「ガンマ線」の測定器で何ができるのか

藤田祐幸さん(慶應義塾大学)は、このようなことを言っていました。
↓反原発講座スペシャル「反劣化ウラン弾と反原発
http://www.hangenpatsu.net/kawaraban/archives/000249.html


 −−イラクを訪問されたのは、昨年の夏前でしたっけ?

●五月下旬から六月はじめにかけてですね。ガンマ線の測定器を使っていろんな場所の放射線強度を測定し、被弾した戦車の内側などを濾紙で拭き取った試料と、製氷工場で採取した粒状の試料を持ち帰りました。劣化ウラン弾やその残骸が至るところで見つかり、撮影してきました。

一方、このようなことを言っている人もいます。
イラク戦争劣化ウラン情報 No.10 2003年12月24日
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/DU/no_du_report10.htm

(2)実は石破防衛庁長官のふざけた態度は、自衛隊員も含めた市民の間であまりに不安が強まったために実際上すでに破産しています。石破長官は16日の参議院外交防衛委員会社民党大田議員の「放射能測定器を持って行くという報道があるが本当か」という質問には「確定していない」と答えました。しかし、20日には防衛庁は派遣隊員全員に「新型線量計」を携帯させることを公表せざるを得なかったのです。
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20031221&j=0022&k=200312213429
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031221-00000069-mai-soci

 この「新型線量計」なるものは原発の中で使われているポケット線量計と同種のものと思われます。原発労働者が浴びた放射線の量を知る(あるいはアラームが鳴って被曝限度になるまで働かせる)ために使われている計器です。これを全員に付けさせることは、サマワの環境が原発の内部と同程度に危険であることを間接的に認めたことになるのではないでしょうか。

 しかし、この発表自体が許し難いごまかしです。まるで政府と自衛隊が「万一の危険」に備えて「万全の体制」を取っているかのような演出として行われています。しかし、この計器で測定することができるのはガンマー線とベータ線だけです。ウランから出るのは主としてアルファー線であって、ガンマー線は極少しか出ません。だからこのような計器では戦車への劣化ウラン弾の貫通口のごく近くに持って行かなければ検出出来ません。これ以外の場合は、事実上劣化ウランを検出できないのです。そんなデタラメな計器を持たせて、それであたかも対策を取ったかのように宣伝し、不安に駆られた自衛隊員やその家族、そして一般の市民を騙そうとしているのです。悪質と言うほかありません。

自衛隊の持っていく「ガンマー線とベータ線」の線量計は「デタラメな計器」だそうですが、そうすると藤田祐幸さんが「ガンマ線の測定器」を使っておこなったという調査は「デタラメな調査」なんでしょうか。
左寄りの人にもいろいろな意見があってよく分かりません。藤田祐幸さんが使用したのは「いいガンマ線の測定器」で、自衛隊が持っていくのは「わるいガンマ線の測定器」なんでしょうか。
まぁ、俺は「ガンマ線の測定器」を持っていくことそのものは、劣化ウラン弾が使われた場所を、どの程度使われたかどうかも含めて確認するには、悪い道具ではないと思うので反対はしません。
ていうか、「イラク戦争劣化ウラン情報」書かれた人は、自衛隊に何を持っていってもらいたいんでしょうか。