自民の江藤氏、不法滞在者は「どろぼうや人殺しばかり」(朝日新聞)

http://www.asahi.com/politics/update/0712/008.html


 自民党江藤・亀井派江藤隆美会長は12日、福井市内で開かれた党支部定期大会で講演し、不法滞在の外国人について、「どろぼうやら、人殺しやらばかりしているやつらで、いっぱい日本にはいる」と発言した。朝鮮半島の有事で、難民が船で日本海から上陸する事態に備えた治安維持の必要性を訴えるなかで言及した。

 講演で江藤氏は、「新宿の歌舞伎町は第三国人が支配する無法地帯。最近は、中国や韓国やその他の国々の不法滞在者が群れをなして強盗をしている。そんな国がありますか」と述べた。

 また、日中、日韓の過去の歴史問題について、「南京大虐殺(の犠牲者)が30万人などというのは、あれはでっちあげのうそっぱち」と語った。さらに1910年の日韓併合について、当時は国際連盟の発足前にもかかわらず「両国が調印して国連が無条件で承認したものが、90年たったらどうして植民地支配になるのか」と語った。

 江藤氏は、会場に報道機関の記者がいることを知った上でこれらの発言を続けた。朝鮮半島問題に詳しい大阪市立大の朴一(パク・イル)教授(日韓、日朝関係論)は「故意に差別的表現を使うことで、不法滞在者のすべてが凶悪犯罪者という印象を与え、外国人への偏見をあおっている。しかも誤った歴史認識に基づいている」と批判した。

 江藤氏は総務庁長官だった95年10月、植民地支配について「日本はいいこともした」と発言し、閣僚を辞任している。

 一方、江藤氏は自民党総裁選にも触れ、「小泉総裁が再選されれば新幹線も高速道路もできなくなる。再選されたら(衆議院の)解散は10、11月。落選すれば年内解散はしない」と話した。 (07/13 00:15)

なかなか楽しい発言ですが、恒例の「○○から反発の声が予想される」(というより、「○○からの反発の声を、これから作ります」宣言ですか)という一文は、記事の中にはありませんでした。あと、2003年7月13日午前中の新聞社のネット記事で、この発言に触れていたのは朝日新聞だけ。リアル新聞も含めて話題になるのは月曜日からになりそうです。おまけに月曜日は朝刊が休みの日だから、実質夕刊から。いい日を選んだもんです。
俺の感想は、亀井派を嫌いな人が朝日にいるのかなぁ、という感じ。「江藤氏は、会場に報道機関の記者がいることを知った上でこれらの発言を続けた」というテキスト部分を見るとやはり、記者の実名公開原則を、法律ではなく各新聞社の内規レベルで徹底して欲しいな、と思います。特定の政治家や派閥を批判的に取り上げるのは、別にその記者の「言論の自由」その他の自由で、何ら問題はないんですが、記者とその記事内容が、もう少し関連づけられるとありがたいかな、と。
まぁ言ってみれば、読者投稿欄で北朝鮮擁護をしている人の職業が「団体職員」ではなくて「朝鮮総連幹部」となっていたら、俺はその人の言論の自由は認めるけど、そうじゃなくて自分の立ち位置を隠して、一般市民のフリしてちゃいかんでしょ、と否定的になるようなものですね。
しかしこの見出しは誤読をさそっているようなもんですね。江藤隆美氏の発言は「不法滞在者はどろぼうや人殺しやらばかりしているやつらで、いっぱい日本にはいる」のようですが(記事が正しいとするなら)、それを「どろぼうや人殺しばかり」と、「しているやつら」を略した形で見出しにしますか。
まぁ確かに江藤氏の発言、日本語としては少し変ですが、俺解釈では「不法滞在者の中には、いっぱい「どろぼうや人殺しやら」ばかりをしているやつらがいる」でしょうか。要するに「○○にはいっぱい××な(=××ばかりしている)奴らがいる」で、「○○は××な奴らばかり」ではないでしょう。
数日中に、朝日新聞夕刊「窓」欄に「「不法滞在者はどろぼうや人殺しばかり」という自民党江藤・亀井派江藤隆美会長の発言には驚いた」と、言ってもいないことで驚く人が現れたり、「不法滞在者の現状を知らない江藤氏の発言に失望する」というような投書が載ったりしそうな予感。繰り返しになりますが、江藤氏の発言は「every people」ではなく「many(too many)people」です。
まぁ、不法滞在者も、不法なんで法律違反なことは確かなんですが。