NHK特番問題、朝日が検証記事「改変は明確」と主張(読売新聞)

NHK特番問題、朝日が検証記事「改変は明確」と主張(読売新聞)

NHKの番組が自民党国会議員の圧力で改変されたと報じた今年1月の朝日新聞記事に対し、取材を受けた当事者らが「圧力はなかった」と反論している問題で、朝日新聞は25日朝刊で、関係者に再取材した結果などを2ページにわたって掲載した。
この中で朝日は、記事内容の裏付けについて「真相に迫り切れていない」としながら、政治家による番組改変の流れが改めて浮かび上がったと主張している。
一方、同日会見したNHKは「(政治介入があったという)思い込みから抜け出ていない」と真っ向から反論した。
朝日新聞によると、1月12日の記事掲載後、取材を受けた当事者らが発言や記事の内容を否定したため、改めてNHKや総務省自民党議員ら150人以上に取材を行った。検証記事はその結果という。
見開きの記事では、取材の経緯のほか、NHKの松尾武・元放送総局長、自民党安倍晋三・幹事長代理、中川昭一経産相に当初取材した際のやりとりを掲載している。
さらに吉田慎一・編集担当常務と横井正彦・東京社会部長が署名入り記事で、朝日新聞としての見解を明らかにしている。
この中で横井部長は、再取材で判明した最も重要な点として、「安倍氏ら政治家と会ってきたばかりの(NHKの)国会担当局長が、番組の修正を細部にわたって指揮していたこと」を挙げた。そのうえで「政治家の圧力による番組改変」という構図がより明確になったと結論付けている。
その一方で、1月の記事で報じた〈1〉中川氏が放送前日にNHK幹部に会った〈2〉中川氏と安倍氏がNHK幹部を呼んだ――の2点については、再取材でも直接裏付ける文書や証言は得られず、「真相がどうだったのか、十分に迫り切れていない」と明かしている。
これについて横井部長は「率直に認め、教訓としたい」としながら、当初の両氏と松尾氏の証言は今でも「重い」と考えており、「現時点では記事を訂正する必要はない」としている。
NHKはこれまで朝日新聞に対し、松尾氏を取材した際の録音テープなどがあるかどうかをただしているが、検証記事では録音の有無には言及していない。
朝日新聞は、丹羽宇一郎伊藤忠商事会長らを委員とする「『NHK報道』委員会」を設置、今月28日に第1回会合を開き、意見や評価がまとまった時点で紙面に掲載するとしている。
この時期に検証記事を掲載した理由について、朝日新聞広報部は、「取材に時間がかかったことと、先月就任した(秋山耿太郎)新社長の意向がある」と説明している。
(2005年7月26日3時3分 読売新聞)