秋葉・広島市長は平和宣言で何と言ったか

lovelovedog2004-08-08

核兵器許さず、護憲を 6日広島原爆の日Yahoo!共同)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040805-00000206-kyodo-soci

 広島は6日、59回目の「原爆の日」を迎える。広島市中区平和記念公園では午前8時から「原爆死没者慰霊式・平和祈念式」(平和記念式典)が開かれ、被爆者や遺族、小泉純一郎首相らも参列。犠牲者の冥福を祈り、核兵器廃絶と恒久平和の実現を誓う。
 国内外で武力による紛争解決や核兵器を容認する風潮がみられる中、秋葉忠利市長は平和宣言で「日本政府は世界に誇る平和憲法を擁護すべきだ」と訴え、憲法改正の動きをけん制する。
 また、小型核兵器の研究を解禁した米国を「唯我独尊主義の極み」と厳しく批判。北朝鮮の核開発に対しても「実のない『核兵器保険』への加入だ」と憂慮を表明する。(共同通信
[8月5日18時52分更新]

(太字は引用者=俺)
天上天下唯我独尊」というのは釈迦の生誕の言葉として有名ですが(本日の画像にも入れてみました。オリジナルはこちら→http://www.kitanet.ne.jp/~kiya/paper/material/hanamaturi6.jpg)、この市長の平和宣言にクレームが来た様子。
↓唯我独尊を自己中心に 平和宣言で市長が訂正[ 08月06日 13時21分 ] (Excite・共同)
http://www.excite.co.jp/News/society/20040806132103/Kyodo_20040806a406010s20040806132111.html

 広島市は6日、秋葉忠利市長が平和記念式典で読み上げる予定だった平和宣言の「唯我独尊主義」との言葉を「自己中心主義」に訂正した。
 式典後、訂正の理由について秋葉市長は「(唯我独尊には)俗世界での意味もあるが、宗教的な意味もある。平和宣言はできるだけ多くの市民の声を反映させるものと考え、変更した」と説明した。
 当初、平和宣言では小型核兵器の研究を解禁した米国について「唯我独尊主義の極み」と表現。これに対し、浄土真宗本願寺派の安芸教区教務所が「どれ一つとして尊くない命はなく、だからこそ尊いというお釈迦(しゃか)様の言葉の誤用だ」と訂正を申し入れていた。
 式典終了後、同教務所は「市長の英断で非常に適した言葉に置き換えられて読み上げられ、敬意を表する」との談話を発表した。

そんな意味があるとは知りませんでした。というか、釈迦の生誕画像のポーズは普通「俺が天上天下で一番えらいんだぜ」という、ハルク・ホーガンのポーズかと思います。
↓公式発表の「平和宣言」はこちらです
http://www.city.hiroshima.jp/shimin/heiwa/pd/pd2004j.html

「75年間は草木も生えぬ」と言われたほど破壊し尽された8月6日から59年。あの日の苦しみを未(いま)だに背負った亡骸(なきがら)――愛する人々そして未来への思いを残しながら幽明界(ゆうめいさかい)を異(こと)にした仏たちが、今再び、似島(にのしま)に還(かえ)り、原爆の非人間性と戦争の醜さを告発しています。

残念なことに、人類は未(いま)だにその惨状を忠実に記述するだけの語彙(ごい)を持たず、その空白を埋めるべき想像力に欠けています。また、私たちの多くは時代に流され惰眠(だみん)を貪(むさぼ)り、将来を見通すべき理性の眼鏡は曇り、勇気ある少数には背を向けています。

その結果、米国の自己中心主義はその極に達しています。国連に代表される法の支配を無視し、核兵器を小型化し日常的に「使う」ための研究を再開しています。また世界各地における暴力と報復の連鎖は止(や)むところを知らず、暴力を増幅するテロへの依存や北朝鮮等による実のない「核兵器保険」への加入が、時代の流れを象徴しています。

このような人類の危機を、私たちは人類史という文脈の中で認識し直さなくてはなりません。人間社会と自然との織り成す循環が振り出しに戻る被爆60周年を前に、私たちは今こそ、人類未曾有(みぞう)の経験であった被爆という原点に戻り、この一年の間に新たな希望の種を蒔(ま)き、未来に向かう流れを創(つく)らなくてはなりません。

そのために広島市は、世界109か国・地域、611都市からなる平和市長会議と共に、今日から来年の8月9日までを「核兵器のない世界を創(つく)るための記憶と行動の一年」にすることを宣言します。私たちの目的は、被爆後75年目に当る2020年までに、この地球から全(すべ)ての核兵器をなくすという「花」を咲かせることにあります。そのときこそ「草木も生えない」地球に、希望の生命が復活します。

私たちが今、蒔(ま)く種は、2005年5月に芽吹きます。ニューヨークで開かれる国連の核不拡散条約再検討会議において、2020年を目標年次とし、2010年までに核兵器禁止条約を締結するという中間目標を盛り込んだ行動プログラムが採択されるよう、世界の都市、市民、NGOは、志を同じくする国々と共に「核兵器廃絶のための緊急行動」を展開するからです。

そして今、世界各地でこの緊急行動を支持する大きな流れができつつあります。今年2月には欧州議会が圧倒的多数で、6月には1183都市の加盟する全米市長会議総会が満場一致でより強力な形の、緊急行動支持決議を採択しました。

その全米市長会議に続いて、良識ある米国市民が人類愛の観点から「核兵器廃絶のための緊急行動」支持の本流となり、唯一の超大国として核兵器廃絶の責任を果すよう期待します。

私たちは、核兵器の非人間性と戦争の悲惨さとを、特に若い世代に理解してもらうため、被爆者の証言を世界に届け、「広島・長崎講座」の普及に力を入れると共に、さらにこの一年間、世界の子どもたちに大人の世代が被爆体験記を読み語るプロジェクトを展開します。

日本国政府は、私たちの代表として、世界に誇るべき平和憲法を擁護し、国内外で顕著になりつつある戦争並びに核兵器容認の風潮を匡(ただ)すべきです。また、唯一の被爆国の責務として、平和市長会議の提唱する緊急行動を全面的に支持し、核兵器廃絶のため世界のリーダーとなり、大きなうねりを創(つく)るよう強く要請します。さらに、海外や黒い雨地域も含め高齢化した被爆者の実態に即した温かい援護策の充実を求めます。

本日私たちは、被爆60周年を、核兵器廃絶の芽が萌(も)え出る希望の年にするため、これからの一年間、ヒロシマナガサキの記憶を呼び覚ましつつ力を尽し行動することを誓い、全(すべ)ての原爆犠牲者の御霊(みたま)に哀悼の誠を捧(ささ)げます。


2004年(平成16年)8月6日


広島市長  秋 葉 忠 利

今回のネタは、以下のサイトに完全依拠してますんで、オリジナル部分はあまりありません。
↓広島原爆の日〜唯我独尊〜(週刊週刊オブイェークト
http://plaza.rakuten.co.jp/obiekt/diary/200408060000/