ランキングはつまらないけど、自分で選ぶほど暇じゃないので仕方ない
相変わらず見出しは演出です。
このエントリーがとてもツボだったので言及。
→まなざしの快楽 - ランキングという化け物を乗りこなすことができるのだろうか
ボクが映画よりも本がおもしろいというのは、個人的な趣向である。映画には映画ランキングに依存しないマニアがいるように、どのようなメディアにもランキングを越えたマニアはいる。現代の情報社会では全てを自ら選択する時間はない。人々はなにかに対してマニアであり、それ以外はランキングに身をゆだねている。情報化社会においてはランキング重視とマニア化の二極化が起きる。
これに関連した、ぼくのテキストは以下のところなど。
→愛・蔵太の少し調べて書く日記 - 人は選ぶものが多くなると選ばなくなるというのが昔からの俺の自論だ
→愛・蔵太の少し調べて書く日記 - 普通の穴が欲しかったら宮部みゆきで十分だ。それで足りなければ恩田陸と石田衣良
→愛・蔵太の少し調べて書く日記 - 書店で『デスノート』だけじゃなくていろいろなものが手に入らない本当の理由
それらを見ていただくと、他の面白い外部リンクテキストにも行きつくと思います。
ぼくは、現状のWeb2.0というのは、「世界の万物のランキング化（衆愚化）」になっている気がするのでとても否定的です。否定的とはちょっと違うな、悲観的、という感じですか。googleにしても「はてなブックマーク」にしても、今のところロングテールなんて世の中にありゃしないということを証明しているだけですよ。
本当に面白いものを見つけようと思ったら、世界の事物を、他人の力に頼らないで、自分の力で再構築・再発見するか、信頼できる数人の先達の意見を参考にするか、です。「なるべく多くの人に聞いたら、正しい答が得られるだろう」ということは、少なくとも知的エンタテインメントの方面ではありません。正しい答なんてないんですから。
100人の他人に聞くより、1人の専門家に聞いたほうがいい、というのもあるし。
誰でも面白いものを世界中に発信できるメディアが手に入ったら、次に必要なものは面白いものを見つけることができる人間で、その次に必要なのがランキングです。
だからぼくは、「クリッピング系」を含む「ニュースサイト」は信じるけど*1、「ランキング系サイト」はあまり信じない。「この本・映画・音楽は面白いし楽しい」と言っているブログは信じるけど、別にランキングで読んだり見たり聞いたりしない。みんながそうしてくれると助かるんですが、たかが娯楽にそんなに時間をかけられないんでしょうね。
（追記）
こんな意見も。
→304 Not Modified: ランキングがまとめサイトの時代を作るのか
少し話はズレちゃうけれど、私も以前は誰彼かまらず「ニュースサイトやろうよ」って声をかけていたんだけれど、最近は言わなくなったんだ。それは、何人かのブログ書きがニュースサイトの楽しさに溺れてしまって、自分で書くことをしなくなったときにショックを受けたんだ。もちろん、ブログにもニュースサイトにもまとめサイトにだって、ただやるだけなら誰でもできるけれど、良いものを出し続けるにはそれぞれ異なった才能が必要で、やってみなきゃ何に向いてるか分からないというのもわかる。でもね、私はニュースサイトをやっていて、個人の意見を読んで取り上げるのが好きな一人として、一番ショックなのは良い書き手を失うことなんですよ。ましてやsirouto2さんのような良い記事を書き続けてきた実績のある人だったら止めたくなるのが人情というものでしょう。
（太字は引用者＝ぼく）
自分で書いていたテキストが多かった時代と比べて、引用が多い今は格段に文章力が落ちているな、と自分では思う部分がある。つまり、自分のテキストが「情報を伝える」という力だけがあればいいと思ってしまうわけで*2、そうすると表現力、つまり自分のテキストで何かを伝える能力が低下してしまうんですね。加工された食べ物に慣れると下顎の力が低下する、みたいなものか。もっと自分で文章を作ることを積極的にしないといけないな。ただ、それはぼくのレベル*3でやると「煽り」とか「揶揄」度の強い・高いものになりかねないので、その判断が難しいところ。これは余計な考えか。
ニュースサイトをするほど暇でもないので、最近はニュースチェックもあまりしていない。世間で何が流行ってるんですか。従軍慰安婦関係？ まぁそれはわかる。わかるけれども、言及する体力・時間がないんですよ、とほほ。
