既に始まっていて、CNET JAPANでは(おそらく全ての)記事にはパーマリンクがあってトラックバックを受け付けている。つまりサイト全体がブログ化している。この流れがニュースサイト全体の主流になれば素晴らしいと思う。

↓「CNET JAPAN」のサイトはこちらです
CNET JAPAN
神奈川新聞(カナロコ)が、今は完全にブログ化してますね。コメントもトラックバックもオーケーみたいです。コメントは会員にならないと駄目だったかな。ローカルな新聞なので、全国的なニュースはそんなに賑わってはいない様子ですが、地方紙の、地方に関するニュースとか情報交換には有効かも。
カナロコ
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