(少し古い)『インドから見た大英帝国 キプリングを手がかりに』『本はこうして選ぶ買う』『史上最悪のインフルエンザ 忘れられたパンデミック』

trcの新刊情報案内にもとづく、本日の読みたい本・おすすめ版。どんな内容の本かに関しては、リンク(「」印のところ)をクリックすると分かると思います。本の注文は、trcの関連会社ってことで、bk1(http://www.bk1.co.jp)をご利用してあげてください。【→bk1というところをクリックすると、簡単に該当する書物がオンライン注文できます。


『インドから見た大英帝国 キプリングを手がかりに』(北原靖明/昭和堂/5000円)【→bk1】【→amazon
20世紀への転換期、アングロ・インディアンと呼ばれ、インドで生きるイギリス人たちがいた。本国と植民地の狭間で揺れる彼らを、その一人であるラドヤード・キプリングを中心にひもといていく。


『本はこうして選ぶ買う』(谷沢永一/東洋経済新報社/1400円)【→bk1】【→amazon
「良書」と「愚書」をどう見分けるのか。新刊書店における心得、古本屋での作法、読書勘の養いかた等、当代きっての読書人が、半生の苦心と努力を綴った書き下ろし―。

『史上最悪のインフルエンザ 忘れられたパンデミック』(アルフレッド・W.クロスビー/みすず書房/3800円)【→bk1】【→amazon
少なく見積もっても2500万人以上の死者を出したといわれる、1918‐1919年のインフルエンザ(通称「スペインかぜ」)。本書は社会・政治・医学史にまたがるこの史上最大規模の疫禍の全貌を初めて明らかにした感染症学・疫病史研究の必読書であり、アメリカでは1976年から現在まで版を重ね続けている。この中で著者は、世界情勢と流行拡大の関連のようなマクロな事象から一兵卒の病床の様子まで、当時の記録を丹念に掘り起こす。特に大都市での流行(第六章、第七章に詳説)が「グランギニョール的カオス」に至る様は、読者のこの病への畏怖を新たにさせずにはいられない。しかしインフルエンザの真の恐ろしさは、罹患者数の莫大さによって実はけっして少なくない死者数が覆い隠され、「みんなが罹り誰も死なない」病として軽んじられることにあると著者は警告する。もしウイルスが例年以上に感染力や毒性の激烈なものへと悪性化したら?実際、インフルエンザのパンデミック(汎世界的大流行)は大震災に似て、人類の歴史上数十年の間隔を置いて繰り返しているという。来るべきパンデミックに備え、改めて史上最悪のインフルエンザの記憶をたどり、社会あるいは個人レベルの危機管理の問題点を洗い直すために本書は欠かせない。