「アラブの子どもとなかよくする会」ってどうよ

(2011年3月26日追記)
 このエントリーの最後に、「アラブの子どもとなかよくする会・西村陽子」様よりいただきましたメールがありますので、許諾を得まして必要な部分を掲載しました。よろしくご確認ください。
 
森住卓ホームページから
http://www.morizumi-pj.com/


白血病の薬は日常的に外国のNGOに依存している状態です。
 戦後、同病院を訪問した外国のNGOが薬の寄付を約束していったのに、誰も持ってきてくれませんでした。私は6月以降2万ドル分を2回に分けて運びました。ドクターから今必要な薬のリクエストをもらって、アンマンで買いつけて持ってきました。ちょうど在庫が無くなる時で、とても喜ばれました。
 現在は日本NGOの支援やキーマディア(保健省・薬の配給機関)から少しずつ入ってくるようになってきました。「いまは綱渡りの状態、治療を安定的に続けられない。特に日本のNGOの支援の薬で繋がっている状態です」「子どもたちの命はみなさんの寄付する薬で繋がっています」とマンスール小児教育病院のDr.サルマは言っていました。
寄付金は「アラブの子どもとなかよくする会」へ
↓ところが、「ジャミーラ・高橋批判サイトとして著名になった「頭巾サイト」ではこんなテキストも。
http://www.geocities.jp/marikatokyo/infsk/n6m17f.htm

No.94
Date: Sun, 29 Feb 2004 11:23:06 +0900
Subject: マリカ様 村岸さん、お元気ですか

マリカ様
お元気ですか?
私は相変わらず、オペラ・アリアのCDの録音再録音を何度も何度も繰り返しています。
そして、今までの概念を覆す、電磁気学の研究をしています。
ですから時間がないのですが、こんな世の中おかしすぎると思いを書き続けています。
そんな時、小泉氏の高校生に対する心ない言動に抗議すべく
「奇跡と仮城の平和憲法」、「国際刑事裁判所に背を向ける日米」、IXXXさんに届けようとしたら、

NGO「イラク救済基金
のページにたどり着きました、
そこには、次の記述がありました。
イラクの援助窓口 西村ようこ「アラブの子どもと仲良くする会」
高遠なおこ
村岸ゆきこ
JVC
管理人:ありがとうございます。よく見つけていらっしゃいました。
「アラブの子どもと仲良くする会」は、湾岸戦争イラク援助の筆頭人、I.M.さんが
おやりになっていらっしゃいましたが、寄付金流用の度が過ぎて、当時のイラク大使館から
イラク入国ビザがおりなくなったことにつきましては、
頭巾サイトのプロローグ「ビザの交付停止」、「ビザなし出発」、「拒否されても入国する理由」
などについて、ご説明させていただいております。
しかし、頭巾サイトという名称が一般的になり、イラク援助の頭巾は悪者という印象が強くなり、
もともとイラク・ビジネスで蓄財をしていたI.M.のグループは、ライバルの失脚でさぞ喜んでいる
ことでしょう。現時点での登場人物表に名前が出てきていないし。
本日から登場させます、短髪という名称で。そうすると今度は、頭巾が喜ぶわけです。
追求されているのは、自分ばかりではない、やったあ。
短髪は、矛先が頭巾に向いている間に、また、募金を開始して、集められるだけ集金して
しまおうとしている可能性があります。
なにしろ、イラク戦争からはじめてイラク援助に関わった人、たとえば青春君などは、
湾岸戦争当時の、イラク援助寄付金疑惑をよく知らないため(または、知っていても
気にせずに)、自分の行う報告会に、「アラブの子どもと仲良くする会」のメンバーをゲストで
招いてしまうくらいです。
イラクを救おうと言うだけで、どれくらい集金できるか、イラク・ビジネスがどれほど
おいしいものなのか、ということは、イラク寄付金ビジネスに関わった人たちが、人道援助を
本職にしてしまったり、結束して、当頭巾サイトを毛嫌いしていることからも、うかがえます。
どのくらい簡単に寄付金が集められるかを、見てしまうと、もう、馬鹿らしくて、自分で労働しようなど
思わなくなってしまうのは、大変恐ろしいことです。
猫姫には、「イラクでの滞在支弁はどうなっているのか」聞いたとたんに、メールが来なくなって
しまいました。
人道援助というのは、自分を助けることではなくて、人を助けることです。

俺は、寄付金というのは、震災・津波その他の天災を除くと、寄付する側の精神的満足以外には得られないもののつもりでやったほうがいい、と思っているので、たとえば怪しげな団体に寄付金が怪しげな形で使われようと(「アラブの子どもと仲良くする会」が怪しげな団体だ、という意味ではありません。少し誤解を招きそうだな)、寄付した当人が満足すればそれでいいんじゃないかという考えがあります。もちろん俺はそのような自己満足はあまり好きではないので、寄付行為に懐疑的ですが。
で、今回、「アラブの子どもと仲良くする会」に対して好意的なテキストと、そうでないテキストの二つを紹介してみたんですが、俺の基本的姿勢は、例によって「真実(事実)が知りたい」という点です。具体的には、
1・「アラブの子どもと仲良くする会」が送っている、という、「白血病の薬」とはどのようなものなのか(まぁ多分「有機ヨード」ではないとは思いますが)。
2・「アラブの子どもと仲良くする会」が、イラク大使館からビザが降りなくなった・なっているというのは本当か(現在はどうなのか)。またその理由は「寄付金流用の度が過ぎて」なのか。
3・募金運動はそんなに儲かるものなのか(「アラブの子どもと仲良くする会」はちゃんと会計的なものの公開をやっているのか。他の募金団体はどうなのか)。
ということですね。
劣化ウラン弾に関してはどうも、その「怪しげな科学的性質」と同レベルで、怪しげな団体・個人が多すぎるような気がします。繰り返しますが、「アラブの子どもと仲良くする会」が怪しげな団体だ、という意味ではありません。少し言いかたを変えると、「真実・事実を知ろうとかではなく、反米・反核、あるいは別の目的(金儲け?)のために劣化ウランを利用しているように、俺には思える団体・個人」ということですね。
 
(2011年3月26日追記)
アラブの子どもとなかよくする会・西村陽子様のメールです(部分)。

イラク支援に取り組んでいる「アラブの子どもとなかよくする会」の西村陽子です。突然のメールで失礼いたします。
イラクの子どもたちに寄付を考えているという人から連絡が来ました。用件は「一緒に寄付集めをした仲間から、“アラブの子どもとなかよくする会は寄付金の使い道があやしい”という記事がインターネット上にあり、寄付はほかのNGOに送った方がよいのではないかという意見が出たが、事実はどうなのか?」という問い合わせでした。“アラブの子どもとなかよくする会”で検索すると愛・蔵太様の日記が出てきました。話の内容から前述の方もこの日記をご覧になったのではないかと思われ、今後、当会の活動に興味をもってくださる方々が愛・蔵太様の記事を読んで、どういう印象を抱くかについて考えました。以下、愛・蔵太様が疑問とされている点やアラブの子どもとなかよくする会の考えについて説明しますので、対応をお願いいたします。
まず、日記に引用されている記述についてですが、「好意的なテキスト」は私が実際に森住氏に対し説明したこと、現地のDRから受けた言葉をそのままお伝えしたもので、私からすると100%の真実ですが、一方「そうでないテキスト」に出てくる内容は事実と大きく食い違っています。例えば、このサイトの管理人が言及している時期には、当会の代表は家庭の事情でイラク支援にはかかわっていませんでした。また、団体、個人ごとに考えや支援のやり方が違うのは当然ですが、当会が他のイラク支援のグループと張り合うような関係にあったという事実もありません。
 
愛・蔵太様が知りたいとされている点については
1.当会が送った「白血病の薬」について
バグダッドの子ども福祉教育病院とセントラル小児教育病院の処方箋、要請に基づき、ヨルダンで購入してイラクに運んだり、治安悪化後は現地業者に輸送してもらったりしました。当時寄付したものは、抗がん剤や抗生剤(6MP、Fortum、MTX、Endoxan、ASP、Folinic acidなどいずれも現地での呼称)、アンビューバッグ、プレパラート、消毒液などでイラク人医師とヨルダン人薬剤師で調整してもらい、当会が出せる寄付金の額に応じて購入、輸送手配をするというものでした。
 
2、当会にビザが下りなくなった件について
2003年のイラク戦争後、従来のイラクのビザ制度は消滅していましたが、戦争前の数年、当会代表にビザが下りなかったという事実はありました。しかし、寄付金の流用が理由でないことは確かです。
 
3、募金活動はもうかるか?会計の公開はどうなっているか?について
募金活動は団体によって、寄付金の何%かの手数料をとり団体運営資金に回すなど差がありますが、当会は寄付、支援金に充てるための物販収入(当会に提供された写真家からのポストカードや写真集の売り上げなど)は全額、現地での物資購入資金、またはその物資輸送にかかる費用、運転手や通訳の経費のみに使っています。メンバーの渡航費用、ニュースレター発行などの事務経費は、国内で講演した際の謝礼などをあて、それで足りない分はメンバーの自己負担でやりくりしています。会計の公開については、1993年の活動開始時より現在まで、郵振や書留で寄付をいただいた方、会場寄付でも住所がわかる方には領収書とニュースレターで2年後まで活動・会計報告をしています。インターネットが普及して以降、イベント会場で募金してくださった方などへはネット上で報告すべきだったかもしれませんが、そこまで手が回りませんでした。当会のメンバーはボランティアとして活動しているので、自分の財布から持ち出すことはあっても個人的な収入になることはありません。
 また、愛・蔵太様が最後に書かれている「真実・事実を知ろうとかではなく、反米・反核、あるいは別の目的(金儲け?)のために劣化ウランを利用しているように、俺には思える団体・個人」ということについて、当会は、イラクのがんの子どもたちを支援しているので劣化ウランには必ずかかわる部分がありますが、「イラクでがんの子どもが増え続けている現状を知らせ、一人でも多くの子どもたちを救いたい」「イラクの人たちのことを日本の人に知ってほしい」を主な目的として活動しています。核の軍事利用は絶対反対ですが、反米や別の目的ではありません。また、当会の活動は規模が小さく、たいしたことはできないゆえ、お預かりして現地に届けたものは、子どもの書いた手紙でも、古着一枚でも、寄付してくださった方にできるだけ詳しく報告することを心がけています。
 
アラブの子どもとなかよくする会 西村陽子