フセイン拘束に関する、朝日の推測記事に対する意見

↓見捨てられた独裁者、拘束されても暴力沈静化の展望なし(朝日新聞
http://www.asahi.com/international/update/1215/007.html


 疲れ切った表情、乱れた髪、伸ばし放題のあごひげ――。米軍が14日の記者会見で発表したフセイン元大統領の映像は、口を開けて医療チェックを受けるあわれな姿を映し出していた。その落魄(らくはく)ぶりに、戦う指導者の影はなかった。同氏が旧治安情報機関を指揮し、米軍攻撃やテロを激化させてきたという可能性は薄く、拘束されたことで今後、暴力が沈静化するという展望を描くことはできず、治安への強い懸念は残ったままだ。

 サンチェス司令官は記者会見で「抵抗はなかった」「一発の発砲もない」と強調した。もし、フセイン氏が対米攻撃を指揮しているならば、包囲して護衛しているはずの武装集団と米軍の間で激しい交戦があるはずだ。

 しかし、見つかったフセイン元大統領は、見捨てられた「独裁者」のような有り様だった。側近や武装勢力幹部に指令を出す立場であれば、人一倍服装に気を使ってきたフセイン氏が、あのような無防備な姿をさらすはずがないと思われる。

 今年8月以降に激しくなった米軍攻撃や大規模な爆弾テロは、旧政権の治安情報機関の残党がかかわっているとされるが、元大統領とは関係なく、激化してきた可能性が高い。

 米軍に対する様々な攻撃が、米軍の占領に対する民衆の反発から生まれた「抵抗運動」であることはかなり明らかになっている。携帯型対戦車ロケット弾で米軍の武装ヘリコプターを撃墜するなどの巧みさから、旧イラク軍の精鋭部隊員らが参加し、「旧政権のため」ではなく、対米抗戦に出ていると見られる。

 旧フセイン政権の指導部は、米軍が首都バグダッドを制圧した4月、首都防衛を放棄して姿を隠した。そのころ、バグダッド市内で旧イラク軍の元士官らが「旧政権は民衆を裏切った」「私たちは米軍に敗北したのではない。戦わなかっただけだ」と語るのを聞いた。元大統領の拘束によって、対占領闘争の様相となっている対米攻撃が鈍化すると見るのは楽観的すぎるだろう。

 一方で、バグダッドで民間人を巻き添えにする爆弾テロや外交官など文民への攻撃などに、旧政権の治安情報機関や民兵組織サダム殉教者軍団が関与していることも指摘されてきた。フセイン氏との結びつきで語られてきた「フセインのための」権力装置が、今後自分たちの生き残りをかけて破壊工作を続けている可能性が出てきたともいえる。

 元大統領の拘束によって、「主のない」闘争となるが、逆に旧政権残党らの破壊工作が露骨な暴力の激化に向かいかねない。

 劇的なフセイン氏拘束の発表は、四半世紀にわたってイラク民衆を恐怖で縛り付けてきたフセイン体制が文字通り終わったことを明白な事実として提示した。フセイン氏の個人独裁の過去はもはや戻ることはない。しかし、米英の占領体制が、どのような形で終わるのかはまだ定かではない。

 来年6月のイラク人による暫定政権成立までに、米国主導で進む主権移譲プロセスが親米政権の成立で収まるのかどうか。「フセイン後」を巡るイラク国内の熾烈(しれつ)な権力闘争が噴き出す可能性はより強まったといえよう。 (12/15 02:34)

これに対する批判テキストがネット内論者により2つ。
わかば日記
http://www.akaokoichi.net/

ところで,この記事は確かに酷すぎる。激しい交戦があるはずだ,無防備な姿をさらすはずがないと思われる,激化してきた可能性が高い,対米抗戦に出ていると見られる,楽観的すぎるだろう,可能性が出てきたともいえる,向かいかねない,まだ定かではない……。すべて臆測に基づいた展望・解説記事である(だったら署名原稿にしろよ:*2)。逃げを打つ文体のバラエティはみごとである。しかし,ここで語られるのは事実に基づく展望ではなく,固定観念に基づいた期待でしかない。

1―口腔内粘膜を採取・分析する方法だと6時間で鑑定結果が出るそうだ
2―紙面では川上泰徳・中東アフリカ総局長(バグダッド発)の署名あり

↓Irregular Expression
http://www.wafu.ne.jp/~gori/diary3/000204.html

しっかしまぁフセイン拘束に対して、反米・反日の為に必死だったマスコミや野党の連中のコメントは見苦しいね。朝日の記事なんて妄想にまみれてる


(朝日の記事の引用部分は略)


「はずだ」「思われる」「可能性が高い」「見られる」と、朝日の主観で「とにかくフセインイラク内の反米勢力には全く影響力が無くて、拘束されても対米攻撃には全く影響がないどころか更に激化しますよー」と一生懸命扇動してるが、産経新聞では


クウェート侵攻など正当化 フセイン元大統領、強気の姿勢も
 イラク統治評議会のパチャチ評議員ら評議会の代表4人は14日、記者会見し、同評議員らがフセイン元大統領と同日に面談し本人と確認したと述べた。また、元大統領は米軍への攻撃の一部を指揮していたことを認め、1990年のクウェート侵攻を正当化する発言をしていたことも明らかにした。
(Sankei Web 12月15日)
あっさりフセインが米軍攻撃の一部を指揮していた事を認めたという事実を書いてある。

ま、こういうこと言っても「アメリカのプロパガンダだ」とか言い始める人も居るだろうが、イラク統治評議会の記者会見内容に対して朝日の記事は朝日の反米という固い意思によって書かれた「イラクに記者も送ってない極東マスコミの反米プロパガンダ(しかも日本国内向け)」だろ。「アホ言う奴がアホ」レベル以下ですな。

一つ言えるのは朝日新聞はこれからもイラク国内の紛争が起りまくって平和なんて訪れないことを心から願っているって事くらいですかね。

反米とか反日でマトモな判断下せなくなってる奴は、何処までいってもアホですな。今日はそのアホっぷりを久米宏筑紫哲也が存分に曝してくれることでしょう。見逃すな!

産経新聞の元テキストはこちら。ただし産経独自の取材ではなく共同通信の記事のようです。
クウェート侵攻など正当化 フセイン元大統領、強気の姿勢も(産経新聞
http://www.sankei.co.jp/news/031215/1215kok017.htm

 イラク統治評議会のパチャチ評議員ら評議会の代表4人は14日、記者会見し、同評議員らがフセイン元大統領と同日に面談し本人と確認したと述べた。また、元大統領は米軍への攻撃の一部を指揮していたことを認め、1990年のクウェート侵攻を正当化する発言をしていたことも明らかにした。
 元大統領は、クルド人に対する化学兵器の使用やイラン・イラク戦争についても正当化しようとしていたという。

 一方で、元大統領は自分自身の拘束を喜んでいる人々について「野蛮人だ」と述べ、自分自身の政権下で行われた政敵などの大量虐殺については「(殺されたのは)イラクに対する裏切り者、泥棒、脱走兵らだ」と述べ、強気の姿勢だったという。

 評議員らによると、面談は約30分に及び、元大統領は肉体的にも精神的にも疲労している様子だったが、自分自身は正当な統治者だったとの態度を崩さず、悪いことをしたとの感情は一切表さなかった。(共同)

イラク統治評議会の記者会見(公式)テキストを探してみたのですが、見当たりませんでした。というより、フセイン元大統領の弁明発言をメディアが流さないのは、俺的にはあまりいいこととは思えませんでした。世の中では、何か言いたいことがある犯罪者(犯罪容疑者)の発言を直接メディアに乗せてはいけない、という不文律のようなものがあるんでしょうか。
あと、新聞記者の「川上泰徳」という名前で検索したら、こんなテキストも発見。
↓テロの跡 少女のノート散乱
http://www2.asahi.com/special/iraqattack/unrest/030629.html
↓犠牲者の父「暴力は米の責任」
http://www2.asahi.com/special/iraqattack/unrest/030630.html
記者というより、物語作りの職人さんみたいな風情です。うーん…。新聞社から金もらって反米活動しているようでもあり(反米活動そのものは、肯定も否定もしませんが、金のもらいどころが違う気もします)。