漫画『BECK』(ハロルド作石)を読む

lovelovedog2004-07-10

↓以下のコメントから
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/comment?date=20040709#c


# American 『自分にとって自信を持って進められるバンド漫画は「BECK」くらいですかね。』

# lovelovedog 『それは男性漫画ですね。しかし俺、日常では本当に音楽と漫画には接していない人なので、うまく語れないです』

これはとても面白かったです。ただ、インディーズのバンドというと俺のイメージとしてはオーケン大槻ケンヂ)が暴れていたころの1980年代的なものがあるので、話の中のバンドとしては「死亡遊戯」その他の偏差値低そうな奴らのほうに、正しいインディーズの姿を見てしまいました。
こないだラジオを聴いていたら、泉谷しげるが番組の中で昔のことを話していて、そこで全国ツアーをやっていた、若かったころの話が出たんですが、「『イエロー』ってバンドと一緒に回ってたことがあるんだけど、あいつらつまんねぇんだよ。練習ばかりやってんの。コンサート終わってもそんな話ばっかで。ロックってのはそういうもんじゃねぇだろ!」って言ってまして(すみません、ソースは曖昧です)、とても納得しました。ビートルズセックス・ピストルズも、日本だとサザンとかブルーハーツとかも、別に初期のころはうまいからじゃなくて、若者の魂を熱くさせる何かがあったから人気が沸騰したわけで(まぁどのバンドも、長く続けるうちにうまくならざるを得なかったわけですが)。
BECK』に関する不満点は、音楽バンドの音楽に対する姿勢とかが、まるでスポーツ漫画みたいなところで、そりゃ野球にしろバスケにしろ、練習すればうまくなる(ゆえに、練習しなければならない。個人差はあるとは思いますが)わけですが、それをバンド漫画でやられると、「俺の求めているロックとは、少し違う」と思ってしまうのです。しかしまぁ、若者の音楽に求められる「技術」というのは、基本的な部分で昔と比べるとすごく上がっていて、たとえばそれは「漫画」と同じように、読者の求めているレベルの高さとつながっているわけですが、人の心を熱くさせることを商売とする(というと、言いかたが嫌らしいですかね)人たちを描く場合には、「すげぇうまい」とかじゃない、何か別の、感性に伝わる何かがあるといいな、というのが感想です。まぁ、それを漫画の中でどう表現するかは難しいことだし、作者も多分それが伝えたいことだとは思いますが…コユキの歌うシーンとか。
で、あちこちの日記の感想をまた例によって見てましたが、アニメ化ですか!

『硫黄島の星条旗』映画化

硫黄島の戦いが映画に イーストウッド氏に監督打診(朝日新聞
http://www.asahi.com/culture/update/0710/004.html


 太平洋戦争末期の激戦地、硫黄島の摺鉢(すりばち)山に星条旗を立てた米兵らを追ったルポ「硫黄島星条旗」が映画化される。スティーブン・スピルバーグ監督らが率いる映画製作・配給会社ドリームワークスが9日、明らかにした。公開予定日や配役などの詳細は未定だが、監督には「ミスティック・リバー」で今年のアカデミー監督賞候補となったクリント・イーストウッド氏を起用する方向で交渉中という。(時事) (07/10 10:41)
これは驚きです。
↓この本に関する俺自身の感想はこちら
http://www.enpitu.ne.jp/usr5/bin/day?id=57713&pg=20010330
原作は戦争の悲惨さを、アメリカ人視点で淡々と語った名作ノンフィクションです。戦争そのものよりも、星条旗の旗を立てた人間の悲劇というか。
硫黄島の例の有名な写真は、たとえばこれなどですが(日記の画像にしてみました)
http://www.mainichi.co.jp/life/family/syuppan/chronicle/image/1945p10.jpg
これが実は「硫黄島で二度目に掲げられた星条旗で、ある種の『ヤラセ写真』であること」「その後も戦闘は続き、旗を掲げた6人のうち3人は戦死していること」などは知られていない真実です。
変な日本人が出て来るような、日本人的にトホホなものにならないようにしていただけるとありがたいです。栗林忠道中将はやはりケン・ワタナベですか。