国連人権委員会とその関係者を政治的に利用している人たち(2):「国連人権委員会の人種差別問題に関する特別報告者のディエン氏(セネガル)」の発言記録とその背後関係

これは以下の日記の続きです。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20051114#p1

まぁ、ディエン氏の背後関係に関しては2005年の夏の時点で、あちこちのサイトが言及しています。それについては、あとで語ることにして、まず朝日新聞が報道している「国連総会第三委員会(人権)」における「ディエヌ特別報告者(セネガル)」の発言を、オフィシャル・サイトから拾って紹介しておきます。
それは以下のところにあります。
ACCEPTANCE OF MULTICULTURALISM AT HEART OF GLOBAL FIGHT AGAINST DISCRIMINATION, THIRD COMMITTEE TOLD
日本に関する言及部分は、こんな感じです。

Turning to his visits to Japan and Brazil, he said officials in both countries had exhibited a commitment to fight racism and xenophobia. The Brazilian President was committed to tackling his country’s heritage of political, economic and social racism. The indigenous and Afro-Brazilian communities in Brazil continued to be socio-economically marginalized and invisible in the structures of power. Despite affirmative action programmes in Brazilian universities, genuine resistance to ending racism still existed. In Japan, insularity had bred real racism and xenophobia. Korean and Chinese minorities, as well as new immigrants from Asia and Africa, were still subjected to racism. Overall legislation to combat racism in Japan would undoubtedly bolster Japan’s reputation.
He said that, in his report to the forthcoming session of the Commission on Human Rights, he would adopt a critical and forward-looking analysis. He called for strengthening the legal apparatus against racism and for educational and cultural strategies to end it.
Discussion
During the question-and-answer period following Mr. DIENE’s statement, the representative of China enquired about his proposals to the Japanese Government to end racism. Such proposals, Mr. Diene said, would be documented in his report to the Commission on Human Rights.
As to the query from the representative of Japan on his criteria for selecting countries to visit, he said he would first request that countries invite him by extending an invitation. He had made such a request to Japan, to study the occurrence and impact of racism in a highly technologically and intellectually advanced society. Japan was clearly committed to multiculturalism. His visit would enable him to see what progress had been made to ease Japan’s historical burden of racism. He called for stronger political will to combat racism, and for Japanese authorities to state their position on the xenophobic speeches of the Governor of Tokyo. Further, he called for identifying history’s role in Japan and how in fact history was being taught.
(中略)
Responding to questions from the representatives of the Republic of Korea and the Democratic People’s Republic of Korea on discriminatory treatment of monitories in Japan and the country’s bias teaching of history, he said history could be taught in a self-centred way, whereby neighbouring countries were demonized. That was the case in Japan, which had led to racism and xenophobia. The history of Japan as colonizer of neighbouring countries had given the Japanese a negative image of the Chinese and Koreans, even while historically, it shared a long religious relationship with them. History must be used as a source of dialogue with neighbouring countries. His report would propose that Japan and other countries adopt national anti-racism legislation based on the Durban Declaration.
【試訳】
日本とブラジルへの彼(ディエン氏)の訪問の後、彼は、両国の当局者が人種差別と外国人恐怖症と戦う態度表明を示したと言った。 ブラジルの大統領は自国の政治的、経済的、そして社会的な人種差別の遺産に取り組むことを約束た。 土着、およびアフリカ系ブラジル人の共同体は、引き続き権力構造の中で社会経済的に取り残されて無視され続けた。 ブラジルの大学における差別撤廃措置プログラムにもかかわらず、人種差別を終わらせることへの生来の抵抗はまだ存在していた。 日本では、島であること(島国根性?)が真の人種差別と外国人恐怖症を育成した。韓国人と中国人のマイノリティは、アジアとアフリカからの新しい移民と同じく、相変わらず人種差別を受けていた。 日本の人種差別と戦う総合的な立法は間違いなく日本の評判を高くするだろう。
彼は次のように言った。国連人権委員会の今度のセッションのレポートに、批判的で前向きな分析を採択するだろう、と。 彼は、人種差別と教育的で文化的な戦略のための法的な装置を強化するように求めた。
審議
ディエン氏の声明に続く質疑応答で、中国の代表は、人種差別を終わらせるための彼の提案について日本政府に尋ねた。 ディエン氏は、それらの提案が国連人権委員会への彼のレポートに記録されると言った。
訪問される国の選択基準に関する日本の代表からの質問に対し、彼は、最初に国に対し彼を招待することを要求すると言った。 彼は、ハイテクで知的に非常に高度な社会における、人種差別の発生と衝撃を研究するため日本にそのように要求した。 日本は多文化主義であることを明確に表明した。 彼の訪問は、どんな進歩が日本の人種差別の歴史的な重荷をゆるめるためにあったか、について見ることを可能にするだろう。 彼は人種差別と戦う、より強い政治意志と、日本の当局は東京都知事の外国人嫌いのスピーチにどのような考えを持っているかについて述べることを求めた。 さらに彼は、日本の役割と、歴史が実際どのように教えられているかを確認するように求めた。
日本でのmonitories(?)の差別待遇と歴史の偏向教育に関する大韓民国朝鮮民主主義人民共和国の代表から質問に応じて、彼は、近隣国を悪者扱いするという自己中心的な方法で歴史を教えることは可能であると言った。それは日本の方法であり、人種差別と外国人恐怖症に通じるものである。 近隣国の植民地開拓者としての日本の歴史は、中国人と韓国人との長い宗教関係を歴史的に共有しさえしたとはいえ、彼らの否定的イメージを日本人に与えた。近隣国との対話の源として歴史を使用しなければならない。 彼のレポートは、日本と他国がダーバン宣言に基づく国家の反人種差別主義法律を採用すると提案するだろう。

なんか、日本の事情について誤解している部分が多いようにも思えますが(英語テキストの誤読もあるとは思いますが)、調査員のディエン氏に、日本の何を誰が見せたか、については、以下のサイトがすでにくわしく語っています。
悪辣、国連人権委員会を利用した情報戦(Irregular Expression)
総連と民潭、ガッチリ握手で不法占拠を支援(mumurブログ)
外国に日本の情報が正確に伝わっていないこと、要するに「情報戦」において日本政府が遅れを取っているために、日本および日本人が人種差別的な国家に対外的に思われてしまうことには、どうも納得がいきません。そういった情報を流している側が非民主的な国家であったりする場合はなおさらですが。
 
これは、以下の日記に続きます。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20051116#p1