【主張】河野談話10年 迎合外交は教育を損ねる(産経新聞)


http://www.sankei.co.jp/news/editoria.htm


 「従軍慰安婦の強制連行」を認めた河野洋平・元官房長官の談話が発表されてから、四日で丸十年になる。この間、強制連行説は破綻(はたん)し、河野談話は信憑(しんぴょう)性を失ったが、今も教育現場などに深い傷痕を残している。

 河野談話が出されたのは、当時の宮沢喜一内閣の最後の日の平成五年八月四日だ。「従軍慰安婦」という言葉を使い、その募集について「官憲等が直接これに加担したこともあった」などと朝鮮半島での日本の軍や警察による強制連行を認めた内容だった。

 だが、それまでに日本政府が集めた二百数十点に及ぶ公式文書の中には強制連行を裏付ける資料はなく、談話発表の直前に行った韓国の元慰安婦十六人からの聞き取り調査のみに基づいていたことが後に、石原信雄・元官房副長官の証言などで明らかになった。宮沢内閣は、取り返しのつかない負の遺産を残したといえる。

 河野談話は「歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する」とした。多くの歴史教科書に「従軍慰安婦」の記述が登場し、その是非をめぐり国論を二分する激論が展開されたことは記憶に新しい。その後、「従軍慰安婦」が戦後の造語だったことなどが実証的研究で判明し、中学の教科書では慰安婦の記述は減ったが、高校では今も改められる兆候はない。

 誤解は海外にも広がっている。朝鮮総督府の幹部だった大師堂経慰氏は、リー・クアンユー・元シンガポール首相の回顧録を読み、次のくだりに衝撃を受けた。「日本政府は軍隊の必要に応じるため、朝鮮、中国、フィリピンの女性を誘拐し、強制連行した」。大師堂氏は「海外での誤解を解くためには、河野談話を放ってはおけない」と言っている。同じような思いをもつ日本国民は、少なくないだろう。

 以前、山口県の「労務報国会下関支部動員部長」なる人物が「自ら、済州島朝鮮人女性をトラックで強制連行した」と“告白”し、これを朝日新聞などが大きく取り上げた。しかし、学者の同島での調査で、その証言も否定された。意図的ないし、不確かな取材で慰安婦問題をことさら煽(あお)った、一部マスコミの責任もまた大きい。

「談話」というのがどういうものかよくわからないんですが、政府関係者の非公式な意見、という判断でいいんでしょうか。で、その「河野談話」というのは、以下のサイトによると以下のようなものだったらしいです。
河野談話を検証する
http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/1794/kounodanwa.html

慰安婦関係調査結果発表に関する内閣官房長官談話
1993年8月4日

いわゆる従軍慰安婦問題については、政府は、一昨年12月より、調査を進めて来たが、今般その結果が出たから発表することにした。今次調査の結果、長期に、かつ広範な地域にわたって慰安所が設置され、数多くの慰安婦が存在したことが認められた。慰安所は、当時の軍当局の要請により設営されたものであり、慰安所の設置は、管理及び慰安婦の移送については、旧日本軍が直接あるいは間接にこれに関与した。慰安婦の募集については、軍の要請を受けた業者が主としてこれに当ったが、その場合も、甘言、弾圧による等、本人たちの意志に反して集められた事例が数多くあり、さらに、官憲等が直接これに荷担したケースがあったことが明らかになった。また、慰安所における生活は、強制的な状況の下での痛ましいものであった。なお、戦地に移送された慰安婦の出身地については、日本を別とすれば、朝鮮半島は我が国の統治下にあり、その募集、移送、管理なども、甘言、弾圧による等、総じて本人の意志に反して行われた。いずれにしても、本件は、当時の軍の関与の下に、多数の女性の名誉と尊厳を深く傷つけた問題である。政府は、この機会に、改めて、その出身地のいかんを問わず、いわゆる従軍慰安婦として数多くの苦難を経験され、心身にわたり癒しがたい傷を負われた全ての方々に対し心からお詫びと反省の気持ちを申し上げる。また、そのような気持ちを我が国としてどのように表すかということについては、有識者のご意見なども徴しつつ、今後とも真剣に検討すべきものと考える。我々はこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。我々は、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する。なお本問題については、本邦において訴訟が提起されており、また、国際的にも関心が寄せられており、政府としても、今後とも、民間の研究を含め、十分に関心を払って参りたい。

あと、「村山談話」というのもあります。
内閣総理大臣談話
http://www5.sdp.or.jp/central/timebeing/murayamadanwa.html
社民党のサイトですけど。
まぁ外国の人から「政府閣僚・内閣総理大臣がこのようなことを言っているが、どう思うか」と訊かれたら「談話でしょ?」って答えておけばいいんでしょうか。