フジテレビ「報道2001」に出演した中川昭一代議士の発言(2005年1月23日)

これは、2005年1月23日の「報道2001」(フジテレビ)に出演した、中川昭一代議士の発言をテキスト化したものです。中身はメールでいただいたものなので、細かなところまでは確認していませんが、公開責任は俺(愛・蔵太)にありますし、間違いなどがありましたら訂正しますのでご連絡ください。

中川=中川昭一
黒岩=黒岩祐治
女子アナ=島田彩夏

です。

黒岩:もともと政治圧力問題と言っていたのが、いつの間にかなんかNHKと朝日新聞泥仕合という形になっているんですけど、そもそもですね、この朝日新聞に書かれたときに、中川さん安倍さんの名前が出てきた。そのあたりの事実から確認をしたいと思うんですけどね。
中川:はい。あの・・・
黒岩:ちょっといいですか。説明しますね、今の経過。1月30日に番組が放送されたわけですね。2001年。その前日、朝日新聞の報道によるとですね、その前日に中川・安倍両議員がNHK幹部を呼び「偏った内容だ」と指摘した、と。で、これによって、この番組内容が変えられたということで、だから政治的圧力があったという報道があったんですが、中川さんとNHKは「会ったのは番組放送が終わった2月2日である」、と。しかもNHK側からアポイントをとってNHK幹部が中川氏と面会。だから圧力のかけようもないじゃないか、という風なことなんですが。じゃあ、朝日新聞がその後、1月18日にですね、中川さんに対して取材したその一問一答というのを公開しました。それによりますと、朝日新聞の記者が中川さんに電話で聞いているんですね。「放送直前の1月29日にNHKの野島、松尾両氏に会われたわけですね?」って言ったならば、中川さんが「会った。会った。議員会館でね。」と答えたということ。これを基にして朝日新聞は1月29日に中川さんとNHKは会ったんだということになってる。さあ、このあたりの事実はどうなんですか?
中川:はい。先ず、一問一答ですけれども、それが恰もやりとりの全てのように誤解を先ず与えるということを、私としてははっきり申し上げておかなければならないと思います。あの、一問一答はだいたい20分間電話で、この本田さんという記者とやりましたけれども、あの、大事な部分で抜けている部分が一杯あるんですね。例えば松尾さんや安倍さんも似たようなことをおっしゃっているんですけど、例えば私の発言に対して「いや、こういう証言がありますよ」とか「これが事実なんですよ」とかですね、決め付けの部分が随分ある。そのへんが全部落ちていますね。或いは冒頭、その、彼らの言葉で言うと「右翼団体の方が色々動いている」とか、そういう所から話が始まってきたんですけれども、そういう所も全部抜けていますから、一問一答がそれが全てではないということです。
黒岩:抜けている所があるかもしれない。これ、今言った所はどうなんですか?1月29日に「会ったんですか?」「会った。会った。議員会館でね。」これは言ったんですか?
中川:私は、記憶としてはっきりしている部分と記憶として覚えていない部分と両方あってですね、これについては会ったかもしれないし、その後に会ったかもしれない、と。記憶にないんだ、と。そう致しましたら「そういう証言があるんです」と。ですから、ひょっとしたら、その前に会ったかもしれないし、無かったかもしれない。いずれにしても議員会館でNHKの方、松尾さんは入っておりませんけれども、と会ったことは事実だ、と。ですから、放送の前だったか後だったかについては定かではないということは何回も申し上げました。
黒岩:中川さんね、この一問一答の記事の中にこういうのもありますね。「放送中止を求めたのですか?」と朝日新聞の取材に対して「まあ、そりゃそうだ」という風におっしゃった。その放送中止を求めるというのはですね、放送が終わった後に求める訳がないわけで、1月29日に会ったというのと呼応するわけですね。
中川:ですから・・・
黒岩:この辺りはどうですか?
中川:ですから、それは前に会ったか後に会ったかがですね、定かでないということを常に前提に置きながらお話をして、そして、まあ話の内容は、法廷、12月の法廷の内容は、我々はだいたい中身知ってましたから、ですから「放送法に基づいて公正・公平にやって下さい」とNHKの方に直接申し上げましたけれども、後であの、調べてみたら、2月の2日であるということはもう、これはもう客観的な事実として、まあ証拠に残っている訳ですから。議員会館の面会記録とかですね、そういうものがありますんで。終わった後に放送中止を求めたなんてことはあり得なかった。ただ、その時点では、ひょっとしたら放送の前に会ったのかもしれない、と。しかし、それによってですね、あの、要するに「放送中止を求めたのですか?」ということに対して、まあ、色んなことはあるけれども、趣旨としては「偏向があまりにも過ぎるんであればですね、そういう報道は放送法に基づいて、法律に基づいてすべきではないのではないか」というようなことはですね、申し上げましたけれども。これはあくまで、前後だということがわからないということで申し上げているということを、その前提を全く無視されてますね。
黒岩:じゃあ、もう一回ね、一問一答に戻ります。こういう記述もあります。「天皇有罪と言っていましたが」というNHKのこの質問に対してですね、まあ、ずっと色々あるんですけれども、向こう、つまりNHKは「教育テレビやりますから」とか「あそこを直します、ここを直しますからやりたい」と。しかし、それで「だめだ」と言った、と。つまり、あの、中川さんは「記憶があまり定かではない、前なのか後なのかわからない」と言いながらもですね、この文章、中川さんのコメントを見ると
「あそこを直す」「ここを直す」それでは「だめだ」と言ったという風なことを、ここの所はいかにも事前に聞いて言ったような形になっているんですけれどもね。どうですか?
中川:はい。ですから、これも、あの、30日の前か後かで定かではないんです、と。ただ、その2月の2日、後でわかったことですけれども2月の2日に、野島さんと伊東律子さんですか。ともう一人の方が来られたことは記憶にあるんですけれども、まあ松尾さんという方は結果的に私はお会いしてませんが、その伊東さんは女性の方で初めてお会いをして、「この方はどういう方なんですか?」とお聞きをしたら、「番組制作局長さんである」と、番組制作の責任者であるということで「何でこの方がいるんだろう」と。まあ一瞬、まあ、あの「あれっ」と思ったんですけれども。しかし、まあ、あの「この件について実は内部で色々と番組を今、検討している最中です」と、こういうご説明が伊東さんからありました。
黒岩:番組を検討している最中というのは放送前ということですね。
中川:ああ、違いますね。番組を、そのときの記憶としてはですね、「番組について色々中身を変更してます」と、或いは「変更しました」というような説明がですね、伊東さんの方から・・・
黒岩:放送した後ならわざわざそういうことを説明する必要もないですね。
中川:いや、説明されました。
女子アナ:放送後にですか?
黒岩:そのために多分・・・
女子アナ:検討?
中川:ええ、2月2日に。
女子アナ:それは意見を求めるということなんですか?
黒岩:こういう風に・・・
中川:いや、こういうことをやりました、というご報告を伊東さんから色々と説明に来られたんで、まあ、今から考えますと2月2日ですから、まあ終わった後で。これは朝日にも書いてありますけど、元の番組内容を知りませんから、ですから、あの、まあ色々内部で、まあ公正中立を、まあNHKなりに考えて色々と内部で変更したのかな、というような説明をされたように記憶しております。
黒岩:これね、あの、どうしよう。この話は割りと有名な話だったんですね、当時。まあ、放送前か後かは別にして。放送前の段階でも中川さんはこういう番組が放送されそうになっているということはご存知だったんですね?
中川:それは知っていました。
黒岩:うん。そのときにどんな印象を持たれました?
中川:あの、えっと、これはもう、なんといっても色んな人達からこういう話聞きましたし、それから、これを主催した市民団体の皆さん方も、まあ、ある意味では宣伝してましたから、ですから、そういうインターネットなんかを見ますとですね、それはもう九段会館で、昭和天皇を糾弾する裁判を、その、弁護人も付けずにやった、と。実際にそれを観に行った人の話も間接的ではありますけど聞いておりますから、これはちょっと公平・公正ではないのではないか、という印象を持ちました。
黒岩:なるほど。そしたら、中川さんはそういう思いを、NHKに伝えようと思わなかったですか?
中川:ですから、市民団体がそういうことをやることは、私は朝日にも申し上げております、記事にも載ってる訳ですけれども、まあ、どんなことをやっても日本の場合には、まあ、一応許される訳ですから、市民団体がやったことについて、我々はその「けしからん」とか「けしかる」とかいうことは言ってません、と。ただ、公共放送であるNHKにおいてですね、不偏不党を大前提としなければならないときに、どうもこういう放送を流すということであれば、これはよく放送法の趣旨を考えて下さい、ということを申し上げたわけです。
黒岩:それは誰に?誰に言われたんですか?申し上げたって。
中川:2月・・・
黒岩:誰に?
中川:2月2日に、その、紹介された、その番組の・・・
黒岩:いや、いやいや、今、聞いているのは・・・
中川:伊東さん。
黒岩:いや、そうじゃなくて・・・あの、事前にね、中川大臣はこういう風な番組が放送されるということは知っていた、と。これは中川さんの考えからしてもね、これはちょっと大変問題があるし、言ってみれば非常に危ない内容になりそうな、中川さんからすれば危ない内容になりそうなものを扱っているNHKの番組だからこそ公平・公正にやって欲しいと申し上げたでよろしいんですね?ということは前、前ですね?
中川:ああ、申し上げたのは、ですから2月2日に申し上げたんです。2月2日の前に・・・
女子アナ:やって欲しい、と。
中川:2月2日の前にNHKの方とは一切会っておりませんから。
黒岩:例えば、あの、その番組の担当者ではなくて、中川さんのまわりにはいつもその、NHKの、いわゆる番記者と呼ばれる人達もいますよね。そういう人達に対して中川さんが「ちょっとさあ、今度の番組ちょっとこうやってよぉ」とかって「ちょっと問題じゃないの?」と、こんな感じの会話をされたとかですね。
中川:ええ、ですからそれは、あの木曜の記者会見のときにも申し上げましたが、NHKに限らず、例えばフジテレビであろうがどこであろうが、色んな政治部の記者さんを中心にしょっちゅうお会いしますね、党本部であろうが。で、そのときに、あの、例えばNHKであれば、あの、「プロジェクトXが良かった」とかですね、フジテレビの報道なりドラマが「良かった」「面白かった」とか色んなことをそれは言いますよ。だけどそれを言ったかどうかについては、その現場の記者さんとはしょっちゅう色んな所で色んな話をしておりますから、私がですね、この番組は「けしからん」とか「けしかる」とか言った記憶は、正直言ってもう全くその、しょっちゅう会って、どんな話をしたかも含めてですね、残念ながら今きちっとお答えできるだけの記憶ございません。
黒岩:言ったかもしれない、ですね?言ったかもしれない。それを・・・
女子アナ:事前に、その番記者、記者と呼ばれるいつも接している人達には言ったかもしれない、と。
中川:いや、むしろ、あの・・・
黒岩:言う方が自然ですよ、むしろ。
女子アナ:会話として。
中川:いやいや、NHKの方と会っていれば言ったかもしれませんけれども、むしろ、その、私が当時、会長を務めていた議員達も、あの、事前に会って色んなことを言っている、という風におっしゃってますよね。ですから、我々の仲間達の間ではですね、ちょっとこれをその、NHKが放送するというのは、これはちょっと放送法に照らしてどうなのかな、という仲間内の話はしましたけれども、私が2月2日以前にですね、NHKなりに対してですね、言ったということは、私はない、と。
黒岩:NHKの、だからそういう、まあ、公式的に言った訳ではなくて、つまりは番記者にね、「ちょっと」と言ったときに、そういう言い方のときに、ニュアンス、言い方のニュアンス、ちょっと強い言い方になると、NHKの記者の方が政治的圧力と感じて「これは大変だ」といって、社内でわーっと大騒ぎしたということ、これはあり得るシナリオではないでしょうかね?
中川:いや、まあ、可能性は否定しませんけれども、一々、記者さんと話してですね、別に怒鳴った記憶もございませんし、強くその変更を求めた記憶も全くございませんから。その、私が言っているのは、その「なかったと100%言えるだけの記憶がない」と言っている訳で、私はなかったという可能性の方が極めて高いと思っておりますから、そのへんを前提にですね、それでもってまた政治部報道局とですね、番組制作局と違う訳ですから、ご存知のように。そこにですね、はね返っていって制作を変更したということは私はなかった。なぜならば、19日から、あの、この番組の制作の色んな検討が行われているという風にも聞いておりますから。
黒岩:それはその当時から知っていたんですか? 19日から変更が行われていると、
中川:いや、知りませんでした。
黒岩:その当時ご存知だったんですか?
中川:19日からということは知りませんでした。私はそのとき日本におりませんでしたから。はい。カンボジアかどっかに行ってましたから、24日まで。はい。はい。
女子アナ:当時?
中川:はい。カンボジアかどっかに行ってましたから、24日まで。はい。はい。
黒岩:中川さん、その、どうですか、どうしてその政治的圧力っていう風な形で報道されたというふうに思いますか?
中川:ですから、四つポイントがあるんだと思うんですね、今回の私に関しては。放送の前に、私が松尾さんを含めて、NHKを呼びつけて、政治的圧力をかけた、と。この四つのポイントだと思いますけれども。政治的圧力をかけたことはありませんし、会ったことはありますけれども呼びつけた訳ではない。これは1月12日の私のパリで書いたコメントにも「呼びつけた訳ではない」ということは、はっきり申し上げてますし。それから、その、松尾さんがいたかどうか、日付がいつだったかについては調べなければいけませんから一日かかりましたけれども、1月13日の時点で松尾さんとはお会いしてません。その他のNHKの方とお会いしたのは2月の2日、つまり放送の後であった、と。ですから、その本田記者とのやりとりもですね、あくまでもよくわからない、と。わからない部分があるんだ、と。記憶にないんだ、と。で、万が一、前に会ったかもしれないし、後で会ったかもしれないし、そのときに話が出るとすればですね。放送の前であれば「これから放送するであろうことについて」という言い方になりますし、放送した後のことであれば過去形の言い方になる訳ですけれども、その辺を時間がなかったものですから、私は「時間が無い。時間が無い。」と本田さんには何回も申し上げましたけれども、そこを最初にもう決め付けた、そして取材の最中も決め付けた報道をされた、ということをもう途中から完全なこれはもう意図があるな、というふうに感じた訳であります。
黒岩:これどうなんでしょう?朝日新聞にその謝罪と訂正を求める通告書を出されたんですけど、これ応じる気配がありませんけれども、法的措置に出られるということはあるんでしょうか?
中川:まあ、弁護士の先生と今後よく相談します。とにかく一週間後にどういう形で誠意をもって応えてもらえるか、それを先ず待っております。
女子アナ:はい。中川さん、安倍さんはこの番組で、まあ、謀略を感じるという風におっしゃったんですけれど、中川さんはそういった認識はございますか?
中川:全体的に感じますね。例えば抗議に来ている人の6割が共産党系の婦人団体であったりですね、或いは北朝鮮系の人も一杯いらっしゃいますし、そういうその集団的な抗議のアレを見ますと、なんかこう、いくつかの点が結んでいくような感じがしますね。
黒岩:はい。じゃあ、真相が明らかになるのはまだまだ・・・
女子アナ:はい、ということで
中川:いや、はっきりしていると思いますね、真相は。
黒岩:はい。ありがとうございました。
女子アナ:はい、今日はありがとうございました。失礼します。