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 以下のニュースから。
信濃毎日新聞[信毎web] 白血病急増と劣化ウラン弾の関連解析へ 信大医学部

白血病急増と劣化ウラン弾の関連解析へ 信大医学部

12月3日(月)

 信大医学部(松本市)は、白血病の急増と劣化ウラン弾の影響が指摘されているイラクの4病院から、小児白血病患者の血液標本の提供を受けて遺伝子解析を始める。松本市に事務局を置く日本イラク医療支援ネットワーク(JIM−NET)が取り組む支援の一環。血液標本や解析結果を蓄積し、劣化ウラン弾と発病の因果関係解明につなげたい考えだ。
 同ネットが11月19日から3日間、マレーシア・クアラルンプールで開いた会議で合意した。イラク側からはバグダッドやバスラ、モスルの医師計7人、日本側からは信大医学部の小池健一教授ら医師3人と同ネットのスタッフが参加した。
 会議では、イラク側の医師が診断治療の現状を説明。リンパ性か骨髄性かなど効果的な白血病治療に欠かせない診断が、現地ではできていないか、もしくは不完全なことが分かった。同ネットは今後、薬に加え診断キットを送る方針だ。
 4病院で集めた血液標本は、来秋にも予定している次回の会議で医師に持参してもらう計画。信大で解析し、遺伝子レベルでも診断を進める。小池教授は「診断の精度が増すだけでなく、地域ごとに遺伝子異常を比較することで発症の背景を探ることも可能になる」と説明する。
 また会議では、感染症対策に取り組むことも決めた。現地では、世界的にも白血病の多数を占める急性リンパ性のうち比較的治りやすいものとみられる患者の4割が、感染症などで入院から2週間以内に死亡しているという。2年後をめどにこうした患者の死亡率ゼロを目指す。
 イラクでは1991年の湾岸戦争後、子どもの白血病やがんが急増。南部バスラの医師からは、乳児白血病が増えているとの報告があった。米英軍が使用した劣化ウラン弾の影響が指摘されている。
 一方で、患者に投与する薬は不足している状況。また、脅迫を受けた医師たちが国外へ脱出し、残った医師がほかの病院と連携して治療に当たっているバグダッドの病院もあるという。
 同ネットは、旧ソ連チェルノブイリ原発事故による放射能汚染地の医療支援を続ける日本チェルノブイリ連帯基金松本市)も構成メンバーの一つ。信大医学部も同原発事故の医療支援で実績を積んでおり、今回初めて、イラク人医師と信大の医師らを交えた本格的な会議を持った。

 たんに「イラク白血病(小児白血病)が増えている」というデータではなく、その原因が放射線によるものである、ということが因果づけられて解析されないと、また、劣化ウラン弾がつかわれた地域との関連もかたられないといけないわけで、実際にいつごろ調査結果が発表されるか、注目しておきたいので、メモ。
 放射線による遺伝子破壊には特徴があります。
 一応、以下のところなどを参考に。
ひさびさに劣化ウラン弾調査団の話題
近藤宗平:微量放射線被ばくに対する生体防衛機能の働き

自然リスクの主役は活性酸素,太陽紫外線,熱エネルギーである。化学物質も多様なDNA損傷を誘発する。しかし,DNAの2本鎖切断(図7)は活性酸素や化学物質では誘発されない。DNA2本鎖切断は電離放射線特有の損傷であり,電離放射線を特別に怖がるべき科学的根拠にされ,2本鎖切断を高密度で誘発するα線のリスクをX線やγ線より20倍怖がりすぎてもよいという考えの根拠にされてきた。しかし,次節に述べる証拠によって,DNA2本鎖切断が増殖中の細胞に自然に多発することが最近発見された。

「DNA2本鎖切断」が顕著に見られるかどうか、ですね。