白血病(小児白血病)について

諸外国、また日本国内では増加しているのか、もしそうだとしたら、その原因は何に由来していると専門家は判断しているのか、に関する調査(←やっておきたいことのメモ)。
こんなのもあった。
↓小児白血病をめぐる永い話も漸く結末か?
http://www.taishitsu.or.jp/topics/t9909-a.html


 1987年:上記ブラック委員会の委員の一人であるガードナー教授は、シースケール小学校の児童について疫学研究を行ったところ、シースケール村で生まれた子供達に白血病が多発しているのに、この村以外で生まれて越してきた子供達には多発は認められなかった。
 1990年:ガードナー教授はやり方を変えて、25歳以下の白血病およびリンパ腫について、シースケールを含む地域で生まれた白血病とそれの対照者について症例・対照研究を行った。その詳細は省略するが、結論として白血病と一番強い関連を示したものは父親の放射線被曝で、しかもそれが線量の高いほど白血病発症の相対リスクが高くなることを示唆した。しかも受精6ケ月の線量が10mSvでリスクが約5と高いものであった。
 これがガードナー仮説として注目を集め、実験的、疫学的な検討が世界中で行われた。とうのは、もしこの通りであるとすれば、今まで考えられていたよりは遙かに少ない線量でしかも子に放射線の影響が出るということになるからである。実はこのことは1982年の阪大医放射線基礎医学の野村大成教授の研究「親マウスにX線を照射し、それらから生まれた仔マウスを飼っていると発がん頻度が高いことを見いだし、それが遺伝性であることを証明した」が生物学的な支えになっている。しかし、野村の実験では数百mSv以上の高線量を要したのに、ガードナーらの場合は10〜100mSvとあまりにも線量が低い。
 1991年〜:広島・長崎の原爆例では早速親子の関係で再調査がなされたが、ガードナー仮説を支持する結果は得られなかった。その後いろんな原子力施設でその従業員の子供についての調査がなされたが、いずれも答えはNoであった。では一体シースケールでの白血病多発の原因は何か。これについてガードナー仮説が出された時に、別の解釈としていろんな説が出された。そのなかにキンレンのニュータウン説というのがあった。それは、新しい核施設では、人里離れたところにいろんな所から人を集めてニュータウンが作られる。このような場所では、免疫のない人々(特に感染しやすい乳幼児)と、感染因子(例えばウイルス)を保持した人とが接触し、その結果小児白血病が多発するのではないか、というものである。キンレンはこの考えのもとに、新しい工業団地と大都会周辺の町について調べて工業団地のニュータウンでのみ小児白血病の多発を認めたので、この説が正しいとしていた。
少し、というかかなり面白い調査ですが、これがイラクでの子供の白血病増加(ということがもしあるならば)の原因・遠因になっているかどうか…。