アニメの宣伝・広告費について考える
以下のところを見て、アニメの宣伝費ほかについて考える。
→今日もやられやく 法政大学「アニメメーカー横断宣伝マン生ブログ!」 イベントに行ってきたお
アニメの損益分岐点(DVDセールスから考えて)って、どのくらいなんだろうね。「二期」が作られたり企画としてあがってくるぐらいのセールスを考えると、5000〜7000枚ぐらい? まぁ5000以下だと厳しいだろうな。
DVDの値段は5000〜7000円。高いほうとして、7000×7000で、約49000000、5千万、低いほうだと5000×5000で2500万か。幅ありすぎるな、4000万としよう。コミックスだと、最近500円のが主流みたいなんで、8万部〜10万部?
まぁ、漫画もアニメも似たようなものとするけど、アニメ化前の『咲-Saki-』に関しては、私的感覚としては10万部売れていたようには思えない(売れてた、というデータを持っている人がいたらすみません)。
通常の出版物で、書籍の場合の宣伝・広告費は「10%」が一つの基準かな。2000円の本5000部でベタ売り上げ1千万円、広告費100万円。うん、これくらいなら妥当な気がする。印税10%の著者と同じぐらいの宣伝・広告費というのも、著者・執筆者には酷ですか。
で、そこらへ基準で考えると、以下のところの「2クール作品で6000万」「一番低いので4〜500万、1クール作品で一番高かったので1000万」というアニメの宣伝・広告費なんですが、
→今日もやられやく 法政大学「アニメメーカー横断宣伝マン生ブログ!」 イベントに行ってきたお
そうですねー某作品なんですけど、2クール作品で6000万使っちゃたりしましたねー
一番低いので4〜500万、1クール作品で一番高かったので1000万ですね
損益分岐点4千万×4〜6(巻)と思われる商品の広告・宣伝費に「一番高かった1千万」というのは、思ったほど金かけてないな、という印象。2クール作品なら8〜10巻ぐらい? 売り上げ5億ぐらい? コミックスなら100万部?
コミックスの場合は、5億×○巻(10巻とか20巻とか)もあるので、宣伝・広告費に「億」の数字が出てきても不思議じゃない。それを考えると、アニメの宣伝・広告費は、コーヒーその他の飲料吹くほどでもないかもね。
ただ、やはり漫画と比較するとアニメはハイリスク・ハイリターンな印象。コミックスの損益分岐点は知らないけど、○十万部ということはないだろう。○万部でしょうかね。アニメは最近はリスク大きすぎてオリジナルの企画が出しにくい(通りにくい)んだろうなぁ、というのは感覚として、ある。
あと、原価というものを考えると、製作を含まない単純な原価(DVD・パッケージ代)は、アニメで1000円もしないだろ、とか、原価と宣伝・広告費のことを考えると「飲料」業界にはかなわないだろ、みたいな。
ということで、関連Twitt。
→http://twitter.com/katsu8/status/5383833528
@kuratan 同じく枚数とかで考えたりしたことがあるのですが、歪な業界構造があって3500トントンくらいな気がしますね。5000にしちゃうとマイナスばっかで、それだとこんなにたくさんアニメは放映しないと思います。
→http://twitter.com/katoyuu1/status/5383855632
@kuratan 各巻のデータは持ってないのですが咲に関してはアニメ化前は1巻当たり平均15万部でアニメで平均35万部ま増えたそうです。 http://bit.ly/E9Xdu
→Business Media 誠:劇的3時間SHOW:『咲-Saki-』『鋼の錬金術師』の田口浩司プロデューサーが語る、儲かるアニメの作り方 (4/6)
『咲-Saki-』第1巻の実売はアニメ放映4週前、本当に低い数字でした(約500部)。しかし、アニメ放映1週前にぐんと上がってきて(約3000部)、アニメ放映開始週(約4500部)、そして2週目(約1万7000部)でどっと火がついている。3週目(約9000部)は若干下がりましたが、アニメが人気になったので、それから下がらなかったんですね。ずっと維持してやってこれたということで、アニメ放映前の部数が1巻当たり平均15万部だったものが、平均35万部まで伸びたという現象が起きました。
→http://twitter.com/imp98/status/5383962142
@kuratan スクエニ田口さんの講演記事で、結構具体的な数字出てましたよね。「儲かるアニメの作り方 (4/6)」
→http://twitter.com/katoyuu1/status/5384123840
@kuratan 調べられる範囲で分かったデータも置いときますね。4巻が出た直後の推定売上部数 http://bit.ly/1cZZg0 と 5巻 http://bit.ly/2OrCMQ と6巻 http://bit.ly/1Gs6E0
→コミック 週間ランキング-ORICON STYLE ランキング
2008年07月07日 付
咲−Saki− 4 推定累積売上部数 41421部
→コミック 週間ランキング-ORICON STYLE ランキング
2009年04月06日 付
咲−Saki− 5 推定累積売上部数 58009部
→コミック 週間ランキング-ORICON STYLE ランキング
2009年08月03日 付
咲−Saki− 6 83430部
この、オリコンの、下ヒトケタまで出ている「推定売上部数」が謎なんですが、4巻41421部、5巻58009部、6巻83430部、ということは、アニメ効果で実売倍増?
→http://twitter.com/katsu8/status/5384536471
@kuratan 実際わかりませんが、個人の憶測試算ですw
@katsu8 これも個人的憶測レベルですが、実売5000以下で2期は普通ないだろう、というところから、損益分岐点を考えてみました。
→http://twitter.com/bn2islander/status/5384216912
@kuratan 京アニを見ると、オリジナル作品を出さないままでは、大きな利益は見込めないんだろうなあ、と思います
@bn2islander ハルヒ以降の京アニは、角川ほどではないにしても、普通に儲かっているイメージはありますが。
しかし広告・宣伝費を考えるとちょっと計算のケタが違う。新聞の1面下段、いわゆるサンパチ広告が朝日で1枠「ひゃくまんえん」という話を聞いた時はマジでコーヒー吹くかと。法政大学出版局や東京創元社なら月イチ広告出す金で社員3人増やせるね。まぁ今はもっと下がってるとは思いますが。
これじゃ確かに企業は人件費削るより3K費(交通・交際・広告費)を削るほうが簡単だし効率いいわ。具体的な数字は知らないけど、多分率的に「国の法人税収入」と同じぐらいの勢いで、新聞・雑誌の広告収入って減っているはず。