『モスクワの孤独 「雪どけ」からプーチン時代のインテリゲンツィア』ほか

今日の読みたい本・おすすめ版。
1日5冊紹介(当分)。
 

モスクワの孤独―「雪どけ」からプーチン時代のインテリゲンツィア

モスクワの孤独―「雪どけ」からプーチン時代のインテリゲンツィア

★『モスクワの孤独 「雪どけ」からプーチン時代のインテリゲンツィア』(米田綱路/現代書館/4200円)【→amazon
痛ましいまでに真摯に生きたソヴェト・ロシアの知識人たちの肖像。偉大な少数派たちの壮大な人間ドラマ。
 
神・死・時間 (叢書・ウニベルシタス)

神・死・時間 (叢書・ウニベルシタス)

★『神・死・時間 新装版』(エマニュエル・レヴィナス、ジャック・ロラン・編/法政大学出版局/4410円)【→amazon
倫理的関係と解された人間同士の関係をどう解明するか。レヴィナス思想の中核に息づく問題点を三つの概念、死・時間・神を通して展開を試みる。レヴィナスソルボンヌ大学における最終年度の講義録。
 
残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

★『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』(橘玲/幻冬舎/1575円)【→amazon
ワーキングプア無縁社会孤独死、引きこもり、自殺者年間3万人超など、気がつけば世界はとてつもなく残酷。だが、「やればできる」という自己啓発では、この残酷な世界を生き延びることはできない。必要なのは、「やってもできない」という事実を受け入れ、それでも幸福を手に入れる、新しい成功哲学である。
 
シモーヌ・ヴェイユの詩学

シモーヌ・ヴェイユの詩学

★『シモーヌ・ヴェイユ詩学』(今村純子/慶応義塾大学出版会/2940円)【→amazon
本書では、美学・詩学の視点からヴェイユの思想を体系的に論じ、その真髄を明らかにする。自らの「工場生活の経験」(1934‐35年)を遠景にもちつつ発語された「労働者に必要なのは、パンでもバターでもなく、美であり、詩である」というヴェイユの言葉は、社会科学と美学・詩学との連続性を問うものであり、本書は、「見える世界」が極度に重んじられる現代にあって、「見えない世界」が根をもってはじめて「見える世界」が豊かに花開くことを提示する。
 ★『他者のような自己自身 新装版』(ポール・リクール/法政大学出版局/6825円)【→amazon
ポール・リクールの「倫理への回帰」を示す思索。ハイデガーアーレントの発する「誰が」の問いに答えるべく「自己の解釈学」を3つの段階によって構築し、自己の中心に他者が現前することを明らかにする。