2007年01月に出た読みたい本

 2007年01月に出た読みたい本のリスト。
 02・03月の分も近いうちに整理します。



★『知の分類史 常識としての博物学』(久我勝利/著/中央公論新社/798円)【→bk1】【→amazon
分けるとは、すなわち知ること。では、古来、人々はどのように森羅万象を分類してきたのか? アリストテレスの『動物誌』やリンネ、ラマルク、フンボルト『コスモス』など、博物学の豊饒な成果。イシドルス『語源誌』、トマス・アクィナスやベーコン、そしてヘーゲル『エンチュクロペディー』まで至る百科全書の巨人たち、さらには、東洋の百科事典から図書分類、そして21世紀のIT時代の分類術……。有史以来、世界中で行われてきた分類の営みを辿りつつ、知の本質を問い直す。異色の世界史。

★『インド人はなぜゼロを見つけられたか』(門倉貴史/著/小学館/500円)【→bk1】【→amazon
新ビジネス大陸と、いまどきインド人の素顔 21世紀に入って急速な経済成長へ転じたインド。いまや世界有数のIT大国となり、投資対象やビジネス相手として注目を集めている。しかし、ほとんどの日本人がインドの現状とインド人の本質を理解していないのではないか。インド人はなぜ数字のゼロを発見できたのか? なぜ商売上手なのか? その謎は義務教育で九九を19×19まで暗記させることにあるのか? そして今、この国では何が起きているのか? この国の素顔に、気鋭のエコノミストが迫る!

★『日本の城・封印されたミステリー ガイドブックが書かない「秘められた歴史」』(平川陽一/著/PHP研究所/620円)【→bk1】【→amazon
外敵への備えとして、あるいは領主の威厳を示すものとして、中世から近世にかけて日本国中に建設された城。武士が権力の中枢にあった時代には、まさに動乱の歴史を象徴する建造物であり、城跡めぐりを趣味とするファンも数多い。しかし、城をとりまく歴史物語には、現代人の視点からは荒唐無稽と思われるような不思議な逸話もまた無数に残されている。怨みの井戸・化け猫伝説・開かずの間、そして落城悲話や人柱伝説に至るまで、城というスポットにそのような伝承が語り継がれるのはなぜなのか。そこに込められた過去から現在へのメッセージとは......。本書では、北海道から鹿児島までの55の城にスポットをあて、ガイドブックや歴史書が取り上げないようなエピソードを集めて、物語ふうの脚色を加えながら紹介してみた。読み物として楽しみながら、それぞれの逸話が伝えられた背景、当時の人たちの思いを感じ取っていただければ幸いである。文庫書き下ろし。

★『万年筆ミュージアム 歴史と文化に触れるモノ造り』(渡辺順司/写真・解説/丸善プラネット/3,990円)【→bk1】【→amazon
マーケティング的視点からは、稀有なマーケットとして映る万年筆。その万年筆の付加価値を歴史と文化、そしてモノ造りという観点から新たに捉え直す。最終章では、万年筆を超えて歴史と文化、そしてモノ造りのエッセンスへと言及していく。そこからは、従来万年筆マーケットが見落としていたものが見えてくる。さらには、マーケティングが忘れかけていたものが浮かび上がってくる。

★『タイアップの歌謡史』(速水健朗/著/洋泉社/819円)【→bk1】【→amazon
映画やドラマ、特定の企業や商品と提携して作られた歌〜タイアップソング。日本の戦後歌謡史は映画、ラジオ、CM、テレビドラマなどと結びついたタイアップソングの歴史でもあった。コカコーラのCMソング、レナウンの「ワンサカ娘」、資生堂のイメージソング、JALANAの沖縄観光キャンペーンソング、そして、テレビのトレンディドラマの主題歌など〜ポピュラーミュージックはさまざまな媒体と手を組んで数々の名曲、ヒット曲を世に送り込んできた。九〇年代には年間ヒットチャートの九割をタイアップソングが占めるまでに隆盛した、あの懐かしの歴史をいま振り返る。

★『異色と意外の科学者列伝』(佐藤文隆/著/岩波書店/1,260円)【→bk1】【→amazon
僧職にある人が天文学者、粉屋の主人が数学者、ガラス職人がドイツ精密機械工業の生みの親、気象学者が膨張宇宙論を唱えた、英国紳士の科学者が実はニュージーランド人…。歴史に名を残す科学者の伝記をひもとき、異色の人物や意外な人間ドラマを描く。ドイツと英国を対照させながら大学や研究所の歴史を辿ることで、現代の科学者がどこから来たのかも見えてくる。

★『楊貴妃になりたかった男たち 〈衣服の妖怪〉の文化誌』(武田雅哉/講談社/1,785円)【→bk1】【→amazon
男は女に 女は男に 中国人の奇妙な情熱 ヘンテコな服装は妖怪である。世が乱れ礼が失われた証拠である。だが周恩来も女装した。美少年もむくつけき大男も、中国の歴史は女装に身も心も捧げた男たちで満ちている。悠久の大陸を横断する奇妙な妖怪=服妖に見る、知られざる中国の素顔。

★『ぼくらが惚れた時代小説』(山本一力縄田一男児玉清/朝日新聞社/756円)【→bk1】【→amazon
松本清張に出会って時代小説にのめりこんだ山本一力、戦時中の少年時代から剣豪ものが大好きだった児玉清長州藩の祐筆の家柄で、純文学からエンターテイメントまで網羅する評論家・縄田一男。当代随一の読み手三人が、時代小説の魅力を語り尽くしたのが本書。吉川英治山本周五郎池波正太郎司馬遼太郎藤沢周平山田風太郎……作家と作品の魅力がぎっしり。それぞれのベスト3も掲載。

★『発掘!子どもの古本』(北原尚彦/筑摩書房/882円)【→bk1】【→amazon
古本の楽しみは大人の本だけではありません。子どものころ親しんだ児童書にはみんな思い出があるもの。あなたが読んだホームズや明智小五郎はは、じつはドイルや乱歩が書いたのではないことを知っていましたか? それは有名作家による大胆なリライト本。他にも色鮮やかな図鑑や絵本。コワーいさし絵が忘れられない怪奇物もありました。さらには企業のPR本など達人がコレクションを大公開。

★『モダンという時代 宗教と経済』(竹田純郎/著/法政大学出版局/2,835円)【→bk1】【→amazon
大正後期〜昭和初期、文明批評を中心に活躍した土田杏村(つちだ・きょうそん)は、農民運動や農村問題に目を向け、産業自治組織を提唱して信濃自由大学の設立・運営を支え、近代建築を学び、口語自由詩の運動にも関わった。内村鑑三北一輝吉野作造山村暮鳥ル・コルビュジェらをも論じ、モダンを生み動かした宗教と経済の論理、モダニズムのアンヴィバレンツを照射する。

★『名作写真と歩く、昭和の東京』(川本三郎/[編]著/平凡社/1,680円)【→bk1】【→amazon
「昭和」という激動の時代の中で、めまぐるしく変貌を遂げた東京の街。木村伊兵衛カルティエ=ブレッソン荒木経惟森山大道らの東京写真の名作と共に、今は亡き東京の街角を歩く。「読売ウイークリー」 (2003年4月20日号-2005年10月23日号) 連載『東京時空散歩』をもとに加筆・再構成したもの。

★『「アンアン」1970』(赤木洋一/著/平凡社/777円)【→bk1】【→amazon
1970年「アンアン」創刊! パリのエスプリ漂う新雑誌作りに、天才AD堀内誠一をはじめとする気鋭のクリエイターたちが大奮闘。ともに闘った編集者が描く、鉄火場的雑誌編集現場。

★『装束の日本史 平安貴族は何を着ていたのか』(近藤好和/著/平凡社/882円)【→bk1】【→amazon
平安朝と貴族社会を理解するために欠かすことのできない装束。和服の原点でもある装束について、下着、上着、被り物、装身具など、その形態と歴史を80点の図版と共に示す小百科。

★『食べる西洋美術史 「最後の晩餐」から読む』(宮下規久朗/著/光文社/924円)【→bk1】【→amazon
古来から食べることに貪欲であった西洋。中世、キリスト教により食事に神聖な意味が与えられると、食事の情景が美術の中心を占めるにいたった。それらの美術表現を振り返り、意味を考え、西洋美術史を別の角度から照らし出す。

★『明治の文化』(色川大吉/著/岩波書店/1,365円)【→bk1】【→amazon
異質な東西文明が真正面からぶつかり合った明治の日本は,世界の文明史上どんな位置をもつのか.西欧近代によってもたらされた諸要素の命運を見きわめることを通して,明治文化の実像に迫る.

★『徳川将軍家の演出力』(安藤優一郎/著/新潮社/714円)【→bk1】【→amazon
封建時代の圧政の象徴から暴れん坊まで、徳川将軍は様々イメージされてきたが、江戸時代の人々にとって、実際はどのような存在だったのか。大名は拝謁儀礼、御成、鷹狩り、拝領と献上などのチャンスを使って、将軍との親密さをアピールするとともに家格の向上を図り、町人は町入能で将軍に「成田屋」と声をかけ、「ありがたく」も「勿体ない」存在として誇った。御威光の巧みな演出法にみる葵のブランド戦略。

★『世界屠畜紀行』(内沢旬子/著/解放出版社/2,310円)【→bk1】【→amazon
「食べるために動物を殺すことを可哀相と思ったり、屠畜に従事する人を残酷と感じる文化は、日本だけなの?」屠畜という営みへの情熱を胸に、アメリカ、インド海外数カ国を回り、屠畜現場をスケッチ!! 国内では東京の芝浦屠場と沖縄をルポ。「動物が肉になるまで」の工程を緻密なイラストで描く。

★『書評家〈狐〉の読書遺産』(山村修/著/文芸春秋/777円)【→bk1】【→amazon
志ん朝の落語』からブルーノートまで。『龍馬の手紙』からコナン・ドイルまで。名著を味わい尽くして逝った読書人<狐>の読書遺言。

★『つい人に話したくなる英語のおもしろ雑学200連発!』(イングリッシュ倶楽部/編/河出書房新社/540円)【→bk1】【→amazon
英語では電話番号はどう読めばいい? 英語にも「〜よね」「〜だわ」のような女性言葉はあるの? チアガールの「チア」ってどういう意味?……など、楽しみながらたちまち賢くなれる最強の英語博学本!

★『読書会』(山田正紀/著 恩田陸/著 笠井潔/ゲスト参加 萩尾望都/ゲスト参加/徳間書店/1,575円)【→bk1】【→amazon
エンターテインメント小説界の最先端を常に走り続ける大ベテランと、今をときめく超人気作家が、古今東西の名作SFを読み解く。

★『平安京のニオイ』(安田政彦/著/吉川弘文館/1,785円)【→bk1】【→amazon
藤原道長が栄華を誇った時代。都ではどのようなニオイがしたのか。優美で華やかなイメージの平安京も、排泄・廃棄物・動物・死など、暮らしと切り離せないさまざまなニオイが存在した。『今昔物語集』を中心に、これまで注目されなかった平安京の日常的なニオイを再現。一方で、薫香(くんこう)の文化を芸術にまで昇華させた、平安貴族の心性を浮き彫りにする。

★『読売新聞で読む明治 昔をたずねて今を知る』(出久根達郎/著/中央公論新社/940円)【→bk1】【→amazon
いつの時代も新聞の記事は世相を反映している。明治の読売新聞から興味深い記事を紹介し、解説を加えることによって、明治という大きな変化の時代を辿る。

★『私説放送史 「巨大メディア」の礎を築いた人と熱情』(大山勝美/著/講談社/1,995円)【→bk1】【→amazon
巨大化した「放送メディア」黎明期の群像! 大正14年のラジオ実験放送、玉音放送GHQ支配下の放送、民放ラジオ開局(昭和26年)、テレビ本放送(昭和28年)を経て現代へ。放送のはじまり以来、さまざまな人たちが苦しみと喜びを抱いて、この仕事に賭けてきた! 1925(大正14)年、どんな人たちが、どのように夢と野望を抱いて、当時ニューメディアの放送に取り組んでいったのか。不安や障害、トラブルはどのようなものがあったのだろうか。当時の世界の情勢は?次々に心の中にわきあがってくる関心や疑問の答えを探る形で、調査や取材をすすめていった。心がけたことの第一は、現場の人間くさいエピソードを中心に、なるべく大勢の人たちの多面的な“動きと思い”を取り上げようとしたことだ。放送は少人数ではなしえない。発想の出発は個人であっても、数多くの人が協力し、案を練り、チーム・組織として番組をつくりあげ、発信している。集団的クリエイティブ活動だから、その濃い空気を伝えたかった。創業期の混乱、熱気、苦悩、興奮、歓喜をできるだけヴィヴィッドに描きたいと思った。

★『名探偵はなぜ時代から逃れられないのか』(法月綸太郎/著/講談社/2,100円)【→bk1】【→amazon
戦後から現在までの日本ミステリーを縦横無尽 明晰な論理で語られた、至高の評論集 ●挑発する皮膚島田荘司論 ●日付は亡霊である(『鏡の中は日曜日殊能将之) ●誘拐という名のゲーム(『さらわれたい女』歌野晶午) ●誘拐ミステリ三番勝負! ほか

★『ビートルズ売り出し中! PRマンが見た4人の素顔』(トニー・バーロウ/著 高見展/訳 中村明子/訳 越膳こずえ/訳 及川和恵/訳/河出書房新社/2,520円)【→bk1】【→amazon
ジョン、ポール、ジョージ、リンゴと60年代を駆け抜けた男の回想録。著者だけが知る4人のすべて。ビートルズ神話の舞台裏がついに明かされる。

★『闇市の帝王』(七尾 和晃 著/草思社/1,575円)【→bk1】【→amazon
終戦直後、莫大な現金と戦勝国民としての特権を武器に、東京の一等地を次々と手中にした若き中国人がいた。上海をモデルに新橋「国際マーケット」をつくりあげた男は、尋常ならざる行動力で事業を展開し、敗戦国の繁華街に君臨する。男が異郷の地でめざしたものは何だったのか?「東京租界の帝王」と呼ばれた男の波瀾万丈の生涯を、本人の回想をまじえて描く出色のノンフィクション。

★『雲の「発明」 気象学を創ったアマチュア科学者』(リチャード・ハンブリン/著 小田川佳子/訳/扶桑社/1,995円)【→bk1】【→amazon
雲で気象を読むのは、じつは非常に近代的な考えかたである。雲は、不定形でつかみどころがなく、移り変わるものの代名詞だったのだ。時は、19世紀初頭―科学が大衆の「娯楽」として人気を博した時代。ある科学講演会で、アマチュア学者が、聴衆に大興奮を巻き起こした。彼は、雲を分類し、名をつけたのだ。それは、画期的な“発明”だった!一介の素人研究家が「気象学」という新たな地平を切りひらき、ゲーテの絶賛を浴びることになったのだ…知られざるドラマをあざやかに描き、LAタイムズ・ブックアウォードに輝いた、科学歴史ノンフィクション。

★『美 機械式計算機の世界 手回し計算機を中心として』(渡邉祐三/著/ブレーン出版/1,801円)【→bk1】【→amazon
現在、世間に出回っている「機械式計算機」の多くは、かっての輝きを失って状態の悪いものが多く、「機械式計算機とは、そのようなものだ」という誤解を招き兼ねません。出来るだけ綺麗に、計算の出来るよう修復した機械と、その機能美を楽しんでもらいたいと、ビジュアルな冊子を刊行しようと考え、多くの方のご協力を得て表題も「美 機械式計算機の世界」とし、刊行の運びとなりました。これまでに日本では画像を中心とした「機械式計算機」の刊行はありません、今回は資料としての「現物」が豊富な「手回し計算機」に絞って取り上げております。

★『マンガの国ニッポン 日本の大衆文化・視覚文化の可能性』(ジャクリーヌ・ベルント/著 佐藤和夫/訳 水野邦彦/訳/花伝社/2,100円)【→bk1】【→amazon
マンガは、なぜ日本でこれほどまでに人気があるのか?情報化社会とマンガはどのような絡み合っているのか?情報化社会の先駆的存在としての日本のマンガ―。気鋭のドイツ人研究者による独創的考察。

★『キリスト教と音楽 ヨーロッパ音楽の源流をたずねて』(金沢正剛/著/音楽之友社/2,100円)【→bk1】【→amazon
アヴェ・マリア”を歌うのはカトリックだけ?!教会や聖書についての基礎知識から、意外な裏ばなしまで、やさしく解説。音楽史の見方が変わります。