人間が吸収・排出するウランの量は、個人差・地域差がけっこうある。あと「奇跡の水」を売る人たちについて

やはりここからの資料ですが、
劣化ウランFAQ集 - 国際原子力機関

すべての人は毎日、少量の天然ウランを経口摂取し吸引している。一般公衆が 1 日に経口摂取するウランは 1.3 μg(1 μg = 1 マイクログラム = 0.000001g)(0.033 Bq)、すなわち年摂取量は 11.6 Bq と見積もられている(UNSCEAR 2000)。
(中略)
食生活の違いのために、世界中のウラン消費レベルにはかなり多様性があるが、主に、摂取量は人々が飲む水に含まれるウランの量に依存している。世界の一部では、水に含まれるウラン濃度が非常に高く、この結果、食品よりも飲料水に由来するウランの摂取量のほうが高い。例えば、フィンランドの一部のウラン消費量は数十マイクログラム/日にも及ぶ。

経口摂取して体外に、(多分尿として)排出される量としては、「フィンランドの一部」の例を見る限りでは、特にその地点で癌が多い、という例はあまり見ないので、通常の数十倍ぐらいまでは許容範囲だ、ということでしょうか。
もちろん、もし本当にイラクに住んでたり、イラクで戦った兵士の尿に、劣化ウランと思われるものが大量に含まれていたら、その原因はアメリカの使った劣化ウラン弾のせいだとは思いますが、俺自身はまず、その「検査結果」というものに疑いを持っているのですね。
実は「イラクにいた人の尿からウラン(劣化ウラン)が出た」と言っている人は、世界中でUMRC(ウラニウム医療研究センター)のアサフ・ドラコビッチ博士(Dr. Asaf Durakovic)しかいません。この人の名前は、劣化ウランを語る際には、ジャーナリストというよりは宗教家のカメラマン「森住卓」さんという人の名前と同じくらい重要なので、この際によく覚えておきましょう。
要するに、そのUMRC以外では「追試」に成功していないし、どういうやりかたで尿の劣化ウランを検出しているのか、俺は知らないのです。そのやりかたが有効なら、世界中で同じやりかたを用いている複数の研究所・研究者がいるはずですが、これでは正直なところ「癌が治った奇跡の水」と同程度の信頼度しか俺には持てません。
俺自身もあまりきつい言いかたは避けたいとは思いますが、「劣化ウラン弾のせいでイラク放射能に汚染され、病人がたくさん出ている」という、信頼度が薄いことを信じている人は、やはり別の信頼度が薄いことを容易に信じてしまいそうなので、もし俺が詐欺師だったら、そういう人を相手に「癌が治る奇跡の水」の通信・実演販売をやってしまいたいところです。「3か月で10キロやせられる、奇跡のダイエット食品」でもいいですね。「癌が治った人」「10キロやせた人」の証拠写真(画像)があるとさらにいい感じでしょうか。「癌が治った原因」「やせた原因」と、特定商品との関連はもちろん秘密です。
以下のところのコメント欄では、このようなことを言っている人がいるみたいですが、
空のつぶやき: 事実を正確に公表してほしい

ほんっと、なんでこんなことがわかんないのッ!!!
そんなのみんな情報操作にきまってるじゃない!!
実際に、体内被爆してる子供がいるっていう事実をどう説明すんのよ。
そんなカンタンなことがわかんないの?
どんな情報操作したって、本当の真実は必ずバレるんだから!!
ってか、もうとっくにバレテルし。
バレテる事実を必死になって隠そうとするなんて、お笑いですね。
投稿者 flower : 2005年06月21日 01:09

なんか俺には「実際に『奇跡の水で癌が治った人』がいるっていう事実をどう説明すんのよ。」「そんなカンタンなことがわかんないの?」という風にしか聞こえないのですが…。
1・「体内被曝している子供」がいるかどうかは不明
2・奇形で生まれてくる子供がいることは明らかだが、その原因が劣化ウラン弾にあるかは不明
3・奇形の子供の数(割合)が、通常の値と比べて多いのか不明(正確なデータが存在しない)
これらが「不明であること」は「事実」なのです。
日本が「反核団体」が多いことを知ってて、出稼ぎに割とよく来ている特攻野郎Aチーム、じゃなくて劣化ウラン弾Aチーム、のメンバーに関しては、以下のところなどに少し書きましたが。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20040220#p1
ドラコヴィッチ博士、ダグ・ロッケダグラス・ロッキー)氏、ヘレン・カルディコット博士、それにローレン・モレ氏の4人に関しては、もう少し俺もちゃんと言及しておくべきかと思いました。