別に捏造とか詐欺しなくても、とテレビの報道について思った

普段はテレビをほとんど見ない生活をしているので(テレビの流す情報は、あまりにも刹那的なので)、こんな面白いことがあったとは知らなかったです。
TBS 筑紫哲也のNEWS23で世論調査捏造疑惑(Irregular Expression)
NEWS23筑紫哲也は日本のダンラザーになりたいのか?(Irregular Expression)
NEWS23がやったのは捏造ではなく詐欺でした(Irregular Expression)
TBS・News23「ネット時代のジャーナリズム論 」(1)−紹介された「調査結果グラフ」に突っ込みを入れる(不可視型探照灯
TBS・News23「ネット時代のジャーナリズム論 」(2)−存在しない発言で叩く旧来手法(不可視型探照灯
TBS・News23「ネット時代のジャーナリズム論 」(3)−偏った「フィルタリング」が問題となる(不可視型探照灯
メモ:堀江氏が「調査報道なんかいらない」と言ったのは本当か・追記篇(不可視型探照灯
メモ:米国における主要な機関への信頼度調査(不可視型探照灯
細かなことは各エントリーを見てもらうということにして、要するに、2005年11月23日に放映された「NEWS23」の特集「ネット時代のジャーナリズム論」において、以下の2つの「事実」に対して、いささか偏向・歪曲した報道をした、という件ですか。
1・堀江貴文社長が3月4日、毎日新聞のインタビューに応じて言ったこと
2・2005年5月のギャラップ社の世論調査
1の件と似たようなものについては、俺も前に別の奴を挙げたことがあるわけで、
ナベツネの「たかが選手」発言はどのようにして出てきたのか
共同通信にダマされてこんなコメントをしてしまった武部幹事長ですが
誰かが「○○は××と言っていますが」と言った際には、必ずそれは本当なのかウラを取ってから、同意・反論すべきである、という基本が、このテレビに出ていた人たち(ジャーナリスト)にはできていない印象を受けました。堀江貴文氏の発言を肯定・否定、あるいは同意・反論するのは、それからあとの問題でしょう。そんなのはコミケの大手同人誌製作者でも基本。「○○さん、あんたの悪口言ってたよ」「あはは〜、それは噂だよね」でおしまいのネタを、ジャーナリスト3人が真顔で取り上げるとは、とんだ茶番であります。
2の「ギャラップ社の世論調査」は、
1・これがそもそも「メディアに対する(信頼度)の世論調査」ではないこと
2・その調査の区分(5段階)を信頼する・信頼しないの2つに強引に分けたこと
3・マスコミに対する「信頼度」を語るための素材なのに、信頼度が低下するようなやりかたをしてしまったこと
ということで、かなり現在のマスコミのダメダメ度を象徴しているような気がします。
別に普通に、独自の調査で「新聞・雑誌・テレビ・インターネットのどの情報を信頼するか」というアンケートでも取ったら、圧倒的に「インターネット以外の情報を信頼する」、という結果になると思うんですが。というか、そもそも「特定メディア」を信頼する・しない、という設問にも疑問があるわけで、俺の場合はインターネットで流れている情報の8割ぐらいは信頼してませんが、政府や特定機関が提供している情報は、調査の方法も含めたその是非はともかくとして「マスコミによって歪まされていない情報」ということで、元ソースとしては100%信頼しています。
マスコミが信頼されていないとするなら、それは「情報を正確に伝えていない」からで、その原因は新聞の場合ならスペース、テレビの場合なら放映時間(タイム)という制約があるからでしょうか。
テレビや新聞が言ったり書いたりしていることだから本当だ、と思う人はけっこう多いみたいですが、俺の日記を見ている人はすでに十分すぎるほどご存知の通り、都合のいいように元情報を切り張りして歪ませている部分はけっこうあります。
メディア検証をやっているサイトは、別に俺が最初にはじめたわけではありませんし、俺以外のサイトでも最近はけっこう増えているようなので、何かマスコミが怪しいようなことを言ったり書いたりした場合には、インターネットを利用できる人はそういうサイトを確認した上で、必ず元ソースを見るようにしてみてください。
そうすると次からは、まず最初に元ソースを探してみるようになると思います。
 
(追記)
こちらのほうでも話題になっていました。
ガ島通信:news23虚報疑惑=筑紫哲也はダンラザーになってしまうのか?

ネット上ではnews23筑紫キャスターの責任を問う声が大きいようですが、このリポートはニューヨーク支局の松原耕二記者(著書「勝者もなく、敗者もなく」、ほぼ日刊イトイ新聞にも連載あり)によるもので、その日に放送される内容のデータ一つ一つまですべてキャスターである筑紫氏が「裏取り」することは現実的に不可能です。もし虚報だとすれば、松原記者に第一の責任があると言えるでしょう、そして次はデスクになります(テレビの編集チェックシステムがどうなっていうるのか知りませんので、新聞社で言うデスクにあたる人)。

ただまぁ、番組として謝罪するとしたら、中央に座るのは筑紫キャスターになるんじゃないかとは思いますが。