マスコミ倫理懇談会全国協議会・第48回全国大会というのは報道規制のもとに行われた大会なのかという疑問など

↓マスコミ倫懇大会始まる 「報道の原点」テーマに(河北新報
http://www.kahoku.co.jp/news/2004/09/2004093001000626.htm

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の第48回全国大会が30日、「いま、ジャーナリズムの原点へ」をテーマに新聞、通信、放送、出版など約120社の関係者約350人が出席し、2日間の日程で神戸市中央区のホテルで始まった。
 大会では開催地を代表して神戸新聞社の稲垣嗣夫社長があいさつ。続いて作家の高村薫氏が「書き言葉のゆくえ〜読むニュース、観るニュース」と題して講演。
 午後からは分科会に分かれ、来年1月に丸10年を迎える阪神大震災に関連して「危機管理とメディアの責任」「報道規制表現の自由」などを討議。10月1日は各分科会報告と全体討議を行い、大会申し合わせを採択する。


2004年09月30日木曜日

↓マスコミ倫懇大会始まる 「報道の原点」テーマに(東奥新報日報)
http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20040930010013461.asp

 マスコミ倫理懇談会全国協議会の第48回全国大会が30日、「いま、ジャーナリズムの原点へ」をテーマに新聞、通信、放送、出版など約120社の関係者約330人が出席し、2日間の日程で神戸市中央区のホテルで始まった。

 大会では開催地を代表して神戸新聞社の稲垣嗣夫社長が「私たちは常に原点回帰を心掛けなければいけない。報道の本質は社会悪に立ち向かうことだ」とあいさつ。

 続いて作家の高村薫氏が「書き言葉のゆくえ〜読むニュース、観るニュース」と題して講演。新聞記事が一行15字前後から11字前後に短くなったことを指摘し「字数を減らすために消えた表現がニュースを読みにくくしている」などと批判した。

共同通信社

(太字は引用者=俺)
「報道の原点」ですか、すごいですね(棒読み)。
この記事と「マスコミ倫理懇談会全国協議会」に関しては2つ疑問があります。
↓まず第一に、「googleニュース」で「マスコミ倫理懇談会」で検索すると
http://news.google.com/news?hl=ja&ned=jp&ie=UTF-8&scoring=d&q=%E3%83%9E%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%9F%E5%80%AB%E7%90%86%E6%87%87%E8%AB%87%E4%BC%9A&btnG=%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9%E6%A4%9C%E7%B4%A2
2004年10月1日朝の段階で22件ほどひっかかるんですが、そのうち20件がほぼ同じテキストなのはどうしてなのでしょう。ちなみに、山陰中央新報の「松江で中国地区マスコミ倫理懇談会」というのは別のニュースなので、事実上独自の記事を載せているのは、大会が行われている地元の神戸新聞だけということになります。
ずらりと並んだ

マスコミ倫理懇談会全国協議会の第48回全国大会が30日、「いま、ジャーナリズムの原点へ」をテーマに新聞、通信、放送、出版など約120社の関係者約350人が出席し、2日間の日程で神戸市中央区のホテルで始まった。 ...

というgoogleの見出しはある種感動です(厳密には俺のところで引用した2バージョンがあります)。これは俺には「報道規制」が敷かれているか、ちゃんと取材していないのか、という判断しかできないんですが。取材する価値のないニュースや、海外で特派員を派遣するほどのゆとりがない地方新聞の場合はまぁ、共同通信その他提携している他メディアの情報を流用することもアリとは思いますが、「約120社の関係者約350人が出席」しているそうなので、独自の記事を報道している新聞社がもっとあってもいいと思うんですが。
「報道の原点・本質」は、ちゃんと取材して、取材した情報を記事にすること、です。「社会悪に立ち向かうこと」以前の問題です。
ただ、今日まで大会は開かれているそうなので、その後(明日以降)独自の記事を、取材した結果にあわせて載せていく可能性もあると思うので、もう少し様子を見てみたいとは思います。
現時点で同一テキストを乗せている新聞社に関するメモ(ダブりがあります)。
山陽新聞河北新報日本経済新聞静岡新聞京都新聞神戸新聞四国新聞山陽新聞岩手日報福島民友新聞東奥日報秋田魁新報・熊本新聞
朝日・産経といった新聞社が記事にしていないところを見ると、意外とたいしたことのない「大会」なのかも。あと忘れてたんだけど、「googleニュース」に記事提供してない新聞社もけっこうあるとか。
気になることのあとひとつは、「マスコミ倫理懇談会全国協議会」の公式サイトが見当たらないことで、これでは「採択」される予定の「大会申し合わせ」がどのようなものであるのか、普通の人間には確認できません。
秘密結社か何かですか
これで「知る権利」「報道の自由」とか言ってたのでは駄目かも…。
2004年10月1日夜の追記:
まず、朝日新聞は独自の取材で記事を書いてました。あんまり俺のサイトでは誉めることのない朝日ですが、まぁこれはよくやったんじゃないかと。
↓震災報道、反省点も/危機管理分科会(朝日新聞
http://mytown.asahi.com/hyogo/news02.asp?kiji=9552

 95年の阪神大震災や昨年の新型肺炎SARSがきっかけで策定された危機管理マニュアルは、現場で生かされているだろうか。神戸市中央区神戸ポートピアホテルで30日始まったマスコミ倫理懇談会の全国大会で、「危機管理とメディアの使命」をテーマにした分科会では、全国から集まった新聞、放送の記者ら56人が、この夏続発した自然災害での体験などを出し合った。

  神戸新聞社の高士薫社会部長は阪神大震災の体験に触れ、「町が壊滅した時の取材ツールは通話用の10円玉と自転車。原始的な取材方法に立ち戻った時は、目の前の惨状をきちんと書ける記者を育てておくことが危機管理になる」と話した。

  在阪の放送局は「災害の全体像をできるだけ早くつかむことが取材の成否を決める」と指摘。この局は阪神大震災の発生6時間後のニュースで「死者200人」としており、「報道の初動の遅れが救援の遅れにつながった」と反省を込めた。

  安否情報にテレビ局がどれだけ時間を割けるかについては「テレビでは24時間中の15秒しか、1人の安否を伝えられなかった。インターネットの掲示板のような双方向性を有効に利用すべきだ」と提案があった。

  29日に管内が台風21号による豪雨に襲われた地方局は「名古屋市の本社近辺は雨が少なく、土砂崩れがあった三重県宮川村の状況把握が遅れた」と報告。中継車が現地に入ったのは30日朝だった。また、9月5日の紀伊半島地震の時も「震度5強なら参集」というマニュアルがあだになり、「震度5弱、津波警報発令」で出社すべきか迷う社員が出たという。

  昨年5月、SARSに感染した台湾人医師が日本を旅行した際の立ち寄り先の実名報道や、今年2、3月の鳥インフルエンザ風評被害についても対応を出し合った。

  在阪の放送局は「感染の拡大防止という公益性がある限り、宿泊先の実名公表を避けるのは賢明ではない」と指摘。一方、府県の発表を待って実名報道に切り替えた地方紙各紙からは「もし、風評被害があったとしてホテルから損害賠償を請求されたら、と思うと実名は避けたい」との声も。「ホテルなど企業側が危機管理のために、不利な情報を早く公表する傾向にある中、マスコミだけが逆行している」という意見も出た。


(10/1)

ただしこれは「MYTOWN : 兵庫」の記事なので、全国版に掲載されたかどうかは不明です。
あとは、共同通信の配信による「閉幕」の記事が掲載されてました。こんな感じ。
↓◎「メディア規制に反対」(10/01 12:08:16)(福島民友新聞
http://www.minyu-net.com/news/2004100101001239.html

「いま、ジャーナリズムの原点へ」をテーマに神戸市で開かれていたマスコミ倫理懇談会全国協議会の第48回全国大会は1日、全体会議でメディア規制への反対などを盛り込んだ「大会申し合わせ」を採択し、閉幕した。次回は来年9月、広島市で行われる。  申し合わせは「読者、視聴者のメディアに向ける目はいっそう厳しさを増している」とした上で「国民の知る権利に応えるため、メディア規制の動きにあらためて反対し、マスコミ倫理の向上に努める」としている。  大会には通信、放送、出版など約120社の関係者約330人が出席し、報道規制や震災報道、戦争報道などの問題を7つの分科会に分かれて討議。震災報道の分科会では、阪神大震災で被災者から苦情を受けたヘリコプターによる取材の在り方を話し合った。

「震災報道の分科会」以外ではどのようなことが話されたのかと、「メディア規制への反対などを盛り込んだ「大会申し合わせ」」というのがどのような内容なのかが気になります。
読者、視聴者のメディアに向ける目はいっそう厳しさを増して」いるわけですが。
まぁ330人もジャーナリストが集まったんで、他の記事も紙面その他に掲載されることを期待しています。