井上喜一氏の発言とその背景

↓「元気な女性多くなったのか」 佐世保事件で井上防災相(朝日新聞
http://www.asahi.com/special/sasebo/TKY200406040200.html


 井上防災担当相は4日午前の閣議後の記者会見で、長崎県佐世保市で小学6年生の女児が同級生の女児にカッターナイフで切られて死亡した事件について「元気な女性が多くなってきたということですかな」などと語った。これに対して細田官房長官は「誤解される発言。訂正すべきだ」と求めたが、井上防災相は「真意が伝わっていない」などとして、訂正や撤回には応じない考えを示した。与野党からは軽率な発言との批判が出ており、今後も尾を引きそうだ。

 井上防災相は、事件について自らの感想を語る形で「(加害者は)女の子だからね。これは従来の考え方をある意味で多少覆すことじゃないですか。男がむちゃやって、なんかしでかす、ということはかつてはあったかもわからんが、女の子がやったというのは初めてじゃないですか。今までありましたかね。最近、男、女の差がなくなってきたんだね。元気な女性が多くなってきたということですかな、総じて。どこの社会も」などと発言した。

 この後、発言が問題視されたことから、改めて会見を開き、「たまたま事件に女性が出てきたから、一般論として言っただけ。男女の差と事件とは関係ない」などと釈明した。そのうえで「(発言は)不適切じゃない。訂正しない」と述べ、訂正や撤回はしない考えを強調した。

 これに対して細田官房長官は4日夕の記者会見で「真意はともかく、誤解されやすい内容で、問題だ。訂正すべきだと思っている」と述べ、訂正するよう井上防災相に注意したことを明らかにした。

 しかし井上防災相はこの後、記者団に、細田長官と十分に意思疎通が出来ていないなどと説明。「私は間違った発言を言ったとは思っていない。長官には『迷惑をかけた』と話した」と述べ、発言の訂正には応じない考えを繰り返した。

 井上防災相の一連の発言について、小泉首相は4日夜、「誤解されないように、発言は慎重にしないといけない。大臣だから。(発言の趣旨は)これは長崎事件と関係ないでしょう。事件に結びつけない方がいいですよね」と記者団に語った。 (06/04 20:44)

↓井上担当相が不適切発言 長崎の小6女児殺害で(産経新聞
http://www.sankei.co.jp/news/040604/sei057.htm

 井上喜一有事法制担当相は4日午前の記者会見で、長崎県佐世保市で小6女児が同級生に首を切られ死亡した事件について「まあ、元気な女性が多くなってきたということですかな。総じて、どこの社会もそうでないかな」と述べた。

 井上氏は加害者が女児だったことに関し「従来の考え方をある意味で多少覆すことじゃないか。男がむちゃしたのはあったかも分からないが、女の子はこういうのは初めてじゃないか」と指摘。その上で「最近は男、女の差がなくなってきたんだね」と述べた。

 細田博之官房長官はこの後の記者会見で、井上氏の発言について「真意が分からない。男性か女性かはあまり本質的な議論であるとは思わない」と述べ、不適切な発言だったとの認識を表明した。

(06/04 12:42)

↓井上担当相:佐世保事件「元気な女性多くなった」と発言(毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040604k0000e010049000c.html

 長崎県佐世保市の小6同級生殺害事件をめぐり、井上喜一防災担当相は4日の閣議後会見で、家裁送致された加害者が女児(11)だったことについて「どこの社会も元気な女性が多くなってきたということですかな」と発言した。加害女児を「元気」と表現したことは今後、論議を呼びそうだ。

 井上担当相はさらに「(加害児童は)女ですからな。男がむちゃをやってということはあったかも分からないけど、女の子(のこうした事件)は初めてじゃないか」と述べ、「最近はもう男、女の差がなくなってきたんだね」と感想を漏らした。

 細田博之官房長官は同日の会見で、「事件の深刻さに比べて軽い発言ではないか」との質問に、「そうですね」と適切さを欠くことを認めた。そのうえで「男性か女性かというようなことはあまり本質的な議論であるとは思わない」と述べた。

 ■井上防災相の発言は次の通り。

 しかも(加害児童は)女ですからな。女の子だからね。これは従来の考え方をある意味で覆すことになる。男がなんか無茶をやって、ということはあったかも分からんけど、女の子(の事件)は初めてじゃないですか。今まであったかね。最近は男、女の差がなくなってきたんだね。まあ、元気な女性が多くなってきたということですかな、総じて、どこの社会も。

毎日新聞 2004年6月4日 12時00分

↓「元気な女性多くなった」小6事件で井上防災相(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20040604i104.htm

 井上防災相は4日午前の閣議後の記者会見で、長崎県佐世保市の小6女児がカッターナイフで切りつけられ死亡した事件について、「従来の考え方をある意味で覆す。(これまで)男がむちゃやって何かしでかすことはあったかもしれないが、女がやったというのは初めてではないか。最近は男女の差がなくなってきた。元気な女性が多くなってきた。総じてどこの社会も」と述べた。

 この後、防災相は同日昼、再度記者会見し、「一般論として最近の世相がそういうもの(男女差がない)と言ったのであって、事件に対するコメントではない。誤解を受けるとはつゆ考えなかった。私の本意ではない」と釈明した。ただ、「撤回、訂正する考えはあるか」との質問には、「しない」と答えた。

 この発言について、細田官房長官は同日午前の記者会見で「(事件の当事者が)男性か女性かは本質的な議論ではない」と述べ、不適切な発言であるとの認識を示した。

(2004/6/4/14:13 読売新聞 無断転載禁止)

発言の全文テキストが見当たらないので、少し探してます。今しばらくお待ちを。