ひさびさの宮部みゆきの新刊です。


私はこういう宮部みゆきが好きだ。もともと宮部みゆきという人は、すぐれて「普通の人」が抱えてしまった世界(=社会、他者)との違和感が、そのズレゆえに苦しみを生きることになるという人物を書かせたらちょっと右に出る者がないほどの叙述を見せてくれる。とくに「普通の」若い女性の「気持ち」と、その「気持ち」が置かれた「状況」との微細な、しかし堆積していくと決して無視できなっていくズレに敏感な作家だ。
↑ひさびさの宮部みゆきの新刊です。