中国の反日教育についてのメモ

lovelovedog2004-09-07

↓少し細かく知りたくなって、googleで「反日 江沢民」で検索
http://www.google.co.jp/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&q=%E5%8F%8D%E6%97%A5%E3%80%80%E6%B1%9F%E6%B2%A2%E6%B0%91
↓『「反日」で生きのびる中国 −江沢民の戦争』(鳥居民・草思社)を猛烈に読みたくなる
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4794212887

中国共産党反日教育の異常さを最初に指摘したのは、天安門事件の報道でピュリツァー賞を受賞したニューヨーク・タイムズニコラス・クリストフ記者である。彼は江沢民国家主席になった早い段階から「(中国は)日本に対する憎しみをかき立てることをやめなければならない」と警告してきた。しかし、江沢民反日教育に「日本の政府主脳、外務省、マスメディアまでが沈黙を守るのをしきたりとしてきた」と本書はいう。

だいたいこんなことが書いてある本みたいです。
江沢民反日教育
http://www.hpmix.com/home/bokujin/C5_77.htm

 1994年6月に中国に弱い村山首相、河野外相の内閣が出現したが、同年8月愛国主義教育綱要が発表され、その第15条は「愛国主義教育の重点は広範な青少年にある」となっており、更に1995年6〜9月には終戦50周年記念愛国主義キヤンペーンとして中国全土に大々的な反日キャンペーンを行った。これに対して米人ジャーナリスト・クリストフ氏が日本に注意したが、内閣を始め、中国駐在の大使館をはじめ新聞社もすべてこれを無視した。このため一般の日本人が知らぬ間に中国の若い層には嫌日感情が高揚し、特にパソコンのメールなどでは激烈な反日感情が投げつけられているようである。

日中双方にとって、今となってはあまりよくないように思える代表・指導者がいた時代で、これから約10年にわたって、日本と中国はあまり良好でない関係になります。
↓ここで気になるのは「愛国主義教育綱要(愛国主義教育実施綱要)」という奴なんですが、なんと! 「はてなダイアリー」のキーワードに日本語訳が掲載されていました
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%B0%A6%B9%F1%BC%E7%B5%C1%B6%B5%B0%E9%BC%C2%BB%DC%B9%CB%CD%D7?kid=57733
すごいよ、登録した人!
中身はご覧になればお分かりの通り、「愛国心教育」で「反日教育」ではありません。
とはいえ、産経新聞にのった鳥居民さんの話。
↓中国の反日感情 江沢民氏が教育 近現代史研究家鳥居民さん指摘  “敵役”作り国民不満かわす
http://www.history.gr.jp/news/040807_10.html

 「現在の反日感情の淵源(えんげん)は、中国共産党が一九九四年九月六日付の人民日報に発表した《愛国主義教育実施綱要》にあります。これをもとに翌年から、青少年を重点対象にして、徹底した反日教育があらゆる手段を通して実施されました」
 《愛国主義教育実施綱要》は八項目四十条からなる。
 八項目の中でもっとも重要なのが第三項目だ。そこでは「愛国主義教育は人民全体の教育であるが、その重点は広範な青少年にある」として「党の基本路線を教え、中国近代史、現代史、そして基本的な国の状況を教え、中華民族の伝統美徳と優秀伝統文化を教えるように努める」と説く。
 綱要が公布された翌年からテレビでは連日抗日映画が放映され、各地では抗日記念館の建設が進められた。

ふーむ。
次に、これ。
↓The Globe Now: 作られた「反日
http://www2s.biglobe.ne.jp/~nippon/jogbd_h16/jog356.html

 中曽根首相が8月15日、靖国神社を参拝すると、訒小平胡耀邦は批判を抑えたが、長老の彭真は自民党田中派訪中団に対して、「中日戦争で2千万人もの犠牲が出た」「私の知り合いの息子は日本軍に熱湯の中で殺された」などと激烈な日本批判を展開した。

 中曽根は胡耀邦を救おうと、翌年の靖国参拝は見送るが、それも一時しのぎに過ぎなかった。学生たちも「民主化の旗手」胡耀邦を応援しようと、全国の大学で民主化要求のデモを展開したが、これがかえって災いした。87年1月、胡耀邦は「ブルジョア自由化」に断固とした処置をとらなかった事を党拡大政治局会議で批判され、辞任した。罪状の中には、訪日の際に「独断で日本の青年3千人を招待した」事も挙げられていた。

このテキストの中の「長老の彭真」という人物が気になります。江沢民の権力掌握(胡耀邦追放)の背後には、長老一派の存在があり、それが現在の反日思想を生んだ・支えている、ということなのでしょうか。
最後に、テキスト的に一番面白かったところはここでした。
↓「狭い民族主義」に陥った愛国主義教育運動
http://www.21ccs.jp/china_watching/Directors_watching_04.html

 江沢民は1995〜96年の台湾海峡でのミサイル演習を通じて、解放軍を掌握するとともに、台湾当局に対して、高圧政策を展開することを通じて、為政者の権威を示そうとした。台湾問題は愛国主義教育を推進するうえで、恰好の教材となった。台湾が日清戦争を通じて割譲されたことは誰でも知っている。そこから台湾独立批判は、直ちに日本当局批判に結びつけることができる。こうして台湾独立派およびこれを支持する日本軍国主義を仮想敵国扱いする江沢民戦略が固まった。1998年の訪日前後の事態については、細かな検証を必要とするが、おおづかみいえば、愛国主義教育運動を推進するうえで必須の「反面教師としての日本軍国主義」の一語に尽きるであろう。

 現在の問題はなにか。2003年春から夏にかけてのサーズ騒動の過程で胡錦濤温家宝指導部は急速に、その指導体制を固めた。ところが2003年秋から江沢民およびその徒党による巻き返しが始まり、胡錦濤温家宝執行部はいたるところで、妨害されている。西太后(江沢民)が光緒帝(胡錦濤)をいびる構図と見る向きが多い。指導部が二つに割れていては、順調な舵取りは望みがたい。このような、いわば二つの司令部が並行して存在し、政治改革の行方が混迷するなかで、もろもろの欲求不満を包摂する形で中国大衆の反日ムードが形成される。このように見てくると、江沢民長期政権における愛国主義教育キャンペーンの意味は明らかであろう。それは政治改革を遅延させ、サボタージュするための隠れ蓑として機能したのであり、この文脈で、江沢民の主導した愛国主義教育キャンペーンは、訒小平語録が指示した愛国主義教育とは異質なのである。

↑のテキストを書かれた矢吹晋さんが主催する「21世紀中国総研」もなかなか面白いサイトでした。
↓21世紀中国総研・ホームページ
http://www.21ccs.jp/index.html
本日の画像は、そこに掲載されていた写真で、「消された江沢民」。少し、というかとても見づらいとは思いますが、トウ小平と握手している胡錦濤の背後に、大きい写真では江沢民がいるんですが、小さいほうの写真2つでは背景の人物がすべて削られています。
↓「日本のチャイナ・ウォッチャー 310人」のところを見れば、中国の研究者が一網打尽一目瞭然
http://www.21ccs.jp/chinawatchers360/chinawatchers_a.html
ざっと見た限りでは、イデオロギーにとらわれすぎている人も、現代風にポップで軽い人もいるみたいです。


↓この話は、俺の日記の以下の記述に続きます。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040912#p1