お笑い『始皇帝暗殺』(モンティ・パイソン版)

こんなテキストを見つけたので、
Binwa Diary:刺客

連日刺客刺客と騒がしいが、考えてみたら、わたしは実在した「刺客」の名前をほとんど知らない。刺客ときいて思い浮かぶのは荊軻だけだ。

昔作ったネタを再アップしてみます。しかしこれ、映画『始皇帝暗殺』とモンティ・パイソンの世界を知らないとあまり面白くないかもしれない(けど、気にしない)。
参考資料。
始皇帝暗殺 - goo 映画

・まず、始皇帝と皇女と暗殺者の役はすぐ決まる。キレてる役が得意なあいつと、女装が好きなあいつと、ガタイのデカいあいつ、ですね。それに始皇帝の父と叔父がいればいいんだから、配役は簡単。
・暗殺者が鍛冶屋(だったっけ?)の一家を皆殺しにすると、全盲の娘(女装)が出て来て大騒ぎをする。父親の死体かと思って「熱い別の奴(ナベとか)」に触って、アッチッチ、とか、馬の首(どっかから持ってきます)を振り回したり、とか。シーンラストの、「オレは左利きだ」ってのは、まるまる使えますね。
・皇女の顔に焼き印を押すシーン。「いいからやって」とのたまう彼女(女装)に、係の人間は、延々エクスキューズをおこなったり、隣のところで焼き印の順番を待っている人間が「オレはもうひと月も待ってたんだぞ! いくら皇族だからって、ズルいじゃないか!」と怒ったり(マゾヒストで、ちゃんと革のボンディージを着ている)、とか。
・野戦での戦闘シーン。戦車を引くのは、当然人間。「ホーリー・グレイル」の時と同じように、カポカポ鳴る木の道具を持っている。対戦相手は、人間3人の上に乗ってる。でもって、帽子を取られたら負け
始皇帝に対して謀反をはかった結果、宮殿の前で護衛の兵士たちに取り囲まれる叔父の仲間たち。将軍の「弓を射て!」の命令で、周りの兵士は弓を射るのだが、叔父たちを取り囲んでいるもんだから、弓矢がトイ面の兵士たちばかりに当たり、兵士はばたばたと倒れる。叔父とその仲間は、その隙をぬって脱出する。
・「最後のテストだ」ということで、暗殺能力を闘技場で試される最強の暗殺者(荊軻)。「秦王を倒せ!」って言って襲いかかってくるテスト奴隷(覆面のような防具をつけてる)をどんどん倒していく。最後に出て来た奴をやっつけて、防具を剥いだらそれが実は秦王荊軻見て見ぬフリをして、さりげなく防具をもとに戻す。
・秦軍の総攻撃で、持ちこたえられなくなった城に住む子どもたちは、城壁から楽しそうに飛び降り自殺をする(なんか、実際の映画のほうでも楽しそうでした)。最後の一人が飛び降りたら、足下は死体の山だったんで、1メートルぐらいしか落下できなくて子供は助かる。「ママ!」と助けを求める少年に、彼の母(またもや女装)は「誰か坊やを!」「よし、消防車だ」ということになり、勇敢な消防士は男の子を助けに行く。消防士は、死体の山を踏んづけながら(まだ半死で動いているのも多数)、登って降りるが、坊やを抱えたまま降りる最後のあと一歩でコケて子供を押し潰し、感動の場面が台無しに。
・ラストのシーン。地図を広げて中の剣を見たら、いきなり折れてる(←こういうベタなギャグは、モンティ・パイソンではやらないかも)。
・秘策として暗殺者の頭領より「対ドイツ戦での秘密兵器」を授けられた暗殺者(暗殺者「ドイツって何なんですか?」頭領「そんなこと、オレが知るわけないじゃないか! 2000年も先のことなんだから」)。この文書を相手に読ませればイチコロさ、ということで暗殺剣と一緒に持っていく。対面の場で、その文書を音読する始皇帝。みんなはゲラゲラ笑いはじめるが、肝心の始皇帝ギャグが分からない奴。「何がおかしい!」と怒りまくる。始皇帝をだますための道具として生首になってしまった元・将軍も、笑いながら首だけの身でホールの池に落っこちる(「助けてくれ! オレは泳げないんだ!」)。それでも何とか任務を果たそうとする暗殺者は剣を持って始皇帝を追いかけるが、追いつめられると始皇帝はその「秘密兵器」を読みあげるもんだから、暗殺者は笑いまくってトドメをさすことができない。ついに難を逃れた始皇帝は、カメラ目線で「いつまで見てんだよ、お前ら、もうこの映画は終わったの! いい加減に撮るのやめろよカメラ! フィルム・ストップ、終わりだってば!」としばらく怒り続けるが、一向に撮影が終わらないので、ついに手でレンズを塞ぎ、画面は黒くなる。エンド。