割とまともな神浦元彰さんのメールのお返事

以下のサイトから。
↓日本軍事情報センター
http://www.kamiura.com/
以下のメールの返事を見る。
↓Re:メールにお返事
http://www.kamiura.com/mail.html

 ご無沙汰しております、00です。先日はWeb上にてお返事を頂き、ありがとう ございました。

  さて表題の件、「やっぱり危険なのでは?」というご意見がありましたので、まずはたたき台としての情報をご紹介します。

 このWebページは文部科学省の委託 を受けた「科学技術振興機構」という独立行政法人が作成しています。ほぼ政府 の公式見解とイコールと見てよいと思います。 http://www-atm.jst.go.jp/atomica/04020111_1.html もちろん、この文中の「湾岸戦争においてこれらの劣化ウランが兵士の健康に影 響を与えるという有意差は現れていない」という文章を100%そのまま信じるほど お子様ではありませんが、「劣化ウラン放射線障害は主として透過力の小さい α線によるものであり、外部被ばくはほとんど問題にならない」の部分は特に否 定する材料はないものと思っています。

 ウランは、国際原子力機関IAEA) の放射線防護基準では(原子爆弾の原料/核燃料となるU-235ですら)危険度の 最も低い第4群に属しているそうです。 ※日本の放射線障害防止法でもかなり規制のゆるいグループに属しているよう  です。時間があればもう少し調べてみます。 また「武力紛争における劣化ウラン兵器の使用」という題で、以下のようなレポー トも公開されています。この方は劣化ウラン使用兵器には否定的な立場を取って おられるようですので、バランス上もよい資料でしょう。

http://home.hiroshima-u.ac.jp/heiwa/Pub/29.html

 上記のWebサイトや、根拠ある資料を読んで私の調べた限りでは、以下のような 要約になります。  

(1)短期的な外部被曝に関しては、劣化ウラン放射線障害が起きるはずが無い。現時点ではイラク戦争における放射線障害被害は無いはず。  

(2)ただし、重金属に類することによる化学毒性による健康被害が発生している事は十分に考えられる。

  ※上記URLによると「化学毒性は砒素と同程度、鉛や水銀よりも低い」となっています。  

(3)加えて、体内に蓄積されることによる内部被曝に関しては100%否定は出来ない。癌の発生率が僅かに上昇しているとの報告もあるが、いずれにしろ10年単位の長期的な追跡調査が必要である。 ということで、前回のようなE-Mailをお出ししたような次第なのです。

 繰り返しになりますが、問題は「ウラン」という言葉をどうしても核兵器や核開発と結び付けたい、所謂「プロ市民」や一部マスコミが、あたかも今、目の前の もっとも重大な危険として放射能汚染の恐れがあるように喧伝している点にあり ます。

 最悪の場合、実際に劣化ウランによって健康被害を受けている人々が、彼 らの「為にする」主張の為に適切な治療を受けられない、という事態に陥ることをもっとも懸念しています。

※最近流行の「プロ市民」という言葉ですが、アメリカにも「ボランティアヒッピー」  という言葉があるそうですね。「ボランティア名目で寄付を募り、その金で  バックパッカー生活を楽しむ。 帰国後はそれをネタに旅行記や講演会で一儲  けする人」だそうで……人間って、昔からやること変わってないんですね。

  以上、とりあえずのたたき台としての資料をお知らせしました。ご参考になれば幸いです。

  追伸  ご指摘を受けましたので、「放射能」「放射線」「放射性物質」や「被爆」と  「被曝」の違いについては気をつけて書いてみました。まだミスがありました  らご指摘頂ければ幸いです。

このメール(俺の考えと非常に近いメールですが、出したのは俺ではありません)に対し、神浦さんは以下のようにお答えしたみたいです。

 「本当に劣化ウラン弾に危険はないのか」というメールをくれた方から、確かに納得しました。ありがとうというメールの返事が届いています。

 ですから問題は解消したと思っています。しかし一部の文化人が劣化ウラン弾の不勉強を反省しないで、あくまで核兵器として解説を続けるかという問題が残っています。

 私は母が被爆者で反核意識は強いと思っています。この軍事の道に入ったのも、核兵器を廃絶したいという気持ちがありました。しかし間違った論理は許せません。劣化ウラン弾を勉強しないで、単純に反核で反対する姿勢に怒りを感じています。

 フセイン時代のイラクでは、全国から子供の白血病患者をバスラに集め、劣化ウラン弾の犠牲者として海外のメディアに公開したことがあります。いわゆるプロパガンダ(政治宣伝)です。そのようなプロパガンダを見抜く力をつけないと、善意のジャーナリストが政治に利用されます。

えー!? なんか全然まっとうに、俺には思えたんですが。なんか、神浦さんの「可能性も否定できない」という部分を過剰に(あるいは、文科系的に)判断して騒いでいる人がいるのかな、と思いました。
以下のメールの返事も、割と普通かな、と。

 劣化ウランは長い間、いろいろな場所で使われていました。民間の航空機に使われていたことは先日のメールでご存じだと思います。しかし旅客機の機体整備で整備士が特別の放射能防護服を着用したという話は聞いたことがありません。

 私が始めて劣化ウラン弾を知ったのは、海自がアメリカからファランクスを導入したときです。このときの弾が劣化ウランだったのです。しかし日本は核の軍事利用になると、劣化ウラン弾をやめてタングステン弾に変えました。しかしその時も米軍は劣化ウラン弾の運搬や貯蔵、それに装填時に防護服を着ているという話は聞きませんでした。

 劣化ウラン弾が問題になり出したのは湾岸戦争です。イラク軍の戦車や装甲車を米軍の戦車や攻撃ヘリやA−10攻撃機劣化ウラン弾で攻撃しました。その戦場の後に残された残留放射能が、呼吸や飲食で体内に入り、骨などに蓄積されることで放射能傷害を受けるのです。

 日本では劣化ウラン弾の知識が曖昧で、劣化ウラン弾の不発弾で放射能被害を受けるとか、劣化ウラン液状化して散布する方法があるといった話も出ているようです。おそらくダーティーボブ(汚い爆弾)と混同しているのではないでしょうか。日本では劣化ウラン弾に関する本が多く出ましたが、専門的に疑問を感じるものが少なくありませんでした。特にイラク戦争中にばらまかれた米軍の劣化ウラン弾で、イラクの人口が10年間で1/10になるという話に唖然としたことがあります。

 米軍も最近になってやっと、劣化ウラン弾の燃えかすが、長期間の内に体内に蓄積されて、放射能傷害を受ける危険があると気が付いたようです。

 私のところには劣化ウラン弾に関する情報が集まります。しかし誤った認識されているものが少なくありません。例えば、沖縄で米軍が劣化ウラン弾を使った射爆場(島)付近で漁獲し、放射能汚染されたものが市場に運び込まれているといったものです。このようなことは絶対にありません。

 原子力の専門家の意見については、すでにイラクでの劣化ウラン弾の調査報告など、公正で科学的なものをこのホームぺージに掲載しています。

しかしこの、「劣化ウラン弾の燃えかすが、長期間の内に体内に蓄積されて、放射能傷害を受ける危険がある」という部分にも、過剰反応がありそうな予感。
えーと、今のところ「劣化ウラン弾放射線」と「白血病」との因果関係は証明されていないのでは、と思うんですが(マウスとかで実験中じゃなかったかな)。ましてや「奇形児の異常増加」はなおさら。